JICA大学連携による海外協力隊派遣活動報告(ウガンダ)7月 島田卓さん
掲載日:2022.08.01
獣医学部獣医学科( 2012年度卒) 島田 卓(Taku Shimada)
任地ムバララでの生活は5ヶ月目に差し掛かった。だいぶこちらでの生活にも慣れ、現地の人たちと円滑にコミュニケーションをとることができるようになってきた気がする。協力隊としての活動は一進一退の状態で、活動を理解してくれている人とそうでない人の温度差は激しく、スムーズにいく日もあればなかなか思うように進まない日もある。時間はかかると思うが一歩ずつ前進していけるように努めていきたいと思っている。
今回は活動報告とともに、休日の過ごし方について紹介したいと思う。
現在の活動としては、前回に引き続き研究所での検査業務と、週に2回フィールドに行くようにしている。フィールドでは各郡所属スタッフ同伴のもと、過去のプロジェクトに参加していた30農家を回って現状を知るための聞き取り調査をしている。9月末にはひと通りの聞き取り調査が完了するので、その結果に基づいてさらなる安全な牛乳生産を支援するための方法を考察していく予定である。
研究所での検査に大きな変化はないが、日本では法定伝染病として扱われているブルセラ病、ピロプラズマ病、アナプラズマ病が、ウガンダでは風土病となっており日々検出されることに驚かされる。また、死亡検体の臓器のスタンプ標本から炭疽菌が検出することもあり、検査する側も十分な防護をもって検査にあたる必要があると感じている。検査する側は注意していても、農家や検体を研究所に持ちこんでくる人は危険性を知らず十分な防護無しで検体を取り扱ってしまっていることも多々あるので、それらを周知させることも研究所での活動の一つといえる。
フィールドでは、現在聞き取り調査を実施している。前回のプロジェクトに参加している農場ばかりなのである程度の技術や知識を持っている農家ではあるが、プロジェクトが終了してから期間が空いていることもあり、多くの農家はわかっているけどできていないと苦笑いしながら話してくれた。また、農家の人は現地語であるニャンコレ語しか話せない人も多く、現地スタッフに通訳してもらいながら聞き取り調査しているので、今後さらに現地語を習得して、ダイレクトにコミュニケーションをとれるように努めていきたいと思う。
今回は聞き取り調査と並行してバリューチェーン調査も実施した。農家から集められた牛乳がどのようなルートで消費者に届けられているかを把握することは、衛生管理の実態を把握することに重要な役割を果たすと思われる。今後は細菌数の調査や薬剤残留などの調査へとつなげていき、安全な牛乳が消費者に確実に届けられるようにすることが目標である。
次に活動以外での休日の過ごし方について紹介したいと思う。ウガンダは自然が豊かであり、じつに1000種類もの鳥がいると言われている鳥王国である。私の家はアパートの3階にあり、任地ムバララが一望できるので、ここから双眼鏡でバードウォッチングすることが休日の楽しみになっている。カラフルな鳥や恐竜みたいな迫力のある鳥、ウガンダの国旗に描かれている鳥もたびたび観察することができる。国立公園もたくさんあるので、連休ができたらぜひ訪れてバードウォッチングを楽しみたいと考えている。
また、休日に同僚の家でごはんをごちそうしてもらったり、守衛の実家に招かれたりと、現地の人とのふれあいも休みの日の醍醐味である。これからも現地の人との触れ合いを通して、活動の糧にしていきたいと思う。