海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年5月 広井千紗都さん
掲載日:2025.06.09
循環農学類(2024年3月卒)広井 千紗都
去年の6月にアメリカに来てからもうすぐ1年になろうとしています。農場研修も10か月が経ちました。最近はまだ寒い日もたまにありますが日中はシャツ1枚で過ごせるくらい気温が上がりました。先月花が咲いていたチェリーも場所によっては色が付き始め、アップルも果実が膨らみ、牧草地も土を耕し始めています。
今月は先月と同じように子牛のブランディングと駆虫薬などの投与、CIDR挿入、人工授精をしました。それ以外に今月は馬に乗る作業が増え、放牧地の近くにある囲いまで牛をトラックで運び、その場所から目的の放牧地まで馬で牛を追います。放牧地の中にはウォータータンクがいくつかあるのでその場所まで牛を追い、数十分ほどその場所で待機させ牛たちのウォータータンクの場所を覚えさせます。また、放牧地に出す牛が親子の場合はトラックで運ぶときに子牛がつぶされないように親と分けてトラックに乗せることや、牛を移動させている間に親子がはぐれてしまうので親子で放牧地に出すときはウォータータンクについたらマザーアップと言って子牛や母牛がお互いを見つけられるように見守る必要があります。子牛は母牛が見つからないと走って違う方向に行ってしまうのでマザーアップ中は気が抜けません。牛に近づきすぎると逃げてしまいそのままどこかに行ってしまうので牛との距離感も考えながら行動する必要があります。農場に来た最初の頃は距離感がわからずよくボスに「Slow down」と言われていたのですが最近は距離感がわかってきて気が付けば最近は注意されることがなくなりました。放牧地に牛がいると次は塩を置く必要があります。レンジャーの荷台に塩を大量に載せて放牧地の中を走り数か所にそれぞれ塩を置きます。そのついでに放牧地内の他のウォータータンクがちゃんと動いているかの確認もします。放牧地の中を走りながらきれいな景色を見たり放牧されている牛の様子をみたりとても楽しいです。
また、今月はガラガラヘビを見ました。今まで仕事中やアリゾナにいる間にここにはガラガラヘビがいるから気を付けてね。と言われていたのですが実際に見たことはなくあまり身近に感じていませんでした。今回も私が実際に生きている様子を見たわけではないのですが、一緒に働いているワーカーの人がガラガラヘビを見つけ頭を落としたものを見せてくれました。ガラガラヘビのしっぽの音を揺らして聞いてみたのですが想像していた音ではなく、かわいらしい小さなマラカスのような音でした。ガラガラヘビの毒は強くとても危険なのでこれからは音を聞いたらすぐに逃げようと思います。
月末には果樹専攻の研修生とロデオを観に行きました。私たちが見たのは暴れるオス牛にまたがるブルライディングという種目と三角形に置かれた樽をいかに速く走り切るか競うバレルレーシングという種目を見ました。この大会はプロではなくアマチュアの試合らしいのですがとても盛り上がっていました。帰り道にラフティングができる場所があったので次全員の休みが被るときがあったら行ってみたいです。
これから夏にかけてさらに気温が上がっていきますが体調に気を付けながら頑張ります。