宇宙から砂漠を診る。衛星データで挑む「黄砂」発生の謎

掲載日:2026.04.01

モンゴルの砂嵐を、宇宙の目で見守る。

植生の枯死がもたらす「黄砂」の脅威を、日英共同研究で解明せよ。

〜人工衛星データ×環境モデル:地球規模の気候変動研究〜

宇宙から砂漠を診る。衛星データで挑む「黄砂」発生の謎

初めてイギリススターリング大学を訪問した時にスターリング大学の自然科学院院長のProf. Alistair Jump博士との写真(スターリング大学のキャンパス内)2025年3月

【この活動のポイント】

  • 日英共同プロジェクト: 星野仏方教授と英国スターリング大学のアリスター・ジャンプ教授らによる国際研究。
  • 宇宙からの解析: 光学・マイクロ波・合成開口レーダー(SAR)など、複数の人工衛星データをフル活用。
  • 健康と経済を守る: 黄砂(DSS)の発生メカニズムをモデル化し、空気質の悪化や呼吸器疾患の防止へ。
宇宙から砂漠を診る。衛星データで挑む「黄砂」発生の謎

星野仏方教授が2025年9月イギリス王立協会の基金に採択されて、初めての日本ーイギリス共同セミナーにてプロジェクト内容の説明の様子 - 星野仏方

【活動紹介】

「枯れた大地」が、空を飲み込む砂嵐を呼ぶ   

いま、モンゴルやゴビ砂漠などの乾燥地帯では、深刻な気候変動が起きています。長期的な乾燥によって植物が枯れ、むき出しになった土壌が不安定化。そこへ強風が吹くことで、巨大な砂塵嵐(DSS)が発生しています。 この砂塵は国境を越え、日本を含む広域に「黄砂」として飛来し、私たちの健康や経済に深刻な影響を与えています。

 

人工衛星を駆使し、目に見えない変化を捉える  

私たちは、この問題に日英共同研究チームで挑んでいます。 活用するのは、宇宙を回る人工衛星の膨大なデータです。

  • 植生変化: 植物がどこまで減少しているか
  • 土壌湿度: 大地の渇き具合はどの程度か
  • 表面粗度: 地面の凸凹が風の巻き上げにどう関わっているか これらを解析し、大気観測データと組み合わせることで、「いつ、どこで砂嵐が起きるのか」という関連性を数学的にモデル化しています。

地球の未来を、データと科学で守り抜く   

植物が一本枯れることが、遠く離れた国の空気質にまで影響を与える。 この巨大な連鎖を解き明かすことは、持続可能な地球環境を守るための第一歩です。酪農学園大学の知見は、いま世界を舞台に発揮されています。

宇宙から砂漠を診る。衛星データで挑む「黄砂」発生の謎

Prof. Alistair Jump 博士が2025年9月酪農学園大学を訪れ、公開シンポジウムでの講演の様子