【開催終了】2021年度 食の講座「チーズとヨーグルト-作る技術と美味しさの秘密-」における講演内容の質問に回答します。

掲載日:2021.06.01

2021年5月15日(土)に開催いたしました食の講座「チーズとヨーグルト-作る技術と美味しさの秘密-」にて寄せられた質問について本学教員が回答いたしました。

 

【質問】菌が体内でどんな働きをするか教えてください。

(回答)体内の「菌」は大きく二つに分けて考えることができます。
一つは、体内にもともと生息している「菌」、いわゆる常在細菌と呼ばれるものです。最も多く存在しているのは、口から肛門に至る消化器官です。ここには乳酸菌やビフィズス菌のほかさまざまな細菌が存在しています。これらはある程度の範囲で増減を繰り返しながら共生しており、主に食べ物とともに外部から入ってくる微生物の定着、増殖、そして体内への侵入を防いでいると考えられます。
二つ目は、外部から入ってくる「菌」です。これは先に述べたように外部から侵入してくる微生物ですから、 病原菌はもちろん、たとえ発酵食品の製造に使われる有用な微生物であっても、速さに違いはありますが、いずれ体外に排出されていきます。ただし、腸管内を通過している間に整腸作用を示したり、その人の免疫システムを刺激して、結果的にその機能を亢進させる、あるいは調節する能力をもった微生物もいることが知られています。その代表例が乳酸菌やビフィズス菌です。どの乳酸菌やビフィズス菌もこのような力を示すとは限りませんが、発酵食品の製造に古くから使われている微生物で、かつ、このような力を持っているものであれば、人間にとって極めて有用な微生物と言えます。

回答者:農食環境学群食と健康学類 教授 竹田 保之

 

皆様のご参考になれば幸いです。今後とも本学の市民公開講座を何卒よろしくお願いいたします。

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