JICA大学連携による海外協力隊派遣活動報告(ウガンダ) 5月 島田卓さん

掲載日:2022.05.17

獣医学部獣医学科( 2012年度卒) 島田 卓(Taku Shimada)

任地ムバララに派遣されてから早くも3ヶ月が経過した。現在の活動としては、前回記したとおり配属先事務所の横に併設している研究所にて検査業務を行っているが、事務所の体制が整い次第、本格的にフィールドに出ていき安全な牛乳生産を向上させるための活動を行っていく予定である。
今回は、ムバララでどのような生活を送っているかと、この期間で訪れたフィールドでの体験談を報告したいと思う。
まず言葉に関して話したいと思う。ウガンダでは公用語として主に英語を使用するが、多数の部族が存在し部族ごとに話す言語が異なり、日常で話す言葉は英語と現地語がミックスされていることが多い。ムバララの現地語はニャンコレ語が話されており、日常生活だけでなく会議でもニャンコレ語を交えて話されることが多いため、完全に内容を理解するのは至難の業である。そこで語学習得のために、活動中だけでなく、夜に住居の大家さんや守衛さんと毎日積極的にニャンコレ語を話し、語学力の向上に努めている。

JICA大学連携による海外協力隊派遣活動報告(ウガンダ) 5月 島田卓さん

子供用の本を読んだりして勉強している

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ニャンコレ語を教えてくれる守衛さん

ウガンダでの食事は、主食としてマトケ(調理用バナナを蒸して潰したもの)、ライス、ポショ(モロコシ粉を水で練って蒸したもの)、サツマイモ、ヤム芋、キャッサバなどで、それらをスープと一緒にいただくのが一般的である。それに加えてムバララではアカロ(きび粉とキャッサバ粉をお湯で練ったもの)も食べるが、これはおもちのような食感で美味しい。スープにも、牛肉、山羊肉、淡水魚、豆など様々な種類があり、毎回異なる味を楽しめる。

JICA大学連携による海外協力隊派遣活動報告(ウガンダ) 5月 島田卓さん

左上の籠に入っているのがアカロ、中央にマトケとブラウンライスとドゥードゥ(青野菜)、右がローカルチキンのスープ

ウガンダでは午前中に必ず軽食をとる習慣があり、紅茶と一緒にバナナやチャパティ、サモサをいただく。ムバララは酪農の盛んな地域ということもあり紅茶といえばロイヤルミルクティーが一般的である。

JICA大学連携による海外協力隊派遣活動報告(ウガンダ) 5月 島田卓さん

ティータイム、この日は煎りピーナッツがお茶のお供だった

次に、フィールドでの体験談を報告したい。前回からフィールドに出たのはたった3日だけだったが、非常に充実した3日間だった。最初の2日間は県の飼育指導員に同行して治療の見学や補助を行ったほか、前回のプロジェクト参加農家も訪問した。その農家は衛生管理や飼養管理の優れた優良農家であり、他の農場の模範となりえると感じた。残りの1日は、疾病に罹患している牛がいる農場を訪れ、治療方針の助言と飼養管理方法の提案などを行った。この農家も前回のプロジェクト参加農家の一つであったが、まだ経験の浅いこともあり、第三者の助言がほしいということで訪問することになった。活動という活動がなかなかできない中で、非常に有意義なフィールドでの活動となった。

JICA大学連携による海外協力隊派遣活動報告(ウガンダ) 5月 島田卓さん

駆虫薬を投与している様子

JICA大学連携による海外協力隊派遣活動報告(ウガンダ) 5月 島田卓さん

牛の耳内に多数のダニを確認

私のこれからの活動として、前回のプロジェクト参加農家の現在の状況や、バリューチェーンの再調査などを実施し、現状把握と提案・指導等を行っていきたいと思う。そして、それらの農家をモデル農家として、前回は参加していない農家への飼育方法や衛生管理の支援を広げていきたい。また、ダニ媒介性疾患の問題や、牛乳や牛肉などの薬剤残留の問題など、調べたいことや進めていきたいことはたくさんあるが、まずはここの生活に慣れて、現地の人たちとの信頼関係を築いていていけるよう努めていきたいと思う。

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駆虫薬を投与している様子。私も投与をお手伝いした