2025年度 アルバータ大学夏季研修プログラム報告書(日置桃香さん)

掲載日:2025.12.02

食と健康学類3年 日置桃香(Momoka Hioki)

私のカナダ留学

私は一か月間カナダへ短期留学し、アルバータ大学のプログラムに参加しました。私がこの留学を決意したきっかけは、人生経験として他国の文化を学び、自分の視野を広げたいと思ったからです。また、英語が苦手だったため、現地で実際に生活しながら学ぶことで自然な表現やコミュニケーション力を身につけたいとも考えました。異なる環境に身を置くことで、新しい価値観に触れ、自分自身を成長させたいという思いもありました。

アルバータ大学の授業では英語のみが使用され、日本語を話すことは禁止されていました。そのため、最初は先生の説明を理解するだけでも精一杯で、とても大変でした。特に授業中のスピードの速い会話や質問にすぐ反応できず、もどかしさを感じることもありました。しかし、毎日英語を聞き続けるうちに耳が慣れ、単語や表現を自然に理解できるようになりました。授業を通して「わからないことを恐れず質問すること」の大切さを学び、積極的に発言する姿勢も身につけることができました。

日本の大学とカナダの大学の授業の大きな違いは、授業中に飲食が許可されている点です。日本の大学では飲み物を口にすることは一般的に認められていますが、食べ物を食べることはマナーとして好ましくないとされています。一方カナダでは、眠気防止や集中力維持のために軽いスナックを食べながら授業を受けることが認められていました。初めは驚きましたが、学生たちは自由でリラックスした雰囲気の中で授業を受けることができ、その環境が学びやすさにつながっているように感じました。また、授業の進め方にも大きな違いがありました。日本では教員の講義を中心にノートを取る形式が一般的ですが、カナダの授業ではグループワークやペアワーク、プレゼンテーションが主流で、必ず何かを発表したりクラスメイトと意見を交換したりする時間が設けられているため、英語で自分の考えを表現する力が求められます。最初は英語で自分の考えを伝えることに苦労しましたが、練習を重ねるうちに少しずつ積極的に話せるようになり、大きな自信につながったと思います。

日本との違いは他にも多く、毎日新しい発見の連続でした。駅のホームに改札がないことや、交通機関はICカードを一度タッチすることで、一定時間内であればバスや電車を自由に乗り換えられる仕組みになっていたことは、日本ではあまり見られない制度でした。そして、バスを降りるときにはほとんどの乗客が運転手に「Thank you」と声をかけていたのも印象的でした。こうした日常の小さな場面からも公共マナーの違いを感じることができました。また、カナダの気候は空気が乾燥していて、湿気の多い日本に比べるととても過ごしやすく感じました。しかし、朝と夜の気温と昼間の気温差が非常に大きく、朝や夜は一桁台になる日もあれば、昼間は二十度前後まで上がる日もありました。私が滞在した一か月の中で一度だけオーロラを見られたのも思い出です。カナダの街中にはゴミ箱が多く設置されており、公共のマナーがしっかりしていることも街の清潔さや快適さに繋がっていると感じました。

私のホームステイ先はホストマザー1人の家庭で、同じプログラムに参加していた他大学のハウスメイトと3人で生活していました。ハウスメイトは英語が得意で、ホストマザーとよく会話をしていましたが、私は英語が苦手だったため最初はあまり話せませんでした。初めは、ホストマザーに話しかけられても、ハウスメイトが通訳してくれることが多く、もどかしさを感じることもありました。そんな私に、ホストマザーは「これから毎日、今日あったことを3文で話してみましょう。それが練習になるはずよ。」と提案してくれました。その言葉がとても嬉しく、それから毎日ホストマザーにその日の出来事を3文で話すようになりました。最初は言葉が出てこず苦戦しましたが、徐々にスラスラ話せるようになり、英語を話すことの楽しさを実感しました。また、ホストマザー以外とも英語での会話を必要とされる場面は多く、初めは緊張しました。ですが、カナダの人々は目が合うとほほえみかけてくれたり、お店に入ると必ず店員から「How are you?」と声をかけてくれたりしました。このようなことから、人とのつながりや、コミュニケーションの大切さを学ぶことができました。

そして、休日にはホストマザーがショッピングや公園に連れて行ってくれ、さまざまな体験をさせてくれました。また、ホストマザーはベトナム出身であったため、アジア系の料理を作ってくれることもあり、普段はカナダの料理とアジア系の料理の両方を楽しむことができました。どちらもとても美味しく、異なる文化の食を体験できたことは貴重な経験でした。ホームステイを通して、こうした経験を与えてくれたホストマザーには深く感謝しています。

また、ロッキー山脈への日帰り旅行にも参加しました。写真で見るよりも壮大で美しく、透き通った湖と高くそびえる山々の風景は、日本ではなかなか見ることができないものでした。私が滞在していた1か月間は毎日天気が良く、この日も澄んだ青空の下で旅行を楽しむことができました。どこを見ても美しく、言葉では表せないほど感動し、自然の素晴らしさやカナダの広大さを実感しました。

私はこの留学を通して、特にリスニング力が向上したと感じています。現地で毎日英語に触れる中で耳が慣れ、自然な会話の流れを理解できるようになりました。また、コミュニケーションの大切さを深く学びました。たとえ英語が苦手で言葉や単語が分からないときでも、「伝えたい」という気持ちがあれば相手が汲み取ってくれ、思いが通じることが何度もありました。この経験を通して、言語の壁を越えて人と関わることの大切さを実感しました。今後は、日本でも日々のコミュニケーションを大切にし、淡々と過ごすのではなく、自分から行動して新しい発見を見つけていきたいと考えています。

2025年度 アルバータ大学夏季研修プログラム報告書(日置桃香さん)

オーロラ

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ロッキー山脈への日帰り旅行(ハウスメイトと私)