海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)7月 植野耕史さん

掲載日:2022.08.08

海外農業研修

循環農学類(2019年度卒) 植野耕史(Yasufumi Ueno)

7月は1週間休みをいただいて旅行に行ってきました。今回の旅は、アメリカにいるからこそ体験できる大自然やイベントに行くという目的をもとに計画しました。
初日は近くの空港からラスベガスへ飛行機で移動し、シルクドゥソレイユを観覧したり、少しだけギャンブルをしてみたりと、ラスベガス独特の雰囲気を味わいました。
そして翌朝はグランドキャニオンやアンテロープキャニオンを巡るツアーに参加しました。グランドキャニオンは私が最も楽しみにしていた場所だったので、事前にネットの写真や動画を見ていたのですが、実際に目で見るコロラド川と何層にも重なった地層のコントラストは写真や動画では表現できないほど壮大で非常に感動しました。ガイドの方によるとグランドキャニオンは深さ1.6kmの大渓谷のようですが、写真スポットのほとんどに落下防止の柵がありませんでした。年間でも10数名の死者が出ていると聞かされ、顔が引き攣りながら絶壁のギリギリで写真撮影したのも良い思い出です。約17時間のロングツアーで疲労困憊でしたが、本当に心に残るツアーでした。その後もロサンゼルス、ヨセミテと様々な観光名所を巡り、これぞアメリカというような景色や街並みを肌で感じることができ、充実した旅行となりました。
ラスベガスからロサンゼルスへの道中、ラスベガスの街並みを抜けると、道路脇の至る所にサボテンが自生している砂漠の中の一本道をひたすら走ります。壮大で清々しいドライブでしたが、このような砂漠気候の環境下にあるラスベガスは慢性的な水不足が課題であり、近年はより深刻な水不足に悩まされているようです。最近のネットニュースではラスベガスの水の供給源であるダムの水量が低下し続け、いずれ枯渇してしまうというような記事をよく目にします。ラスベガスのようなエンタメ都市の誕生や西部の人口増加により急激な成長をしたアメリカですが、その行為が毎年のように起こる干ばつ、気候変動の影響も相まって私たちの生命の源を徐々に奪っていくことに恐怖を感じました。このような問題に加え、アメリカ農業(特に中西部)を支えている地下水の枯渇、それに伴う塩害問題など、今回の旅は、水資源が豊富な日本ではあまり考えることのない課題に向き合っている現状を知るきっかけとなる旅にもなりました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)7月 植野耕史さん

グランドキャニオン