アルバータ大学夏季研修プログラム 英語研修コース
掲載日:2019.10.28
カナダでの短期語学研修で得たこと・感じたこと
農食環境学群循環農学類 4年 藤田俊栄
私がこのプログラムに参加しようと思ったきっかけは同じゼミのプログラム経験者に話を聞いた事でした。昔から留学には憧れがありつつも、自分には少し遠い話だと思っていましたが、ゼミの仲間の話や来年から就職で時間を取る事が難しくなるという事を理由に一念発起し、勢いでプログラムへの参加を決めました。プログラム参加前の私は英語がとても苦手でしたが、国外の文化や世界中の様々な人と話してみたいという思いがあった為、多民族国家として知られるカナダへの研修はとても魅力的に思えました。
実際にカナダに行ってみると、最初の数日間は英語が全く聞き取れず、自分が次の日に何をすれば良いのかも分からずかなり苦労しましたが、ホストファミリーは何度も伝え直してくださり、真剣に向き合ってくれたため少しずつコミュニケーションが取れるようになっていきました。University of Alberta(UofA)のEnglish Language School(ESL)では、クラスメイトの殆どが外国人になっており、自分で考えて英語を使う良い機会になりました。授業は当然全て英語で行われるのですが、先生の英語がとても聞き取りやすく、私たちが分からないような単語が出てきたら毎回別の言い方で教えてくれるので、リスニングやボキャブラリーが伸びやすいと感じました。また、授業でカナダとクラスメイトの国との文化や生活等の違いを話し合う事も多く、お互いの国の相互理解も深めるといった点でも楽しく良い経験が出来たと感じています。
語学研修プログラムのスケジュールは、平日の8:30~12:30がELSの時間になっており、午後には任意で参加可能なStudent Engagement Centre(SEC)アクティビティや、酪農学園大学のみが参加するアクティビティ等が用意されていました。
酪農学園大学のみ参加のアクティビティでは、Edmonton Valley Zoo やEdmonton Humane Society等を訪問しました。9月12日に訪れたEdmonton Humane Societyでは、犬や猫等の保護・治療などを行う施設の中を見学させて戴きました。カナダは日本と比べてペットを飼っている家庭が多く、日本よりも動物愛護に力が入れられている印象でした。日本でもこういった施設を見学したことは無かったので違いなどは分かりませんでしたが動物愛護の活動について知る貴重な経験になりました。また、9月30日に訪問したEdmonton Valley Zooでは、動物の数はあまり多いとは言えませんでしたが、日本では動物園でも見ることの出来ないカナダオオヤマネコ等の貴重な動物を見ることができ、良い思い出になりました。
SECアクティビティではスポーツアクティビティに参加し、ボランティアとして来ていたUofAの学生やESLのコーディネーター、学生たちと一緒に様々なスポーツを行いました。このアクティビティでは日本式とカナダ式のドッジボールのルールを教え合い両方のルールでプレイした事が一番印象に残っています。遊び方においても文化的な交流が出来たので満足しています。年齢も国もバラバラでしたが、本当に気兼ねなく楽しく共に時間を過ごせ、これも日本ではなかなか感じることの出来ない感覚だと感じられました。私はSECのアクティビティには予定が合わず一度しか参加することが出来ませんでしたが、アクティビティを通して人と関わる事により、話すきっかけができ、前よりも親密になれる良い機会だと感じた為、今後この語学研修プログラムへの参加を考えている方には出来るだけ参加する事をお勧めしたいと思っています。
今回のプログラムの中で一番印象に残っているイベントは9月13日からの2泊3日のカナディアンロッキーツアーです。このツアーでは同時期にESLのプログラムに参加している日本人学生たちと引率のプログラムコーディネーターと共にバスでカナディアンロッキーに向かい、バンフという町に滞在しました。初日はサルファー山の頂上までゴンドラで上がり、カフェでビュッフェ式のランチを食べた後、遊歩道を歩きながら町や雄大な山の景観を眺めました。テレビでしか見たことの無いような景色を自分の目で見る事によって、日常的に英語に触れている事とはまた別に自分は日本から出て素晴らしい経験をしていると実感し、感動したのを憶えています。また、ツアー中にはレイクルイーズでのカヌー体験や、バンフのダウンタウンの散策なども行いました。カヌーは3人1組で行われる為、私は同じプログラムに参加していた酪農学園大学生2人と組みカヌーに乗り、エメラルドグリーンの湖上を移動しました。この湖でのカヌーを楽しむためにカナディアンロッキーを訪れる人も多いらしく当日も私たち以外の多くの観光客がカヌーに乗るために列を成していました。また、バンフのダウンタウン散策では多くのお店があり、音や匂い、視覚で楽しめる町だと感じました。町の風景の奥にはカナディアンロッキーの山々が構えており、日が落ちていくにつれて徐々に町の見え方も変わっていくのがとても新鮮に感じました。
私の今回のプログラムでの目標は国外で生活している人達や、その環境に直に触れる事で語学力の向上や語学を学ぶ事の意義の確認、異文化を体験し経験する事でしたが、実際にプログラムを経験し振り返ってみると、行く前に求めていた以上のものを沢山学べたというのが素直な感想です。カナダで出会った人々は私達が拙い英語で話しかけるとしっかりと理解しようと努めてくれるだけでなく、時には案内や、向こうから困ってないか尋ねてきてくれたこともありました。そうした現地の人々の気質のおかげで臆することなく英語を話す事が出来たと共に、人への態度や向き合い方等についても学ぶ事が出来ました。実際にカナダに居る時にも多くの違いに驚かされましたが、帰国後も今までは当たり前だった事が違う様に見える事が多く、物事を捉える視野が広くなった事が実感としてあり驚いています。この研修で得た様々な事を今後の人生でも活かし、英語も更に学んでいきたいと思います。