2022年度 タイ・カセサート大学単位互換プログラム 11月報告書(鎌塚さん)

掲載日:2022.12.21

カセサート大学交換留学 月末報告 11月分

獣医学群獣医学類5年 鎌塚 龍生(Ryusei Kamazuka)

11月がスタートしました。11月はSwineの週からのスタートでしたが、2日にコロナウイルスとムエタイして敗北{コロナウイルス感染症(以下covid)を発症}してしまい、5日間隔離生活を送りました。

Thaiジョークはさておき、本題に入っていきます。Swineの授業は2週間あり、1週間はcovidでまともに授業に出席できなかったため、もう1週の病理解剖について報告します。ちなみにcovid感染時は発熱と頭痛、倦怠感、空咳と孤独でただただ天井を仰いでいました。人には会話が必要だと実感しました。豚の病理解剖ではカセサート大学(以下KU)の学生と一緒に病理解剖に回されてきた豚を安楽死から行っていきます。安楽死を行う際の耳静脈投与が難しく、日本ではやったことがなかったので良い経験となりました。病理解剖の際も稟告をしっかり取ることの重要性もあらためて知らされました。

翌週はBovineでした。Nhong phoにある動物病院に移動し、先生方の往診について行ったり、病院に運ばれてくる患畜の診療の見学をしました。ここNhong phoは前国王が酪農地帯として設定したため家畜が多いそうです。診療の内容はほぼほぼ日本と変わらないように思えました。ただタイの牛は小さく、大きい牛の種を付けたら難産は避けられないのだろうと容易に想像できました。実際目にした診療内容の中では難産が多かったように感じました。また、意外にもホルスタインが飼われていましたが、暑熱ストレスが大きく、AIを5,6回行っても種がつかないのはざらにあるようでした。タイで酪農をするのは相当な覚悟と労力が要りそうです。しかしながら、労働力を安価で確保できる背景から牛舎を清潔に保てている牛舎も多くありました。個人的にタイ人はよく働くと感じたのでこれらの環境が酪農業を支えているのだと感じました。タイの牛はさまざまな種類があるので見ているだけで面白く、動物園のような不思議な感覚を得ました。また、飼い方においても種ごとにはっきり分けていない牛舎や野に放牧をしている農家をよく見ましたが、どうやって管理しているのか疑問が残りました。タイは口蹄疫発生国であり、日本に住む私たちはこの疾病には十分な注意が必要です。Nhong phoのとある農場でも発生がありましたが、牛は淘汰せず消炎剤と抗菌薬で予後を観察します。それだけ1個体が貴重であり、感染症の制御が難しい大陸国であるという現実を知ることができました。同時に、日本の動物に関わる者として、検疫での水際対策や不活化剤の重要性を肌で感じました。口蹄疫に関しては現地の先生でも慎重に扱っており、常在しているからといえど野放しにしているわけではありませんでした。

Nhong phoから帰ってくると次の週はEquineでした。日本には無い症例が多くびっくりしました。具体的にはトリパノソーマ感染症などの寄生虫疾患や交通事故による義足をしていた症例などです。詳しくはRGUのウマ娘こと長瀬さんが報告してくれるでしょう(丸投げ)。先生方は馬にたいしての熱意が強く、詳しく丁寧に教えてくれました。実習では馬の身体検査から超音波検査、直腸検査、胃チューブを行わせてもらいました。どれもまともにしたことがなく有意義なものでした。往診随行した際には高額な赤外線治療器やポータブルX線撮影装置などウマ医療に強いKUを垣間見ました。

さて、ここからはみなさんお楽しみ、週末観光コーナーです。と思いきや、第1週の週末はcovidでダウンのため予定していたKrabiでの温泉巡りとロッククライミング、島巡りを断念することになってしまいました。今の世の中covidはいつかかってもおかしくないと自分に言い聞かせ、なんとか自我を保ちました。実際covidは誰でもなると思いますが、人に迷惑をかけるのと、シンプルに辛いので罹らないが吉です。翌週末はバンコクで散髪をしました。プロンポン周辺はもうalmost日本でした。このバンコクの観光のコンセプトは懐かしい日本に一旦帰るでした。そのコンセプトにしっかり応えてくれるのが日本人街です。先人に感謝です。寿司やトンカツを食べましたが、どれも美味しく日本の良さを再実感できました。日本食がうますぎて冗談抜きで泣きそうでした。日本万歳!

翌週末は金曜日に一緒のプログラムに参加していた北大生のお別れパーティーがありました。北大生はみんな面白くフレンドリーだったのでお別れは悲しかったです。大泣きしました(嘘)。この時みんなの前で話す機会がありましたが、いきなり話せるユーモアとスピーチ力、英語力があったらいいなと少し悔しい思いもしました。

次の週末は5年生のGuysとカオヤイ国立公園で魂合宿をしました。ここは滝が有名で、圧巻の景色を見ることができました。ナイトサファリもすることができ、野生のスローロリスなどを観察することができました。国立公園キャンプはバンコクのシティーピーポーたちには人気のようで、行き帰りの交通渋滞だけでなく、国立公園内も激混みでした。そんな中運転してくれたり、色々手配してくれた5年生は本当にいい人たちで、出会えてよかったです。

翌週末はパタヤに観光に行きました。ちょうどこの時に国際花火大会が開かれており、海外らしい豪快な花火を見ることができました。また、パタヤはビーチが有名で、近くのラン島でシュノーケリングや海水浴をしました。きれいな海でした。パタヤはお金持ちが優雅に過ごすイメージの強い場所で、勤労意欲が掻き立てられました(笑)。

なお、月末報告が毎回キツすぎて体調をこれで崩しています。いい意味で月末までイベントごとが盛りだくさんなのに締切月末なんてそんなんできひんやん普通です。3日間猶予あってもええやんです。

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Swineの先生方とグループのみんな。グループ内にcovid広めてごめん!

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北大生の見送り会の様子です。なおこの中に北大生はいません。

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難産介助。滑車は無いです。

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魂合宿。

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とにかく動物種を多く見られるのがタイ。

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Equineの週です。みんな真剣に話を聞いていますね(笑)。

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The観光地パタヤ!

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馬の魔改造をしています。
(赤外線照射中)