本学は学術交流協定機関であるタイ・カセサート大学（KU）獣医学部と、単位互換プログラムを毎年実施しています。新型コロナウイルスの世界的感染拡大によって実際の渡航は2年間中断し、その間オンラインでの学術交流プログラムが実施されてきました。
今年度はいよいよ9月の渡航が再開される予定で、現在学生たちは渡航に向けて隔週で事前勉強会を実施しています。これまで航空券や海外旅行保険についての説明、ビザ申請の準備、渡航前に済ませるワクチン接種についてなどを勉強してきました。4回目となる７月12日、タイ留学生2名からの特別セミナーを実施しました。

1人目は、本学獣医学研究科博士課程のナムプラヂット・スパーポン（カヌン）さんからタイの獣医大学の紹介、タイの獣医師資格について、そしてタイの食べ物や観光、お土産についてなどの発表を聞きました。タイの獣医師資格は更新制で、更新のためには一定のポイントを取得していないといけないそうです。セミナー受講やケーススタディ、論文投稿などでポイントが決められていて、自分のポイントはインターネット上で確認できる仕組みになっています。万が一定められたポイントが取得できない場合は、再度試験を受けて合格しないといけないそうです。タイの獣医師はこうして最新の情報をアップデートしていく、と話していました。

2人目は、この単位互換プログラムに2016年度参加したKUの学生で、現在は北海道大学大学院に留学しているパサワット・タマハキン（モン）さんから、KUでの生活について詳しく説明してもらいました。カセサート大学には4つの動物病院があり、それぞれ診療ユニットが異なります。本学ではあまり馴染みのない象の診療や、ティラピアの実習などについて紹介してもらいました。今年度KUに派遣される予定の学生たちにとって、現地の様子や診療の様子などを知る貴重な事前学習となりました。モンさんは、タイにはたくさんの観光地があるので、ぜひ現地の学生と友だちになって、一緒にタイの文化に触れてほしいとお話ししてくれました。

学生からは「気を付けなければいけない食事のマナーなどはあるか」など質問が出ました。食事に関して特別なマナーはないものの、魚介類は食中毒を起こす恐れがあるためできるだけ避けることや、コンビニに出かける際にも必ず現地の学生に送ってもらうなど一緒に行動した方が良いなど、安全に過ごすためのアドバイスなどがありました。

当日は今年度派遣される学生やこのプログラムに興味がある下級生など10名程度が参加し、和やかで有意義な勉強会となりました。派遣学生は9月の渡航までに簡単なタイ語会話や専門英語などの事前学習を続けていきます。