牛の不妊治療に新たな光。再生医療「PRP療法」で挑む受胎率向上
掲載日:2026.04.01
「生まれない」を「生まれる」に変える、再生医療の力。
PRP(多血小板血漿)が拓く牛の繁殖新時代。
生産者の損失を救う、次世代の治療選択肢。
〜大分県農林水産研究指導センター×動物生殖学ユニット:
牛の受胎性向上共同研究〜
【この活動のポイント】
- 畜産現場の喫緊の課題を解決: 経済的損失の大きい「長期不受胎牛」に対し、科学的根拠に基づいた新たなアプローチを提示。
- 人医療から獣医療への応用: 歯科や整形外科で実績のある「PRP(多血小板血漿)療法」を導入。血小板の成長因子による組織修復・抗炎症作用を活用。
- 産官学の広域連携: 大分県の研究機関とタッグを組み、現場の獣医師や生産者へ「新たな治療の選択肢」を届けるための実証データを蓄積。
【活動紹介】
繁殖の停滞は、畜産経営の停滞に直結する
乳牛・肉牛を問わず、何度も交配を重ねても受胎しない「長期不受胎牛」の増加は、日本の畜産農家にとって極めて深刻な問題です。一頭が受胎しない期間が長引くほど、生産者の経済的負担は増大します。 動物生殖学ユニットでは、この「生命の誕生」を阻む壁を打破するため、再生医療の知見を用いた研究に取り組んでいます。
血小板の力で、子宮の環境を「再生」する
私たちが注目したのは、多血小板血漿(PRP)です。PRPには組織を修復し、炎症を抑える「成長因子」が豊富に含まれています。これを牛の子宮内に注入することで、受胎に適した健やかな環境を再構築する――。人医療の産婦人科領域等でも応用されているこの最先端技術を、牛の不妊治療に導入するための調査を行っています。
現場の獣医師と生産者の、確かな「希望」になるために
大分県農林水産研究指導センター畜産研究部との共同研究を通じて、私たちは着実にデータを積み上げています。 目指すのは、これまで「諦めるしかなかった」不受胎牛に対する、確かな治療選択肢を確立すること。大学の知見を現場へ還元し、命を繋ぐサイクルを正常化させることで、持続可能な畜産経営を足元から支えていきます。

