2022年度 アルバータ大学夏季研修プログラム  報告書 (林さん)

掲載日:2022.11.17

2022年度 アルバータ大学夏季研修プログラム  報告書

農食環境学群 環境共生学類3年 林優奈 (Yuna Hayashi)

1.プログラムに参加した目的・背景

今年のアルバータ大学夏季研修プログラムはコロナウイルスの蔓延により実に3年ぶりの開催となった。私は去年アルバータ大学夏季オンラインプログラムに参加し、留学に対する興味がより大きなものとなった。この夏季研修プログラムに参加を決意したのは両親からの助言である。留学をしたい旨を伝えると、休学をしないことを条件に快く賛同してくれた。酪農学園大学で実施している留学プログラムで休学する必要のない短期開催のものが今回参加したもののみであったこと、来年になれば就職活動や卒業論文作成で夏季休暇が多忙であることが予想されることから今回このプログラムに参加した。
このプログラムにおいて、去年オンラインで学んだことを体感するとともに英語を使ったコミュニケーションに挑戦することが目的であった。また、英語を学ぶ中で楽しむことを最も重要視した。

2.プログラムの内容

このプログラムには日本から酪農学園大学・中部大学・明治薬科大学・千葉大学の学生が参加していた。プログラムは大きく午前と午後で分かれており、午前中には座学であった。クラスは全部で2種類あり、Communication Skills for Global Citizenship(CSGC)クラスとEnglish for Academic Purposes(EAP)クラスである。このクラスは渡航前に受験するテストの結果により振り分けられ、私はCSGCクラスに所属した。私のクラスは男子6名、女子8名の計14人で、全員が日本人のクラスだった。授業期間は9月1日から28日の一か月であった。授業は平日の8時30分から12時30分までで、小休憩として10時30分から30分間の休憩時間が設けられていた。
午後は学校主催のコミュニケーションクラスに参加したり、大学周辺のツアーに参加した。大学の周辺には多くの観光スポットがあり、このツアーでは日本からの留学生が全員参加していたため他クラスとの交流もできた。

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授業スケジュール

▶ 午前

授業内容はカナダの文化・先住民族・多言語主義や多文化主義など、カナダにちなんだものをグループワーク形式で学んだ。私のクラスを担当してくれたのはAndrew先生だった。Andrewを中心に授業はすべて英語で展開され、研修が始まった当初はつい日本語で議論してしまう時もあったものの、研修終盤では日本人同士でもお互いに英語で議論を展開するようになっていた。授業はリスニングテストやスピーキングテストがあり、教科書や配布用紙もすべて英語で書かれているため、リーディング能力も磨くことができる。また、リフレクションジャーナルというその日の授業を振り返るための宿題を提出すると、Andrewがそれを添削して返却してくれる。このようにして、すべての英語に必要とされる能力を伸ばすことのできる授業が展開されていた。たまにもう一クラスのCSGCの生徒たちと合同で授業をすることもあり、とても楽しく英語を学ぶ環境が整備されていた。

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教科書

▶ 午後

火曜日と木曜日にはSchool Engagement Center(SEC)主催のコミュニケーションクラスが開催された(木曜日は任意参加)。このクラスではCSGCクラス、EAPクラス、そしてボランティアの人が参加しており、ほとんど初対面の人と英語で自分自身のことについてお互いに話し合い、多くの人と仲良くなれる機会になった。参加者のほとんどは日本人だったものの、年齢層も様々で中国からの高校生の参加者もいた。最終日にはFarewell Partyもあり、明治薬科大学男子大学生、明治薬科大学女子大学生および酪農学園大学大学生、そして千葉大学生の3グループに分かれてそれぞれ出し物を披露した。歌を歌うグループや踊りを発表したグループもあり、私は『ウォーリーを探せ』のように写真の中に隠したアイテムを見つけてもらうゲームをした。その際には無料の食事もあり、多くの人が飲食や談笑を楽しんでいた。

月曜日、水曜日、金曜日は学校主催の観光ツアーがあった。コーンメイズというトウモロコシ畑の迷路に行く日もあれば、少数のグループになって学内ツアーに行き、みんなで協力して出されたお題をクリアするといったものもあった。その他にもアルバータ州議事堂の内覧ツアーの参加、Funicular and Tawatinaというゴンドラへの乗車とサスカチュワン川の観察、任意ではあったもののラザフォードハウスにも訪れた。サスカチュワン川に行ったとき、野生のビーバーが泳いでいるところも見ることができ、とても有意義な時間を過ごせた。このアクティビティは間違いなく私の記憶に一生残るものとなった。この多くの観光ツアーを通して、日本では体験しえない貴重な体験を多く経験することができた。

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コーンメイズ

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Funicular and Tawatina

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ビーバー@サスカチュワン川

▶放課後

午後に観光ツアーがあるとは言え、たいていのツアーは16時には終了していた。9月のカナダの日落ちは19時30分ごろであるため、観光ツアーが終わった後でも買い物など友達だけで周辺のモールに立ち寄るには十分な時間があった。大学はEnterprise Square Stationにあり、私はそこから地下鉄に乗ってCentury Park Stationに行く。その後、Millwood行きのバスに乗ってホームステイ先まで片道約50分をかけて通っていた。帰路にはSouthgate Stationという駅があり、そこにはサウスゲートモールという日本でいうイオンモールのようなショッピングセンターがあった。大きすぎず小さすぎないその施設は私がエドモントンに滞在していた際に最も訪れた場所であり、お気に入りの買い物スポットでもある。私はそこで初めてTim Hortonsというカナダで有名なカフェに友人と行き、Iced Cupというコーヒーフロートのようなものを飲んだ。Tim Hortonsでは多くの種類のドーナツが販売されており、コーヒーも約1ドルで購入できる。カナダで最も愛されている飲食店の一つといっても過言ではないだろう。大学のメインキャンパスにはSUBとHUBといわれるモールのようなものがあり、お土産屋さんや飲食店も多くあり、多くのアルバータ大学生から愛されていた。

これら以外にもホームズ・パブという酒場に行き、複数人で飲酒も楽しんだ。カナダで飲酒をする際はパスポートの提示が必須である。また、支払いの際にはチップを支払う必要があるため、注意が必要である。カナダで支払うチップの相場として、平均的なものは総額の15%である。とても良いサービスだった場合はそれ以上支払う。チップはカナダの文化の一つであり、実際に留学したからこそ体験できたことである。

買い物以外にも、景観観光も楽しんだ。午後の観光ツアーでも行ったことはあるものの、アルバータ州議事堂は私のお気に入りのスポットである。近くに公園も多くあり、州議事堂の裏にある広場では日光浴をする人や散歩・ジョギングをする人が見られた。また、5分に3匹くらいの頻度でリスを見ることもできた。

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Tim Hortons

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Home's Pub

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アルバータ州議事堂

▶休日

休日はウエストエドモントンモールというエドモントンの巨大モールや、ツインブルックス・ディストリクト自然公園に行った。そのほかにもバスや電車などの公共交通機関を利用して近くのスーパーや公園を散歩したりした。中でもウエストエドモントンモールはホームステイ先からバスと電車で約1時間30分ほどの位置にあり、中には店だけではなくスケートリンクやアシカショー、小さな遊園地のようなアミューズメント施設に室内プールまであった。日本でも見る店もいくつかみられ、ユニクロやメイソウなどがあった。それ以外にも日本のアニメのキャラクターグッズが販売されている店もあり、ポケモンや鬼滅の刃、サンリオなどがみられた。友人と遊びに行くこともあったが、一人で出かけることがほとんどだった。一人で出かけると、道に迷うなど何かしらのトラブルにあったとき英語を使って質問をすることができるため、休日であったとしても多くの英語を話すことができる。

また、私は参加しなかったがオプションでバンフ国立公園に行くツアーもあった。参加した人の話によると、とてもいいホテルや美しい景色を堪能することができ、とても心に残るものになったと聞いた。

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ウエストエドモントンモール

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日本食 TOKYO Express 看板

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ツイン・ブルックス・
ディストリクト

3.夏季研修を通して

この夏季研修プログラムを通して、オンライン留学の時には得られなかった経験をすることができた。先述したチップはもちろん、授業以外の場面で誰かに英語で質問するという状況は日本ではなかなか出会えない。日本とカナダの違いを発見するのも私にとってはとても楽しく、カナダにいる間は毎日が新鮮で見るものすべてが美しく見えた。このプログラムで私は当初の目的である楽しく英語でコミュニケーションをとることができた。もちろん楽しいことばかりではなかった。下町は浮浪者の方も多くいたため絡まれるなど怖い目にあうこともあったが、それでもいいことのほうが格段に多かった。そのほかにも自分の英語では通じないこともありもどかしい気持ちになることや悲しくなる時もあった。しかし、そのような時でもカナダの人たちの多くは一生懸命何を言っているのか聞き取ろうとしてくれた。そのような姿勢もとてもうれしく、カナダの国民性に何度も救われた。このプログラムに参加して私はカナダがより一層好きになった。1か月という期間は英語を学ぶには短すぎたが、カナダを好きになるには十分すぎる時間だった。

この経験を通して、私もカナダの人のように誰に対してもおおらかな対応のできる人になりたいと思った。また、英語でコミュニケーションをとることの楽しさを学び、英語が好きになった。留学前に比べ、リスニングなどの英語に関する能力が少しは良くなったように思う。自分自身で成長を感じることができるのも留学の醍醐味の一つだと感じる。もし、短期でもいいから留学に行ってみたい人や留学に少しでも興味のある人はぜひこのプログラムに参加してほしいと思う。この報告書には書ききれないほどの多くの経験をすることができる。

 

(国際交流課より)
林さんには、10月11日(火)酪農学園本館にて行われた「2022年度 アルバータ大学オンライン留学プログラム(夏季)修了証授与式」にも特別参加していただき、1か月間の留学体験報告がされました。
授与式の様子は、北海道アルバータ酪農科学技術交流協会のHPからご覧ください。