海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)8月 矢方祐維さん
掲載日:2022.09.06
海外農業研修報告書 2022年8月
循環農学類(2019年度卒) 矢方祐維(Yui Yakata)
こちらの農場に来て1年が経ちました。ここでの経験は私にとって素晴らしい物であり、毎日が非常に充実しています。また、農場主や同僚たち、他の研修生との交流は私の価値観に良い面悪い面を含めた新たな側面を与えてくれました。共同生活ではいまだに文化や価値観の違いに戸惑う部分はあるものの自分なりに私自身の感情との折り合いの付け方を学ぶことができたと思います。
今月は、農場での働き方が大きく変わりました。農場のオーナーがペーパーレスへと方針を転換したためです。ワーカー1人1人に携帯端末が与えられ今まで紙に書いて記録していたものを全て端末で記録できるようになりました。出産過程の記録や、どの母豚の出産のケアをすればよいか、また次にどのようなタスクをすればよいかなどを、全て手元の端末で確認することが可能になったため、効率的に仕事をすることが可能です。また従来の方法では投薬や屠畜などの記録の保存が必要なものは、私が毎日各部門から回収、データとして保存していましたが、端末のおかげで回収するという作業が必要なくなったためより簡単に効率よくデータを管理することが可能になりました。しかし、私がその端末の扱いを熟知しているということもあり、様々なエラーの修復や端末の扱いが苦手なワーカーへのサポートなど、相変わらず農場全体を駆け回る日々は続いております。
今月末、日本人研修生の後輩が私たちの農場にやってきました。空港まで彼を迎えに行きそして私は驚きました。この一年、あまり日本語を喋る機会がなかった私は、思っていた以上に日本語を喋ることができなくなっていました。あんなにも言葉に詰まる自分が非常に面白かったです。また農場で彼に仕事の内容や働き方、道具の説明をしようとしたときに日本語で説明ができないことにも気が付きました。それもそのはずです、私が日本にいた時の専門は養豚ではなかったので養豚に関する言葉を英語でしか知らないのです。今ではむしろ私が彼に対して「これ日本語でなんて言うの?」と、質問したりしています。
こちらの農場での研修も残すところ一か月とちょっととなりました。この残り少ない貴重な日々をかみしめながら1日1日を過ごして行こうと思います。