2022年度 タイ・カセサート大学単位互換プログラム 10月報告書(藤森さん)

掲載日:2022.11.18

タイ・カセサート大学単位互換プログラム報告書(10月分)

獣医学群獣医学類5年 藤森摂(Sho Fujimori)

9月17日にタイに到着してから、早くも6週間が経過しました。10月の一週目は、カンペンキャンパスでの病理学ユニットで実習を行いました。本実習では、血液塗抹標本や組織切片の観察、1人1羽ずつ鶏の剖検、免疫組織化学染色やPCRによる診断などを行いました。長時間にわたって顕微鏡を眺めるのは少し大変でしたが、今まで注意深く見ていなかった組織標本や剖検の写真に興味を持つようになりました。PCRなどの実習は大学内のラボで行いました。3年前にできたばかりの建物らしく、とても綺麗で多くの機材が揃っており感動しました。最終日にはラボの休憩室でしゃぶしゃぶパーティーを開いてくれました。タイ式のしゃぶしゃぶもとても美味しいのでおすすめです。
病理実習が終わり、動物病院で小動物のクリニカルローテーションに参加するため、10月9日にカンペンセンキャンパスからフアヒンキャンパスに移動してきました。フアヒンはカンペンセンから南へ約200㎞、海沿いにあるきれいな街です。ビーチがあり、観光客が多い場所でもあります。そのためレストランやマーケットでの食事は観光客向けの値段に設定されており、1食にかかる食費はカンペンセンキャンパスの時の2倍近くになります。以前このプログラムに参加された先輩のレポートでは自炊ができたようですが、電子レンジと電気ケトル、食器類があるのみでコンロが無かったため自炊はできませんでした。自炊ができない上にレストランやマーケットが近くても自転車で10分くらいの場所にあるので、基本的にGrabというアプリを使って食事を注文していました。1食あたり約70バーツで配送料もかかりました。寮はきれいでしたが、排水溝が臭いのが難点でした。また、カンペンセンキャンパスと違い、掃除をしてもらえないので自分たちで掃除をする必要があります。私たちの部屋だけシャワーのボイラーが壊れており、毎日冷たい水でのシャワーを余儀なくされました。寮の立地ですが、病院から歩いて20秒くらいでところにあります。外には大きなハチの巣があったくらいで蚊も少なく野犬もいないため平和でした。
続いて、病院実習についてです。私は1週目にSurgery Unit、2週目にCritical Care Unit(CCU)、3週目にOutpatient Department(OPD)の診療に参加しました。
Surgery Unitでは、1日を通して麻酔の導入や手術を見学したり、アシスタントとして手術の補助を行います。フアヒンのSurgery Unitは手術の腕がとても良いと評判のようで、車で5.6時間かかるような場所からも患者さんが来院されていました。1日の手術件数もかなり多く、様々な症例を見ることができます。私は実際に後肢の腫瘍の断脚術、腹腔ヘルニアの整復術、子宮蓄膿症などを見ました。また、日本と違い、タイでは野犬や車による事故がとても多いため、骨折や脱臼の整復などの整形外科手術が多いです。
2週目のCCUでの診療は、入院処置、管理に参加します。CCUに入院している患者さんは膵炎、腎不全、糖尿病を同時に起こしているなど、複雑なケースが多いです。CCUの先生方は若い先生が特に多く、とても活気があるように感じました。症例について質問をすると熱心に教えてくれます。
3週目のOPDでの診療は曜日ごとに診療科が異なります。私は、月曜日はリハビリテーション、火曜日は眼科、水曜日は糖尿病、木曜日は循環器、金曜日は内科の診療に参加しました。1人の先生の診療に1日ついて周り、保定を手伝います。オーナーさんの前なので、自ら手を動かして採血やエコーはできませんが、症例の説明を挟んでくれるので勉強になりました。
フアヒンキャンパスの病院の先生方は若い先生がほとんどで、熱心で優しい先生しかいません。また、看護師さんとアシスタントさんたちの仕事がとても早く、手際よく仕事をしている姿がとても印象的でした。看護師さんとアシスタントさんは英語が通じない方もいますが、簡単なタイ語を話すとほめてくれますし、お菓子をくれるなどとても優しく接してくれました。
フアヒンでの3週間の生活はあっという間に終わってしまいました。思いのほか3週間は短かったです。またカンペンセンに戻っての生活が始まりますが、体調を崩さないように過ごしていきたいと思います。

2022年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 10月報告書(藤森さん)

Fig.1ラボでの集合写真

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Fig.2おそらく世界で一番おいしいエビ

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Fig.3山道にいたトカゲ

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Fig.4プレゼン前の1枚with東大生