2022年度 海外農業研修サポートプログラム  報告書 (阿部さん)

掲載日:2022.11.17

海外農業研修サポートプログラムに参加して

農食環境学群 循環農学類 4年 阿部翔希 (Shoki Abe)

初めに

私は4年生の夏休み中の2022年8月2日から2022年10月12日までの71日間カナダのケベック州カプサンテにあるJacobs Farm(ジェイコブス牧場)で実習をさせて頂きました。
この研修プログラムに参加しようと思った理由は自分は将来、父を越える酪農経営を目指す為に参加しました。より良い経営を目指す為に高校の時から校外学習をしてきましたが、日本の酪農だけでなく海外ではどんな酪農経営をしているか知りたくまた、私は共進会が好きでカナダでは共進会に力を入れている牧場もたくさんあり牛作りの仕方や毛刈りの仕方、リード等を基礎から学んでみたいと思い今回のプログラムに参加しました。

実習先

私の実習先であるJacobs FarmはEX牛50頭も輩出しているとても世界でも有名な牧場で130頭の繫ぎ牛舎と2020年の秋に新たにロボット牛舎が完成し現在は、ロボット台数6台で230頭の搾乳牛を搾っていました。そして私が実習しに行った時から分娩頭数がとても多く哺育頭数が多い時で56頭いました。飼料は購入ではなく全て自家産で、隣の牧場では、家族4人(経営者のイザベル、弟のヤン、両親2人)と従業員10人のうちカナダ人2人、スイス人1人、グアテマラ人6人、日本人1人の計14人で働いていました。このうちフルで仕事をしていたのは11人で、イザベルと両親は人手が足りない時の子牛の哺乳や、機械での仕事や事務仕事を主にしていました。

仕事内容、生活内容
4時40分   起床
5時00分   放牧地から牛を繋ぎ牛舎まで持ってくる
        共進会で使う牛を独房から繋ぎ牛舎まで持っていき搾乳
        独房の寝床掃除、水槽掃除
      屋内の育成牛舎に餌やり、寝床掃除
      哺乳が終わってなければ屋外、屋内の子牛に哺乳
      繋ぎ牛舎から共進会で使う牛を牛洗いし独房に戻す
      繋ぎ牛舎の飼槽掃除、通路掃除
9時30分  朝食・休憩
10時00分    毛刈りまたは育成牛の牛移動
15時00分  昼食・休憩
16時00分  共進会で使う牛を軽く水で流し繋ぎ牛舎に持っていき搾乳
       独房の寝床掃除、通路掃除
       屋内の育成牛舎に餌やり、餌寄せ
       ミルクタクシーで子牛に哺乳
       共進会で使う牛を繋ぎ牛舎から独房に戻す(寒い時は牛洗いしない)
       繋ぎ牛舎の飼槽掃除、餌を足す
19時00分     作業終了
20時00分     夜食・休憩
21時30分   就寝

月曜日から土曜日までが上記の仕事の流れで、日曜日は仕事が休みでした。休みの日はグアテマラ人の家に行って美味しいご飯を食べたり、一緒に音楽を聴いたり、トランプで遊んだりと楽しい生活を送っていました。

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牧場外観

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共進会で入賞した盾やトロフィー

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昨年のWDEでグランドチャンピオンを取ったシャキーラ 来年の3月に分娩予定 毛刈り中

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130頭の繋ぎ牛舎

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左側が5〜12ヶ月齢の育成 右側がフレッシュ牛の搾乳場所

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フレッシュ牛の搾乳場所

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ロボット牛舎の飼槽前には大きなカーテンがあり 牛舎内の温度が牛に適した温度になっており 暑熱対策をきちんと行っている

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治療牛や人工受精、毛刈り等をする時に使う枠

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哺乳室

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分娩牛が多く子牛が屋内に収まらない為、哺乳室から離れた屋内で哺乳

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日中の作業で毛刈りをした育成牛とても大人しくて刈りやすかった

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グアテマラ人の従業員と仕事終わりの写真

Jacobsセール

8月18日にJacobs牧場で136頭の育成牛から経産牛までの素晴らしい牛達のセールが行われました。私がケベックに着いた前日からセールの準備が始まっていて朝から牛洗いを行い136頭、洗剤をブラシで擦り汚れを落としました。1日最高でも5頭しか洗ったことがなかったので20頭くらいから手が腱鞘炎になり、後半は握る力もあまり有りませんでしたが、手の握力を鍛えるためではとても勉強になりました。セールの1週間前にはアメリカから毛刈り職人さんを10名以上派遣し、私は一緒に毛刈り職人さんと136頭毛刈りしました。今回の研修で学びたかった毛刈りをすることができるとなってとても心の底から嬉しい気持ちになり、絶対上手くなって牧場の人に認めてもらえるようになりたいと思い1日1日を大事に過ごしました。最初は、主に足と頭しか刈らせてもらえませんでした。自分から体の刈り方や背中のトップの作り方をやらないと上手くはなれないと思いましたが、英語で話すことに自信がなく最初は戸惑いもありました。そこで迷っていたらこれから絶対成長出来ないと思い、職人さんに思い切って体と背中のトップラインの毛刈りをしてもいいですかと聞いたら、やっていいよと言って頂きとても嬉しかったです。その職人さんがもっと早く言ってくれればやらせてあげたよと言ってくれて、あの時もっと早くに言っていればたくさんの牛の背中のトップラインを作ることができたので少し悔いが残っています。最初に体の刈り方と背中のトップラインを作るときに職人さんと一緒にやりながら丁寧に教えていただき、毛が寝た状態では刈り残しができるため、あらかじめトップラインの毛はドライヤーとブラシを使用し立てます。体はブラシで毛を立てながら毛刈りを行い、刈り残しを無くします。
肋骨・横突起が鮮明に見えるように、ブラシで毛を逆立てながら下から上へ肋骨に沿って、 ゆっくり長いストロークで刈ります。
刈り残しは牛体の皮膚を引っ張りながら刈り、トップラインの両サイドは毛を残しておきます。浅く開張の無い中躯は毛を立て、より充実したように見せ毛を刈り揃そろえます。
充実した中躯は鮮明に見えるようにバランスを見ながら毛を刈り、毛を肋と馴染ませる場合はバリカンの刈り高を調節し刈りすぎに注意して毛を刈ることができました。終わった際には職人さんから、とても上手だよと言って頂き日本に帰ったら間違いなく一番の毛刈りになれるとまで言って頂きました。その為には今よりももっと上手くならないといけないと思い心の中でとても熱くなっていました。今まではただ毛刈りをしていたので、牛1頭1頭背中が緩い牛、足の長い牛と特徴の牛がいるので、外から見てどのように毛刈りしたら相手の人がこの牛を選んでくれるかを常に考えながら毛刈りをすることができ、一つ成長ができたのでよかったです。
毛刈り後には、みんなで夕食を食べたくさんの人達と交流し話し合いました。実家は酪農家なの?牛何頭飼ってるの?共進会はやってるの?など向こうの人からたくさんの質問を何とか英語で返すことができました。カナダ人、アメリカ人の人達と自然に話していくうちにとてもフレンドリーだと思い私も自然と楽しく話せていたので正直驚きましたし、あっという間に1日が終わっていたので時間が経つのが早いと感じました。
8月18日セール当日を迎えカナダ、アメリカのたくさんの牧場の人達が、会場まで足を運んでくださりいい牛を買いに来ていました。当日自分の役割は、牛が汚くならないようにひたすら糞取りをしていました。牛を綺麗に見せる為にもとても重要な仕事を任されました。汚れていた場合は水ブラシで擦って汚れを落としました。セールの会場は大きなテントの中でやりますので、そこで牛を1頭から2頭ずつでセールを行います。手が空いたら繋ぎ牛舎から経産牛を持ってきて会場の近くで背中のトップラインを作るのを見て勉強したりしていました。休憩時間のときには会場に行き自分が気になっていた牛がいくらで売られるのか観戦していました。117番のユニクス×ブロウカウを掛け合わせた育成牛が1頭800万円で落札されました。とても驚きましたし日本では育成牛でこんな値段で売れたことはないと思うので正直鳥肌が立ちました。気になっている牛以外でも他の牛も高額で落札されていたので一般の人に質問してみたらJacobsの牛はとても価値があり将来買った牛で採卵したりし、共進会で使えて上位入賞もあると話してくださっていたので、改めて私はすごい牧場で実習させて頂いていると思い、もっとこの牧場の一員になれるように頑張りたいと思いました。

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セールに出品する育成牛達

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セールに出品する育成牛達_2

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セールの準備で毎日牛舎にお手伝いに来てくれる娘さん

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夕日がとても綺麗な牧場でした

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              セールに出品する牛の毛刈り
              体と背中のトップラインの作り方を教えてもらいました

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美味しかった夕食

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カナダ限定のプーティーン
食べられて幸せでした

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セール当日

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セール当日 沢山のお客さんが牛を買いに来ていました

WORLD DAIRY EXPO

10月2日から10月7日までの5日間アメリカのウィスコンシン州にあるマディソンで乳牛と乳業で利用できる最新のテクノロジーを紹介する5日間のイベントです。このショーは毎年開催されています。私は9月28日にケベックを出発しました。今回残念ながら自分の実習先のJacobs牧場はEXPOの2週間前に牧場の諸事情により今回は牛を出さないこととなりました。そこでイザベルから友人の牧場に手伝いに言って欲しいとお願いをされアメリカのニューヨーク州から少し離れた所にあるElmvue Farm(エルムビュー牧場)で10日間お手伝いをさせて頂く事になりました。ケベックからマディソンまで友人の車で移動し約20時間の長い長いドライブでした。私は国際運転免許証を持って行ってないためずっと後ろの席でほとんど寝ていました。国境を越えるときに陸路での入国審査があり初めてだったので少し緊張していましたがスムーズに答える事ができたので無事アメリカに入国することができました。会場に着き日本で共進会をする会場と比べたらとても大きくスタジアム見たいな会場でこんな会場で牛をリードできるなんて外国の人はとても羨ましいなと思いました。Elmvue牧場は育成牛2頭、経産牛17頭その中でもジャージー牛1頭、赤牛5頭、白黒牛10頭とたくさんの牛を持ってきていました。とても体が大きく乳房も付着の強さや幅も大きく、質感もあり長い牛でどの牛も欠点がない牛ばかりで海外の牛は日本の牛よりもレベルが高いなと感じさせられました。日中は主に牛洗いをして外で10分弱牛を歩かせて運動をさせ、糞取りをするのが主な仕事でした。ショーが近づいていくうちに毛刈りも始まってきます。そこで毛刈りをするにあたって牧場の親方さんに聞いて自分も毛刈りをしてもいいですかときたらぜひやってくださいと頼まれ、イザベルから毛刈りが上手いと聞いているので見せてください、とまで言われたので少し緊張しながら毛刈りをしていましたが、時間が経つにつれて緊張もなくなってきました。今回は本番のショーでもあるため体と背中のトップラインは作らせてもらうことはできませんでしたが、頭と足を毛刈りさせてもらうことができ、自分が刈った牛がEXPOの会場で見られるだけでもとてもいい経験をさせてもらっているのだと思い、上位に入賞するためにも頑張らないといけないと思いました。ショー当日は素晴らしいコンディションで未経産クラスでは未経産とは思えないサイズでありながらバランスの優れた体型、経産クラスでは体型のバランスが良く、肋の開張や乳房の形状・付着に優れた牛が多く出品されていました。Elmvue牧場は、白黒ショーで6歳以上のクラスで1等2席と1等3席でとても素晴らしい成績を残しました。私的には、2番目の牛の方が体も大きく肋の開張も優れていて好きな牛だったのですが1番目の牛と横ならびで見て見ると乳房の幅の大きさや付着の強さが2番目の牛よりも優れているなと思い納得のいく順位でした。今年のグランドチャンピオンはアメリカの牧場にあるDukket牧場(ダケット牧場)の5歳級の牛が選ばれ昨年のWDEでリザーブグランドチャンピオンになった牛でとてもパワーのある力強い牛で、乳房の付着の強さや幅のある牛でバランスがとても優れていた牛でした。こんな素晴らしい牛達を間近で見ることができたことで、日本に帰ってから自分の牧場や他の牧場の視察をしている時にどの牛が良くてこの牛はどこが欠点なのかをはっきり明確にわかると思うので、この経験を活かしたいと思いました。そして今回Elmvue牧場でお手伝いをさせて頂き、たくさんの牧場のスタッフさんに優しく接して頂きとても楽しい10日間を過ごせました。また、日本人が違う牧場で実習していると聞いて一緒に牛の像で写真を撮ったり、地球儀の前で写真を撮ったりと楽しい思い出も作ることができ最高の時間でした。

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EXPO会場 外観

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EXPOの記念牛像

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会場の内観
日本の会場とは比べ物にならないくらい大きくて鳥肌が立ちました

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日本人の実習生と記念写真

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               Elmvue牧場の幕舎

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私が一番気に入った牛達 VELVET EX95

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私が一番気に入った牛達 TIME OUT EX95

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毛刈り

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毛刈りをさせてもらいとても良い経験になりました

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審査講評、審査中の風景
6歳以上のクラスで2番目

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審査講評、審査中の風景
1番目の牛と比較しても乳房の大きさや幅が2番と比べたらより優っている

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今年のWDEのグランドチャンピオンに輝いた5歳の牛

学んだこと

牛の状態を常に細かく見ていて、牛も常に綺麗な状態で保たれていて糞が落ちていたら誰かがやるではなく自分がやるという気持ちを皆が思っていて糞まみれの牛は1頭もいなく非常に力を入れているのだと感じ、これからは実家に戻った際は糞まみれにならないよう綺麗な状態を保てるように頑張りたいと思いました。
週1で牛全頭ではありませんが尻尾洗い行い、また体型審査前には、乳房の毛刈りもさせてもらいました。毛刈りをしていたら大人しくない牛も多いと思うのですが、Jacobsの牛は全頭大人しかったので常に人と関わっているからだと思いました。
毎日哺乳のサポートをしていてグアテマラ人の人と仕事をしていましたが、子牛は下痢をすることが多く、どのように対処しているのかすごく気になっていて、常に注射を打つイメージをしていたのですがそうではなく、悪い時だけにデポシリンといった薬を打っていました。腸を整える薬でもあり、ミルクを飲まなかった子牛に薬を打っていました。次の日やその次の日にはもう下痢症状は治っていました。毎日獣医さんが来ている事はなかったので皆良く牛の事を観察しているのだと感じさせられました
その時その時で即対処していて、私が哺乳していた牛はとても元気があり下痢症状もなかったのですが、他の牛の乳頭を噛んでいたりしていてそのことに気づかず従業員の人に何か小さなことでもあったら教えて欲しいと言われ、もう少し周りをよく見ていれば気づいていたかもしれないのにミスをしてしまい、これからは視野を広く小さなことでも気づけるようになりたいと思いました。
牛の状態を観察しているのは日中だけではなく、夜の仕事終わりにも21時半以降にもグアテマラ人が繋ぎ牛舎で餌が食えていない牛に餌を押してあげたり、スタンチョンに牛がロックされていないか、分娩している牛がいないか等の見回り作業をしていることもあり、この牧場はとにかく牛が一番健康であるためなのだと感じました。

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鼻輪をしている牛は他の牛の乳頭を噛んだり吸ったりしているため乳頭に傷をつかせないための道具

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ミルクタクシーと外の育成の餌
バギーを運転して給餌に行く
消化性の良いオーツ麦の実を給餌

コロナウイルス・牧場視察

私の出発する時点ではまだ流行り始めてはいなく問題なく出国することができました。空港に着いて乗り継ぎをする人、モントリオールで滞在する人と分けて入国審査をしていました。この分け方もコロナウイルスの影響なのかなと思いました。牧場につきマスクをして作業するのかなと思っていましたが、マスクをしなくて大丈夫と言われとても快適に毎日過ごせることができ良かったです。日本も早くマスクなしの生活が戻って欲しいと思いました。この2ヶ月半私は体調を崩すことなく元気に実習をすることができました。毎日自炊生活でしたが、きちんと3食食べエネルギーを摂取しないと仕事にはついていけなく、時に力仕事もあったのですがなんとか体調を崩すことなく怪我なく実習を終えられてホッとしています。
9月に入り外務省からワクチンを3回接種している人は72時間以内のPCR検査をしなくてもいいとのことでとても入国しやすくなり、世界的にもどんどん緩和されていっているのだと思い嬉しかったです。
10月12日に帰国する際無事にチェックインすることはできたのですが11時にフライトのゲート場所が32番で掲示板にモントリオール行きの便と書いてあり他の一般のお客さんも椅子に座っていてこの場所であっていると勘違いをしてしまい、11時になっても放送がなく受付の人に聞いたところ、この下が搭乗口だよと言われました。あなたはミスをしているよと言われ、すぐ航空会社の受付で次の便に乗せてもらうことはできるか確認したところ、コールセンターに電話して予約してくださいと言われました。電話をしても英語で何を言っているのかわからなく、受付の人に「この便の飛行機の予約をしたいと伝えてくださいと英語で伝えてもらっても良いですか」とお願いしました。無事次の便の飛行機に乗りトロントに着くことができました。日本に帰る便が今日はないため次の日の10月13日の13時の便で帰ることになりました。トロントで一泊することになり、ホテルを予約しようと思っていた時EXPOで仲良くなった日本人の小田島さんから電話があり、トロントに来てるなら自分の実習先で泊まっていって大丈夫だよと言われ、わざわざ空港まで迎えに来てくれました。トロント空港から車で15分のところにあるQuality牧場(クオリティー牧場)で一泊しました。Quality牧場はショウカウをメインとする歴史ある牧場で、近隣にも有名な牧場が多く存在しました。日本の実習生も何人も来ていると話してくださり、日本語を話してくれてとても嬉しかったです。牛の状態はJacobsと同じく綺麗に保たれていて糞が一つも落ちていなくとても驚きました。来年は、うちの牧場でショウカウのスタッフとして来ないかと言われとても嬉しかったですが、まだ進路について迷っていてそこではOKとは答えられませんでした。ですがこのようなことを言って頂き自分の行きたい所の選択ができるのでプラスに考えたいと思っています。
1日遅れで10月13日に日本に帰国して成田空港に到着しました。MY SOSアプリの提示が義務付けられておりましたが事前に登録していたのでスムーズに入国する事ができました。

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2022年度 海外農業研修サポートプログラム  報告書 (阿部さん)

帰りの便の機内食 とても美味しかったです

まとめ

カナダでの実習は最初緊張していて上手くコミュニケーションを取っていけるか不安でしたが楽しく、グアテマラ人と牛舎で会う時はハイタッチしたり手を振って挨拶して来たりしてとても面白く沢山の事を学ぶことができました。ヤンには最初はなかなか名前を覚えてもらえなくメンタル的にも少ししんどかったですが、後半ちゃんと名前で呼んでもらえてとても嬉しくガッツポーズするくらい嬉しかったです。また牧場にも来てねと言ってくださりとても嬉しかったです。英語は少し聞き取れるようにはなりましたが、フランス語とスペイン語はあまり分かりませんでした。もし次カナダに行くことになれば必要になってくるので少し勉強してみようと思いました。そしてヤンは、来年の春北海道の共進会の審査員に決まり元気な姿でまた必ず会おうと握手を交わしました。

最後に素晴らしい経験をできたのはこのような機会をくださった北海道アルバータ酪農科学技術交流協会の皆様、カナダに行くにあたって事前講習や準備をしてくださった国際交流課の皆様、実習を受け入れてくださったJacobs Farmの皆様、この研修に関わって下さった全ての人に感謝したいです。本当にありがとうございました。

 

おまけ

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トロントから車で15分の場所にあるQuality牧場

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共進会で入賞した盾やトロフィー

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牧場のスタッフの人と日本人の実習生と記念写真