2020年度「野生動物学講座」における講演内容への質問に回答します。

掲載日:2021.01.25

2020年12月13日(日)に開催いたしました「野生動物学講座」にて寄せられた質問について本学教員が回答いたしました。

【質問1】不幸にも山でクマに出くわしたらどの様な対応をしたらよいでしょうか。
※ヘビが苦手と聞いています。→長縄をニョロニョロするのは有効でしょうか

(回 答)ばったり出くわした場合、クマがこちらに気がつけばほとんどクマが逃げていきます。クマを刺激しないように、大声を出さない、走らないことが重要です。ゆっくりとクマと距離をとるように離れてください。
クマの住む山に入る際には、複数人で行動すること、常に人間の気配を知らせるように声や鈴やラジオなどで音を出すこと、万一に備えて熊撃退用の唐辛子スプレーを持参することも有効です。
ヘビは苦手なようですが、ゴム製のヘビのおもちゃでは効果が無かったという実験もあります。長縄ニョロニョロが有効かどうかは分かりません。

回答者:農食環境学群環境共生学類 教授 佐藤 喜和

 

【質問2】道東に山林を所有しているのですが、過去に大雪の年の春にシカが多く死んでいたのですが、このこととその後のクマの増加に関係はあるのでしょうか。

(回 答)大雪の後などのシカの餓死死体は、ヒグマの春のご馳走です。シカを食べることができるようになり、クマにはプラスの面もありますが、シカによって春~初夏にかけて食べる草が減っていることもあって、マイナスの面も大きいようです。クマの増加に対する影響ははっきり分かっていません。

回答者:農食環境学群環境共生学類 教授 佐藤 喜和

 

【質問3】クマの体重は春・夏・秋で変わると思いますが、手の幅で推定年齢はどのようになるのですか?今年は12㎝で130㎏のメスだったのですが、32㎝の足あとも有りましたが何歳くらいでしょうか?

(回 答)雌の成獣は掌の幅が最大でも13cm程度です。成獣の掌の幅は季節でほとんど変化しません。成長中のクマは掌も大きくなります。オス成獣だと、幅が20cm近くまでなる個体もいます。32cmはおそらく幅ではなく長さかと思います。雄の成獣だと思いますが、年齢は10歳以上というくらいしか分かりません。

回答者:農食環境学群環境共生学類 教授 佐藤 喜和

 

【質問4】シカの利活用の現状について教えてください。

(回 答)エゾシカでは年間十万頭程度が捕獲されていますが、そのうち4分の1の個体が食肉処理施設で処理され、流通しています。その他の個体は、ペットフードや狩猟者により自家消費されていますが、全体の3分の1程度が廃棄されていると思われます。

回答者:農食環境学群環境共生学類 准教授 伊吾田 宏正

 

【質問5】シカ分布が南部にも増えてきたのは?捕獲後の処理はどうするのか?

(回 答)渡島半島など南部地域では、他の地域よりも遅れて15年くらい前から個体数が増加し、十万頭前後が生息していると考えられます。有効活用は他の地域よりも進んでおらず、1割程度が食肉処理施設で処理されています。

回答者:農食環境学群環境共生学類 准教授 伊吾田 宏正

 

【質問6】シカは角なしは0歳とわかるのですが、年齢で角の段数(枝分かれた数)が変わっていくのでしょうか?

(回 答)角は満1歳から生えます。このときは枝分かれしないか、先端だけ不規則に小さな枝が生えます。満2歳になると多くの個体で片側3叉4尖になります。その後は原則、片側3叉4尖ですが、加齢とともにある程度まで角のサイズが成長します。老齢個体ではまれに片側4叉5尖になる個体もいます。

回答者:農食環境学群環境共生学類 准教授 伊吾田 宏正

 

皆様のご参考になれば幸いです。今後とも本学の市民公開講座を何卒よろしくお願いいたします。