2022年度 タイ・カセサート大学単位互換プログラム 11月報告書(藤森さん)
掲載日:2022.12.21
タイ・カセサート大学単位互換プログラム報告書(11月)
獣医学群獣医学類5年 藤森摂(Sho Fujimori)
毎度似たような書き出しにはなってしまいますが、早くも11月が終了しました。タイに来てから、約2か月と2週間が経過し、タイの生活は残すところ2週間となりました。タイは気温が下がり、タイの学生は風邪を引いた人が多かったようです。
11月は2週間の豚に関する実習、1週間大学外で泊まり込みでの大動物実習、1週間の馬の実習を行いました。
11月の初めからスタートした豚の実習では、実習に参加する生徒を2つのグループに分け、それぞれ1週ずつ、豚の病理解剖および豚の群管理について学びました。また、週末には、2つのグループ合同となってケースディスカッションを行いました。豚の病理解剖実習では、大学に運ばれてきた、咳や食欲不振などの臨床症状を示した豚を解剖し、得られた所見やサンプルについて記録書を書きました。次いで、その所見やサンプルの検査結果から疑われる疾患を挙げ、週末のディスカッションで発表しました。全ての実習においても同様ですが、やはりこの病理解剖実習でも学生が主体となって実習が進められていました。学生は皆手際が良く、チームワークがとてもよかったです。先生の問いかけに対しても、論理的に自分の考えを話していることが印象的でした。豚の群管理に関する実習は、豚の死亡率や分娩率などのパラメータを用いて、農場の問題点を探し、改善策を提示するといった内容でした。実際に農場に赴き、その農場の管理の問題点を検討する日も設けられました。また、前述の通り、週末にはディスカッションを行いました。それに向けて、タイの学生と1つのプレゼンを作り、発表の練習をすることも日本ではなかなかできないことであり、とても良い経験になりました。豚の実習は、英単語が分からなかった上に、豚の飼養管理の流れについて理解していなかったのでかなり苦労しました。タイでの実習の中で、最も大変だったと言っても過言ではありません。しかし、豚の獣医師になるという友人をはじめとしたグループのメンバーに助けられ、なんとか理解できるようになりました。上手く説明はできないですが、実りのある実習だったと思っています。
豚に関する実習を終え、カンペンセンキャンパスから離れ、Nongphoという場所での大動物実習を行いました。Nongpho周辺は牛数頭だけの農家から300頭ほどの農家にいたるまで様々な形態の農家が多数混在する地域です。対象とする動物は、牛を主として、羊や山羊といった反芻動物であり、往診あるいは外来の動物の手術や処置などを見学しました。タイではホルスタインの他にも、様々な種のウシがおり、飼養管理なども含め日本の農家とは多くの違いがありました。そのような異なった農業形態に触れることができ、とても面白かったです。
次は馬の実習についてです。カンペンセンキャンパス内には馬の診療所があるため、そこで外来でやってくる馬の診療に参加しました。加えて、実習のために学内に馬が数頭飼われているため、そこで採血や各種身体検査の実習を行いました。診察時に行う身体検査から診断、治療に至るまでのプロセスを明快に説明していただき、自分たちもそれに倣って実践することで、臨床的な実習経験が乏しい私も理解を深めることができました。
11月は先月と比べて、ディスカッションや実習の時間が長かったので疲れるときもありましたが、楽しく学びの多い日々を過ごすことができました。これもひとえに、タイの学生と先生方の支えによるものです。この場を借りて感謝申し上げます。