海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)8月 竹本圭翔さん

掲載日:2024.09.06

循環農学類4年 竹本 圭翔

 渡航してから3ヶ月が経ち、すっかり生活に慣れ、自分らしいペースで暮らせるようになりました。現在、研修を行っている農場では、インド、ベラルーシ、ウクライナ、ポーランド、カザフスタンなど、多様な国々からの人々が働いています。彼らとは、自国の文化や賃金についての話題、そして現在進行中のウクライナ戦争についてもよく話し合います。こうした対話から学べることは多く、日本との違いを比較するのがとても興味深いです。特に戦争についての話題はシビアですが、日本が過去に経験したことを他国がどのように認識しているのかを知り、戦争の悲惨さを改めて実感させられます。また、他国の人々が母国語に加えて他の言語も流暢に話せることに感銘を受けています。私が住んでいる地域はロシアに近いこともあり、英語よりもロシア語が頻繁に使われ、各国の母国語が飛び交う環境は、まるでドイツにいることを忘れてしまうほどです。
 3ヶ月が経ち、仕事も次第にルーティン化してきたので、私の普段の業務について少しご紹介します。月曜、水曜、金曜は、牛の水槽の掃除と糞の処理を担当しています。火曜の午前中は、牛の移動が行われ、分娩が近い牛は分娩房に移動させ、他の牛には乳房炎のワクチン接種を行います。また、火曜だけは搾乳作業も手伝っています。午後の仕事は日によって異なりますが、比較的よく行うのは、道路に落ちた腐った餌をスコップで掃除する作業です。木曜は、子牛の餌やりの手伝いや、子牛ハッチの清掃が主な業務となります。基本的に土日は休みですが、時には土日も仕事が入ることがあります。搾乳を担当することはほとんどありませんが、すべての業務は牛のためであり、日々全力で取り組んでいます。
 8月の第3週には、2日間の休暇と土日を利用して、ベルギーとオランダを旅行しました。久しぶりの外出ということもあり、この旅行を楽しみにしながら日々の仕事に励んでいました。最初に訪れたのは、ベルギーへ向かう途中の乗り換え地点であるドイツのデュッセルドルフです。少し時間があったので日本街を散策しましたが、そこには日本の漫画や食べ物が多く揃っており、しばらく日本食を口にしていなかった私は、ラーメン屋に立ち寄ってラーメンを楽しみました。久しぶりのラーメンは格別で、懐かしい味が心に染みました。その後、ベルギーに到着し、世界遺産に登録されているグランプラスを訪れました。その美しさには感動し、どこを見ても目を奪われました。ベルギーの伝統料理カルボナードやベルギーワッフルを堪能し、次にオランダのアムステルダムへと向かいました。ゴッホ美術館ではゴッホの名作を鑑賞し、マーケットではオランダ名物を味わいながら、存分にオランダの文化を楽しみました。久々の遠出で、心身ともにリフレッシュできました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)8月 竹本圭翔さん

ベルギーのグランプラス

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)8月 竹本圭翔さん

ベルギーの小便小僧

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)8月 竹本圭翔さん

ベルギーの伝統料理

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)8月 竹本圭翔さん

オランダのDen Haag

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)8月 竹本圭翔さん

アムステルダム

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)8月 竹本圭翔さん

オランダで有名なニシンの塩漬け

9月からは、これまで牧場主の母親に三食を用意してもらっていたのが、契約内容の変更により自炊生活へと切り替わります。この貴重な機会を活かして、海外での不便さや他国の人々との共同生活を楽しみながら、今後の研修もさらに有意義なものにしていきたいと思います。