アメリカ・パデュー大学 研修報告

掲載日:2019.09.30

獣医保健看護学類教授 菅野美樹夫

1 はじめに

今回、2019年7月20日から8月3日の14日間、獣医保健看護学類3年生3名(杉山一皐、田中一愛、渋谷大輝)と共にアメリカインディアナ州にあるPurdue大学へ短期研修の機会を得たのでその研修内容について紹介します。

 

2 研 修

7月20日土曜日、午前8時35分。シカゴオヘア空港に着陸する。約12時間のフライトであった。座りっぱなしではあったが、緊張、いや興奮しているせいか疲れはない。事前に機内で渡されていた税関申告書を持ち入国審査に向かう。自動登録機が設置されており、顔写真と右手の指紋を取られる。出てきたシートで、学生のシートは×印がついているが、私のものには無い。圧倒的に×印のついている旅行者多い。振り分けられ、×印の付いていない私は、並ぶことなくスルッと通過することができた。聞かれた内容は、「何日滞在するのか?」、「目的は?」のこの2点であった。一方学生は長蛇の列で、出てくるのに1時間以上を要した。結局この違いは、過去2年以内にアメリカを訪問しているか、初めてかの違いであった。

午前11時。全員が揃い、次に税関に向かう。申告書を作成していたものの渡すことなく通過した。外に出た。外では、Mr. WillとAsia(獣医学生、3年生)が待っていた。初めての顔合わせである。Mr. Willは陽気な性格で、ハグして我々を歓迎してくれた。英語で話しかけられ、アメリカに来たことを改めて感じた。気候はとても暑かった。公用車に乗り込み2時間半のドライブが始まる。一気に眠気が湧いてきて寝てしまった。

15時。気づくと一戸建て宿舎(一軒家)についていた。井上先生が待っていた。使用上の説明を聞き、各自荷物を各部屋に持ち込む。サンドイッチ、サラダ、コーヒー等がすでに準備されていて、夕飯とした。井上先生も長旅の疲れを取るようにと長居せず、宿舎をあとにした。

7月21日日曜日。午前10時。国際課のMr. Will, Chelsi Laposi, Purdue大学獣医学部の学生と、一緒に研修する中国チームと合流し、正門から学内を回って歩く。気温が30℃を超えており、暑くなってきた。午前12時。近くのハンバーガーショップで昼食を取る。

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Purdue大学正門

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動物医療センターモニュメント

店内はエアコンが効いていて、とても涼しい。落花生が無料食べ放題ということ。殻を床に捨てている。こちらでは普通らしい。私たちは出来なかった。コーラを注文するが大きすぎて飲みきれない状態である。

午後1時。動物園探索始まる。Colombian Park Zooへ行く。気温は35℃。井上先生はスキンヘッドなので頭のてっぺんから汗が流れ落ちている。小さな動物園であるが、無料であるので、お客さんはたくさんいた。

午後5時30分。近くのステーキハウスで歓迎会を開いてくれた。獣医学部長のDr. Reed、日本人で麻酔科医の久代先生に会う。実は久代先生は、酪農学園大学獣医学科卒業の同窓生であった。世界で活躍する同窓生に鼻高々の気持ちになった。

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Welcome party終了後中国チーム合同

7月22日月曜日。本格的な研修が始まる。8時30分。オリエンテーション。書類書き、タッグ付け、スクラブ着用方法などの説明を受ける。10時30分。Clinical rotationに参加する。12時。午前の部終了で、ロッカールームで昼食をとる。持ってきていないので、Caféで買って食べる。Caféといっても、サラダとサンドイッチ、アップルパイ、コーラとジュース類しか売っていない。私はアップルパイを買って食べる。午後3時。Dr. Scott-Moncrieff 学科長を表敬訪問する。30分間の英語でのスピーチは大変疲れた。

午後6時。Mayaと一緒にバスで宿舎に帰る。バスを待っている時間も長かったし、乗っている時間も長く、大学からはかなり遠いところにあると思った(Chery 1124)。実は別路線に乗ったので逆回りで時間がかかったことが後でわかった。夜は、昨日買ってきた材料で各自夕食とした。私は井上先生が準備してくれたお米を炊飯器で炊き、納豆ご飯で済ませた。

7月23日火曜日。8時。学生は、Clinical rotationに参加する。午後1時30分。私は、Dr. Bianca Zenor看護学科長表敬訪問する。忙しそうでお話し出来たのは20分程度。来週会議があり準備で忙しいとのことであった。20分の英語スピーチでホッとした。午後4時。Tippecanoe Fairに出かける。この祭りは区のお祭りで、家畜市場を会場に馬、牛、羊、豚、鶏を展示している。併せて移動遊園地が併設されていて小さい子供から大人まで楽しめるお祭りである。夕飯を各自取る。ここでも食事はハンバーガーかホットドック、飲み物はレモネードかコーラ。綿あめ(Cotton Candy)もあり、売れていた。甘いもの好きのアメリカ人には受けるのかもしれない。お祭りに付き物の焼きそばが無いのが残念であった。宿舎に戻って来たのは午後9時を回っていたが、まだ明るかった。

7月26日金曜日。朝の時間の感覚がわかってきた。体もこちらの時間に馴致されてきたのだろうか。私は11時に寝て、翌朝4時半に目が覚める、北海道でのパターンに似てきた。学生たちは、話し込んでいるようで私よりは寝るのが遅い。

7月27日土曜日。11時。Fair Oaks Farm (民間の農場の展示施設)見学。場所はChicagoにあるので時間にして2時間半はかかった。入場料を払って、飼料生産、乳牛および養豚の施設の見学ができる。実際の牛舎および養豚場へのバスで回るシステム。まずフリーストール牛舎と円形パーラーの施設をバスに乗って見学する。牛舎が長い。500mぐらいはあるだろうか。次に養豚場を見学する。直接豚舎に入ることは出来ないので、二階から見学できるような設計になっている。昼飯は施設内のレストランで食べた。バッファローチキンラップを食べたがバッファローの味はしなかった。

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Fair Oaks Farm

午後5時。Fair Oaks Farmから戻り、Beili(今年Purdue大学から酪農学園大学に研修に参加した学生)がWalmart(スーパーマーケット)の買い出しに連れて行ってくれた。量がわかってきたので、前回より多めに買うことにしたようである。食料品ばかりでなく、衣料品も売っているので、そろそろお土産用、自分用に買っている学生もいた。

7月28日日曜日。今日は、Indianapolis Zooへ行く日である。7時半に井上先生が迎えに来てくれた。早く行かないと道路が混むし、Behind viewを見学するに当たって順番があるので早く出ようということになった。8時ごろ、宿舎を出発する。

9時20分。Indianapolis Zooに到着する。入場料を払わないで、裏口から入る。カバ舎、ゾウ舎、トラ舎、セイウチ舎、診療所等を見学する。とても暑い日である。井上先生のおかげで普段見られない場所まで見学できるのはありがたいと思った。

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Indianapolis Zoo見学

7月29日月曜日、11日目。折り返しである。2週間の研修期間からみると残すところ5日となった。学生に伝え、確認をしながら実習に臨むよう伝える。学生は、こちらの大学の生活に慣れてきて帰りたくない気持ちになってきた。

7月30日火曜日。7時15分。宿舎を出る。8時。Clinical rotationに参加する。

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7月31日水曜日。12時。Dr. Thomson によるLunch Lecture。題材は犬猫の避妊による疾病発生割合であった。Thomson先生は、一般診療科の先生で、気さくな先生である。日本人が大好きということであった。今日の夜は、Thomson先生宅で夕食会が予定されている。

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Thomson 先生の授業と夕食会

8月2日金曜日。今日が最終日。午前12時よりFarwell Ceremonyが予定されているので、正装服を準備する。午前11時には、Clinical rotation終了する。学生には気を引き締めて、“立つ鳥跡を濁さず”の気持ちで臨むよう念を押す。

10時40分ごろロッカールームに3人集まる。

12時。Farwell Ceremonyが開始される。中国チーム、日本チーム各々の代表がお礼の言葉を述べる。そして修了証書授与が始まる。私まで修了証書をいただく。嬉しい。

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Farewell Ceremonyとparty

8月3日土曜日。7時。全員で部屋の片づけをする。オーナーらしきおばさんが来て、洗濯を始める。井上先生とChelsiが迎えに来る。いよいよこの宿舎ともお別れ。去るとなると寂しい気持ち。Chelsiの運転でChicago空港へ向かう。2時間半のドライブ。来るときは眠くて外の景色は覚えてなかったが、帰りは見えてきた。デントコーン畑や大豆畑が続いている。山は無い。
午前11時。搭乗手続きをして飛行機に乗り込む。乗ってしまえば降りる時は日本だ。安心する。12時間のフライト。
8月4日日曜日、16時。成田空港到着する。新千歳空港行きに乗り換え、20時35分、新千歳空港到着する。2週間ぶりに北海道の地を踏む。空港内の見慣れた風景にほっとする。空港で解散。学生3人も疲れてはいるが、笑顔でほっとした。

3 最後に
2週間、学生とともにアメリカPurdue大学での看護研修を経験することができました。一言では言い表せない経験をさせていただきました。まさに「Big America!」を経験しました。驚きと感動の日々でした。Purdue大学では、国際課のスタッフをはじめ、日本人である井上先生、井上先生は、同国人であるということで我々を親身になって、看護研修から生活面まで多岐にわたり面倒を見ていただきました。深く感謝します。
最後に、このような貴重な機会を与えていただいた酪農学園大学関係者に心より感謝申し上げ、研修の締めくくりとします。