データと対話で「命」を守る。獣医疫学ユニットが挑む、地球規模の課題解決

掲載日:2026.04.01

データと対話で「命」を守る。獣医疫学ユニットが挑む、地球規模の課題解決

大学院生・学生とタンザニアのマサイ族で現地大学とブルセラ症の調査を実施。

学問は、常に社会の「痛み」のそばにある。 口蹄疫、震災、パンデミック。

現場のデータから解決策を導き出す「問題中心主義」。

〜獣医疫学ユニット × 国内外ステークホルダー:社会実装型・疫学プロジェクト群〜

 

【この活動のポイント】

  • 徹底した現場主義: 学生一人ひとりが実社会のプロジェクトを担い、国内外の農家、行政、国際機関と協働。
  • 多角的なリスク解析: 家畜伝染病(豚熱、牛伝染性リンパ腫等)から人獣共通感染症(エキノコックス、狂犬病)、メンタルヘルスまでを網羅。
  • 世界を救うシミュレーション: 数理モデルや統計学を武器に、ワクチン接種戦略の立案や途上国の生産性向上に貢献。
データと対話で「命」を守る。獣医疫学ユニットが挑む、地球規模の課題解決

エキノコックス症調査で役場担当者のインタビュー

【活動紹介】

「問題中心主義」――学生の数だけ、救える未来がある   

獣医疫学ユニットの哲学はシンプルです。「社会で起きている問題を解決するために、学問がある」。 所属する全ての学生・大学院生は、机上の空論ではなく、実社会の切実な課題をテーマに研究を行います。その活動領域は、北海道の酪農場から、アフリカ、アジアの途上国、そして国や自治体の政策決定の場まで多岐にわたります。

災害と感染症の最前線で、人々の心に寄り添う   

私たちは、技術的なデータ解析だけでなく、関係者の「声」を聴くことを大切にしています。

  • 被災地支援: 2010年宮崎県口蹄疫や東日本大震災時、学生たちは現地を訪問。殺処分に従事した方々や被災者のメンタルヘルスを調査し、PTSD対策マニュアルの作成や傾聴ボランティアを行いました。
  • 防疫のイノベーション: 豚熱のワクチン接種適期を判定するモデルを開発し全国へ普及。また、エキノコックスや狂犬病の侵入・流行予測を行い、行政担当者への研修を通じて日本の公衆衛生と動物衛生を支えています。

グローバル・ワンヘルス(Global One Health)の実践   

薬剤耐性菌の脅威から、ベトナム、南アフリカ、ウガンダ等での家畜衛生指導まで、私たちの活動に国境はありません。 ウガンダでの3年にわたる調査指導では、現地の牛乳生産性を2割向上させるなど、具体的な成果を挙げています。 学生たちは、新型コロナ禍でも数理モデルを用いた啓発や動物看護師のストレス調査を主体的に実施しました。常に「今、何が求められているか」を問い続け、私たちはこれからもステークホルダーと共に歩み、科学の力で社会のレジリエンス(回復力)を高めていきます。

データと対話で「命」を守る。獣医疫学ユニットが挑む、地球規模の課題解決

東日本大震災の活動で宿泊させて頂いた大家さんが開業したカレー屋さんで、水産薬剤耐性調査の際に学生と訪問し、再会。