海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)8月 植野耕史さん
掲載日:2022.09.06
海外農業研修
循環農学類(2019年度卒) 植野耕史(Yasufumi Ueno)
農場での研修も残すところ1ヶ月余りとなりました。限られた期間の中でより多くの学びを吸収できるように意識高く取り組んでいきたいと思います。
先月はアーモンドのバイヤーをされている日本人の方に取引先の農場と加工場を案内していただきました。
アーモンドは私たちが普段食べている菓子類で多く消費されているほか、ビタミン類が豊富であることから気軽に食べることができる健康食品としての地位を確立しており、世界中で消費されています。日本での消費量も増えているようですが、国内での栽培は乾燥を好むアーモンドの特性上、ごく僅かにとどまっているようです。一方、アメリカはアーモンドの大産地で、世界で生産されているアーモンドの約80%のシェアを占めており、その多くがカリフォルニア州で生産されたもののようです。実際に生活しているとわかりますが、カリフォルニアのハイウェイ沿いの畑はほとんどアーモンドをはじめとするナッツ類が栽培されています。開花時期になるとピンク色の花を咲かせるため、桜並木のようでとても美しいです。
今回案内していただいた農場は面積が300ヘクタール超で、正方形で表すと1辺の長さがおよそ1.8キロにもなる広大な農場でした。アメリカでは普通の広さのようですが先が見渡せないほど広い農場を見るのは初めてだったため大変驚きました。
アーモンドについて詳しい話を伺ってみると、栽培管理のことからマーケティングまで幅広い知識を得ることができました。アーモンドは自家不和合性が強いため異なる3品種を1列ごとに植えているため、畑をよく見ると1列ごとに樹形が異なることや接木による増殖の話など、私自身が帰国後に就く仕事に関連する内容について、特に興味深くお話しいただけて大変勉強になりました。また、アーモンドの加工場の見学でも普段入ることができない場所を案内していただき、品質管理や厳格な選別、トラッキングなど多くのことを学ぶことができました。
今回案内していただいた方だけでなく、アメリカで活躍されている日本人の方は共通して積極的で情熱があって、日々を楽しんで生きているような印象を持ちます。気が抜けるとダラダラしてしまう私のような人間にとってとても刺激的な存在であり、目指すべき姿だと思いながら少しでもそのような人になれるように努力したいです。