カナダ•アルバータ大学派遣留学報告書(4月)

掲載日:2019.05.08

永谷 万里菜

日本では桜が咲いていますか?日本の春と言えば多くの人が桜を想像するのではないでしょうか。日が差し込み、透けるピンクから感じられる柔らかい暖かさが私は好きです。

今月の私のテーマは“自分らしく、自分を偽らないこと”です。あなたは自分の好きなことを大人になってから息ができなくなるくらいに熱中してやったことがありますか。私はありません。いつの間にか見失ってしまっていたことに気づきました。幼い頃の私の真っ白なキャンバスは私に迷いを与えなかったのです。全てが新しい色でキラキラしていたあの日々が忘れられずにいます。小学生のとき、私の月のお小遣いは1,000円でした。その1,000円を握りしめ、近くのセイコーマートで「写ルンです」を買っていました。「写ルンです」は私の最初の趣味です。私は牧場で育ちました。幼い頃から動物が好きで私の1日はペットの観察で終わります。ペットの写真だけをひたすらに撮って、使い終わった「写ルンです」を現像するお金はないので現像をお父さんとお母さんに交渉していました。「写ルンです」はフィルムカメラなので現像するまで自分の写真を見ることができません。包まれた写真を見るまでのワクワクが最高に好きでした。現像した写真を大きなアルバムに一枚一枚貼っていくのです。写真は私のコレクションでした。今、デジタルの時代になってスマートフォンで手軽に写真を撮ることができて、加工できて、見ることができます。加工は素晴らしいです。でも私は無造作にシャッターを切ってしまっても加工できない、その時のリアルを切り出していた、幼い私が撮った写真が大好きです。

いつから、私はあの熱を失ってしまったんだろう。好きなことをすることは悪いことじゃないのに、子供の頃、私は好きなことをした後に罪悪感を感じていました。大人たちは私に言ったのです。『遊んだあとは勉強をしてね。』好きなことだけをするのはよくないことなんだ。遊んでばかりいたら、学校にいけないんだ。ネガティブであふれていて、子供の真っ白だったキャンパスに影をつけていくのです。好きなことと勉強を切り離す必要なんてないんです。勉強は遊びの延長です。今、大学を卒業して初めて勉強の楽しさに気づきました。学ぶことは何よりも美しい。高校生の時は世界史に全く興味がなくて、でも今は歴史を調べるのが楽しいです。恥ずかしいことに私は終戦記念日すら覚えていませんでした。日本で生まれ育ったのに私の国の歴史を知らなかったのです。大学の時には食品の授業をとっていましたが正直資格の為に履修していただけで楽しさにきづきませんでした。毎日食べている食べ物について知らないのです。でも今は調べるのが楽しいです。勉強は遊びの延長だと思います。高学年、中学生になるにつれ、人と関わることを覚えて、無意識に他人からの愛を求めはじめました。同級生との人間関係、大人たちが求める、子供の姿。どうしたら他人から愛されるかばかり考えていていつの間にか自分を愛することを忘れていまっていたのです。自分は間違っているのかな?自分を愛せないと同時に自信も失うのです。誰かが与えてくれた魔法の言葉に浸り、その言葉の安心感に依存していくのです。そして、自分と向き合うことを忘れていくのです。でも今、自分を見つめ直した時に、大学を卒業しても、やっぱりあの時のキラキラした感覚は昨日のように思い出せて、自分らしさを大切にしようと再確認できました。自分を大切にできるのは自分しかいない。完璧じゃない自分を愛せるのは自分だけだと。カナダの学校の先生に「完璧を求めないでいい」と言われました。すごく心が軽くなりました。悲しさと悔しさは私を成長させてくれます。人との出会いはたくさんの感情を私に与えてくれました。もう自分らしさを見失わないように、自分自身を表現できる、美しく、強い女性になりたいと思いました。たくさん泣いて、たくさん笑って、何歳になっても子供の時のような素直さを忘れないように。私と出会ったとこが少しでも誰かの自分自身を愛するきっかけになりますように。

カナダ•アルバータ大学派遣留学報告書(4月)