2022年度 タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月報告書(藤森さん)

掲載日:2022.10.18

タイ・カセサート大学単位互換プログラム報告書(9月分)

獣医学群獣医学類5年 藤森摂(Sho Fujimori)

9月17日にタイに到着してから、早くも約2週間が経過しました。
到着当初は新鮮だった景色もだんだん見慣れたものとなってきています。
1週目の授業はAquaticsという科目を受講しました。本科目は、酪農学園大学での魚病学とそのフィールドワークを融合した科目になります。タイは、エビやティラピアなどの養殖業がとても盛んであり、カセサート大学(以下KU)の学生は全員履修する科目となっています。魚の疾病に関する事項のほかにも、効率の良い給餌方法や水質管理など、広く水産業に関することを学ぶことができます。私たち学生は、Aquaticsの総論に関する座学、フィールドワークとしてエビ(shrimp, prawn)の養殖場、金魚の養殖場、それらを総合的に捉え理解するためのディスカッションに参加しました。先生方はとてもフレンドリーで、KUの学生との距離がとても近いことが印象的でした。学生から質問しやすく、先生からもアドバイスがしやすいようで学ぶための良い雰囲気作りがなされているように感じました。RGUの学生からの質問に対しても、快く答えていただけました。フィールドワークでは、養殖場の見学だけでなく、自分たちで金魚のサンプリングを行いました。フィールドに出て、養殖場(農場)の実際を把握し、サンプリングから診断・改善策(治療法)を通して行うことで、座学で学んだ知識を繋げて考える力を少しながら養うことができたと思います。

2週目はExotic Animalの診療に参加しました。大学の附属病院でのエキゾチックアニマルの診療の他、学内にある野生の猛禽類の保護・治療を行うRaptor Clinic、象の診療を行うElephant Clinicでの診療に参加しました。また、動物園への往診に参加しました。大学の附属病院には非常に多くの種類の動物が来院し、フクロモモンガなどの哺乳類や見たことのない爬虫類、体重100kg越えのブタに至るまで診療をしていました。基本的に附属病院内の診療数は多くなく、自習時間が結構あるので、事前に予習をして質問を考えていくとより有意義な時間を使えるのではないかと思います。診療・投薬の他、野生フクロウの断翼術、ジャイアントラビットのX-ray検査なども見ることができました。Raptor Clinicでは前述の通り、猛禽類の保護・治療を行っており、最終的には野生に返すという活動を行っています。我々学生は、猛禽類のハンドリング・視診・触診・採血・投薬などを行いました。特に頸静脈からの採血は繊細で苦労しました。今日まで猛禽類とこれほどまでに触れ合ったことがなく、とても貴重な経験になりました。Elephantクリニックでは、関節炎で入院していた象の診療を行いました。象の可視粘膜の評価、心拍数の測定などを行いました。直腸からの体温測定やそのほかの検査は、象の体動が激しく困難であったため、断念しなければなかったことがとても残念です。ですが、象と触れ合う時間を多くとっていただき、象の可愛さにとても魅了される時間となりました。動物園への往診では、ヤギ・ヒツジ・ウマ・カピバラ・リクガメに駆虫薬の経口投与を行いました。炎天下の中、逃げ回る羊を全員で必死に追いかけたのはとてもいい思い出です。駆虫薬投与よりも多くの時間を、動物園内の動物と触れ合い写真をとることに費やしました。私たちよりも先生方の方が動物園を楽しんでいたような気がしています。

2022年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月報告書(藤森さん)

金魚農家の様子

2022年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月報告書(藤森さん)

エビ農家で撮った1枚

2022年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月報告書(藤森さん)

入院していた象さんの写真。かわいい。