2025年度 ペット講座「動物の薬剤耐性感染症:”抗菌薬”と”ファージ”の二刀流で切り開く未来の医療」における講演内容の質問に回答します

掲載日:2025.07.22

2025年5月18日(日)に開催いたしました ペット講座「動物の薬剤耐性感染症:“抗菌薬”と“ファージ”の二刀流で切り開く未来の医療」にて寄せられた質問について獣医学群 獣医学類 藤木純平講師が回答します。

【質問1】我が家のフラットコーテッドレトリバー 8才、男の子ですが、皮膚が弱くてマラセチア菌で苦労しました。マラセチアは細菌なのかわかりませんが、ファージって有効なのでしょうか。

(回答)実はマラセチアは細菌とは似て非なる真菌の仲間です。真菌に対するファージも論文上は報告されているものもありますが、細菌に比べて未だ進んでおらず、今後の発展が期待される分野です。その意味合いでは直ぐ使えるマラセチアのファージというのは難しいのが現状です。

【質問2】うちのネコの耳だれがひどいのですが、ファージ療法してもらえますか?

(回答)どのような原因があるかを調べる検査がとても大事になります。原因によっては研究室で保管しているファージが有効な場合も考えられます。また、本学の附属動物医療センターにおけるファージ療法の臨床試験は、現在、再開に向けた手続きを行なっております。それらの準備が整った後に実際の治療に関する臨床的な試験を進めていく見込みとなっております。