海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年7月 広井千紗都さん

掲載日:2025.08.18

循環農学類(2024年3月卒)広井 千紗都

7月も先月から続いて暑い日が多く、特に暑い日は40度を超える週がありました。日本とは違って湿度が低いのでカラッとした暑さなのですが、毎日じりじりと皮膚が焼かれるような感覚がありました。最近はチェリーの収穫も終わりが見えてきたのか忙しそうだった雰囲気が落ち着いてきて現在はリンゴの実が少しずつ赤くなっています。

今月の作業も先月に続いて牛移動が中心でした。毎日放牧地に行って牛を探して次の放牧地まで移動させます。長いときは6時間以上かかります。しかし、とても広い放牧地なのでどれだけ牛を探して移動させても毎回数頭はミスしてしまいます。そのため、後日同じ場所に探しに行ったり、近くに住んでいる人から牛の目撃情報があるとすぐに準備して向かったりしていました。11月にも雪が降る前に牛を放牧地から降ろすために同じ場所を何回も通ったのですが、今月特に多く行った場所は11月に何度も行った放牧地と同じところだったのでその放牧地は牛が隠れやすく見つけにくい場所なのだと思いました。実際に目撃情報があってすぐに向かって探しても見つけられずに1日が終わったりしてしまいます。牛の足跡を探して追いたくても残っている頭数が少ないとそもそも足跡が見つからなかったり見つけて足跡をたどっても見つからなかったりするので至難の業です。来月からは妊娠鑑定のためにメス牛を集める作業が始まるのでミスがないように放牧地内をくまなく探すように心がけます。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年7月 広井千紗都さん

牛移動の様子。乾燥しているので砂埃が多く顔が真っ黒になります

また今月は馬と衝突しました。道に小川があったので馬を降りて渡ろうとしたのですが、馬が水を怖がって大きくジャンプして私とぶつかって倒れてしまい危うく踏まれるところでした。気を付けていても何が起こるか分からないので残り2か月怪我のないように過ごします。来月には新しい研修生も来ます。とても楽しみですが、特に怪我の面では気を付けるように伝えようと思います。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年7月 広井千紗都さん

仕事中に見つけたhuckleberryが甘酸っぱくておいしかったです

7月4日はアメリカの独立記念日でした。そのため仕事はなく、代わりに町で行われたパレードのお手伝いに行ってきました。いくつもの団体が列を作って道路を歩きます。私が研修している農場はGebbers Farmと言ってワシントン州で一番規模が大きい農場で、メインのリンゴ以外にもチェリーやナシを育てています。パレードでは今が旬のチェリーを小分けにパック詰めされたものをファミリーの子どもたちが観客に配るという感じで、私たち研修生は子どもたちが危険な行動をしないように見守ったり一緒にチェリーを配ったりしました。夜には花火を見ましたが距離がとても近く迫力がありました。アメリカに来てから2回目の独立記念日でしたがどちらもとても楽しく過ごすことができました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年7月 広井千紗都さん

独立記念日のパレードではみんなでトラクターを飾りました

また、12日はボスとローピングの大会に行ってきました。小さな町の大会だったのですが、ブルライディングやワイルドホースレースなどロデオのすべての種目を初めてみました。中にはチキンや子豚のスクランブルがあり、子どもたちがアリーナ内に放たれたチキンを捕まえるという競技もありました。ボスはチームローピングという種目で3位になり嬉しかったです。また今回ブルライディングを観客席からではなく裏方の方から見る機会があり、とても近くでライダーが乗っていくのを見ましたがブルも大きく暴れており改めてとても危険な競技だと思いました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年7月 広井千紗都さん

ブルライディングの裏側。この柵の上からまたがって奥の扉が開いてブルが人を乗せたまま暴れます。

先ほども書きましたが、来月からは妊娠鑑定が始まるので忙しくなります。また新しい研修生も来ます。8月になりまた忙しくなると思いますが残り少なくなった研修期間を心残りがないように考えて取り組みたいと思います。