フィンドレー大学 ベーシック・アニマルハンドリングプログラム2024年度報告書(佐藤花美さん)
掲載日:2025.04.28
獣医学類4年 佐藤花美
私がフィンドレー大学のベーシック・アニマルハンドリングプログラムに参加した理由は元々留学に興味があり時間に余裕がある大学生のうちにアメリカの文化はもちろん、獣医学について学びたいと考えていたことと、採血やワクチン投与などの日本ではCBTに合格するまで経験できない獣医療学的なアニマルハンドリングに関心があったからです。
フィンドレーでの生活は平日の午前中は厩舎(Western Farm, English Farm)に行き、フィンドレー大学の学生とペアになり乗馬の準備の手伝いをし、午後は馬、産業動物のハンドリングや酪農について学ぶことが主でした。朝は6時半のシャトルバスに乗って7時からの作業に参加しました。具体的には給餌、除糞、ブラッシング、蹄の手入れなどを行いました。その後は学生がどのように乗馬しているのかを見学したり、ホルダーの付け方、安全な引き方などを学びました。
午後は日によって、Dr.Flores, Dr.Hass, Prof.Whitakerの講義を受けました。ここでは教室で数十分説明を受け、農場に行って実践する、というような形式で授業が行われました。説明は全て英語で行われるので講義中に全てを理解することはできなくても農場で実際に手を動かすことで改めて気づいて学ぶことができた瞬間も沢山ありました。特にDr.Floresの授業では毎授業同じ学生とペアになって作業をしていく中で少しずつ仲良くなることができ、ペアの学生から「完璧なチームワークだったね」と声をかけてもらえたり、協力しながら保定や採血などを成功させることができたのがとても嬉しかったです。Dr.Hassの授業では馬のテーピング方法、骨格について学んだりワクチン接種、採血をしました。採血は、最初は駆血した血管が浮き出ているのが見えているのにいざ刺すと血管に入らず悔しかったけど何回も教えてもらううちに1回で成功できるようになりました。Prof.Whitakerの授業では豚の飼育管理や個体識別方法について学ぶことができました。
それ以外の平日や土日はToledo Zoo, Equine Rescue, Humane Society, Valley veterinary Clinic, Dairy Farm, VCA Animal Hospital, Ohio Wildlife Centerなどの施設に訪れたりホームステイに行きました。特に印象に残っている施設はEquine Rescue, Valley veterinary Clinic, VCA Animal Hospitalです。Equine Rescueでは愛玩動物として飼われていたけど様々な事情により飼い続けることができなくなり手放された馬が管理されていました。アメリカでは馬をペットとして飼っているということや馬用の保健所のような施設があり皆健康に管理されながら譲渡も行われているということに驚きました。Valley veterinary ClinicとVCA Animal Hospitalはどちらも小動物の動物病院です。私は将来、伴侶動物獣医師として働きたいと考えているので臨床で働く獣医師の仕事や現場での工夫、治療風景などを見学できたことはとても貴重な経験でした。飼い主の心に寄り添うことを専門の仕事としているスタッフの方がいたり、日本の授業で習った手術後の犬猫のリハビリ用の道具を使用している場面を実際に見ることができたことも興味深かったです。
ホームステイでは今度の5月に酪農大に留学に来るGabbyとMarahの家に泊まりました。大きなショッピングモールや「OtherWorld」という不思議な博物館に行ったり、Gabbyの家で飼われている沢山の動物に触れ合うことができました。私の拙い英語でもとてもよく聞き取ってくれて楽しく会話ができ友達になれたので日本で再会できることが楽しみです。
フィンドレー大学で過ごした3週間はとても楽しくあっという間で沢山の貴重な経験をすることができました。アメリカに行くまでは実際のイメージが湧かず学校生活を乗り切ることができるのか不安でしたが少し英語に慣れてきたと感じる頃には帰る日になってしまったくらい一瞬に感じました。
この留学プログラムに関わってくださった酪農学園大学、フィンドレー大学の先生方、交流を持ってくれた留学生の方々、一緒に過ごした5人の友人にはとても感謝しています。この3週間を通して経験したことは全て最高の思い出です。この経験をこれからの学生生活に活かして日々学んでいきたいと思います。