2025年度 アルバータ大学夏季研修プログラム報告書(藤井すみれさん)
掲載日:2025.12.02
獣医学類1年 藤井すみれ(Sumire Fujii)
2025年度アルバータ大学夏季研修プログラム報告書
はじめに
私は、2025年の8月31日から9月27日までの約1か月間、カナダのエドモントンにある、アルバータ大学のCommunication Skills for Global Citizenshipコースに参加しました。本報告書では、留学中の生活や学び、留学前に知っておきたかった点、そして私自身の経験に基づくカナダの印象について記します。渡航は初めてではなかったため、楽しみが大きかった一方で、ホームステイの経験がなかったため、滞在先でうまく生活できるか不安もありました。
プログラムについて
本プログラムは、複数の大学の1年生から院生まで様々な学部・学年の日本人学生で構成されており、そこにアルバータ大学の教員が1名担当としてつく形でした。留学前に受けたプレースメントテストの結果により、AからEクラスに約20名ずつ振り分けられました。午前中は英語での授業、午後はレクリエーションや自由時間が設けられており、行われる日は大学ごとに多少異なりますが、私のスケジュールはこのような流れでした。
また、現地には留学生をサポートしてくださるスタッフの方がいて、レクリエーションの先導や、大学内で困ったことがある際に相談することができました。
日本からカナダへ
エドモントンへは、成田からバンクーバーを経由し、国内便でエドモントンへ向かいました。到着後、ホストファミリーの方々が到着ゲートで出迎えてくださいました。空港ではホストマザーとホストシスターのエリンが、空港の外ではすぐに車に乗れるようホストファザーが待っていてくださいました。
学校生活が始まるまで
到着翌日は休みだったため、お土産を渡したり、時差ぼけを調整したりしながらゆっくり休むことができました。また、通学ルートの確認や、通学に必要なICカードの取得にも時間を使いました。
1週間目
留学初日は友人がおらず不安でしたが、全員が集合するまでの待ち時間に友人ができました。偶然にも同じクラスで、その後も交流が続く大切な存在となりました。クラス分けの後、教室へ向かい、担当の先生の温かい雰囲気に緊張が和らいだことを覚えています。
アルバータ大学は非常に広く、キャンパス内を歩くこと自体が楽しい経験でした。学生たちの表情も明るく、活気に満ちていました。また、キャンパス内でビアガーデンが開催されているなど、日本ではあまり見ない自由な文化も印象的でした。初週は慣れないことが多く、1日を過ごすだけでも精一杯でした。
2週間目
クラスメイトと打ち解け、大学へ通う際の緊張も徐々に和らぎました。ホストファミリーとも落ち着いて話す時間が増え、英語を話すことにも慣れてきました。行動範囲が広がり、さまざまな活動を楽しめるようになりました。
ホストファミリーは、学校での出来事や生活についてよく気にかけてくださり、私がうまく伝えられない時も、最後まで丁寧に聞いてくださいました。自宅ではないにもかかわらず、自由にくつろげるよう配慮していただき、とても過ごしやすい環境でした。
ロッキーツアー
ロッキー山脈へのツアーは、留学中で最も印象に残った体験でした。日帰りと3日間の2種類があり、多くの学生は3日間のツアーに参加していました。雄大な景色や湖でのカヌー、乗馬、日本では見られない街並みなど、貴重な体験ができました。ここで初めて、ビーバーのしっぽを模したスイーツ「ビーバーテイル」を食べました。
3週間目
3週目はプレゼンテーションやグループディスカッションの授業が増え、課題に取り組む時間も長くなりました。英語は、留学当初と比べて格段に聞き取れるようになり、思ったことをそのまま英語で表現できる場面も増え、自分の成長を実感しました。
また、この週には念願のオーロラを見ることができ、忘れられない思い出となりました。オーロラは静止しているものだと思っていましたが、予想外に形が変わり続け、その動きに驚きました。
4週間目
日々が充実していたため、時間が過ぎるのが非常に早く感じられました。帰国が近づくにつれ、ホストファミリーやクラスメイトと別れることへの寂しさが増していきました。ホストマザーの手料理を食べられる日が少なくなっていくことも名残惜しく、帰国したくない気持ちが大きくなりました。
ホストファミリーとの生活
授業が早く終わる日は、エリンのスクールバスをホストグランマと一緒に待ったり、休日には動物園やオーロラ観賞のためのキャンプに連れて行っていただいたりと、充実した時間を過ごしました。
ホストファミリーはフィリピン出身であり、フィリピン料理を初めて食べる機会になりました。野菜と肉のバランスが良く、とても美味しくいただきました。ご飯が出る家庭だったため、お米が恋しくなることはありませんでした。猫が好きな私にとって、飼い猫のマフィンの存在は大きく、初めてのホームステイでも安心して過ごすことができた理由の一つです。
エリンが懐いてくれたことも嬉しく、妹がいない私にとって本当の妹のように感じられました。
最後に
留学全体を通して、「自分は何が好きで、なぜ今その道を選んだのか」を問われる場面が多く、自分自身について改めて考える機会となりました。その結果、将来のビジョンが以前より明確になり、卒業までの励みとなりました。私はこれまでにドイツに住んでいたことがあり、その中で稀に差別的な場面を見たり、自分が受けたりすることもありました。しかし、カナダではそのような視線を感じることは一切なく、想像をはるかに超えるほど多様な国の人々が暮らしていました。
また、授業中や友人との会話では、文化や互いの違いを大切にし、尊重する姿勢が幾度となく話題になりました。こうした点は、私自身の過去の経験があったからこそ、国ごとの違いとして特に強く感じられた部分です。
また、留学前の準備の重要性も強く感じました。特にホームステイ先の情報入力では、希望やこだわりを正直に記入することが大切です。私は猫がいる家庭を希望していたため、送付する写真全てに猫を写し、追記欄にも明記しました。その結果、希望に合った家庭に滞在することができました。ホームステイ先の変更を希望された方もいたため、事前準備とホームステイ先との相性の重要性を実感しました。
留学中にお世話になったホストファミリー、国際交流課の皆様、そして支えてくれた家族をはじめ、関わってくださったすべての方々に深く感謝申し上げます。



























