海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)5月 竹本圭翔さん

掲載日:2024.06.17

循環農学類4年 竹本 圭翔

ドイツの農場に配属されるまで、北海道の浜頓別町の牧場で1か月研修させてもらうことになりました。この牧場は約1300頭の乳牛を飼育しており、そのうちの半分が搾乳牛です。ここで初めてロータリーパーラーを目にしました。50頭の牛が一斉に搾乳される光景は圧巻でした。他にもパラレルパーラーがあり、こちらでは治療牛や子牛を生んだばかりの牛の搾乳が行われていました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)5月 竹本圭翔さん

浜頓別町に到着した初日から研修が始まりました。まず驚いたのは、技能実習生の働きぶりです。彼らと一緒に仕事をしてみて、効率的かつ丁寧な作業ぶりに感心しました。彼らは常にどんな作業でもどうやったら効率的に終わらせられるかを考えながら働いていました。酪農現場では、作業が多い分こういった考え方は非常に重要であると私は感じました。さらに、彼らは日本語も流暢で、これから異国の地で働く予定の私にとっては良い刺激となりました。仕事が終わると疲れていましたが、彼らのようにドイツで流暢に話せる自信がなかったので、ドイツ語の勉強を欠かさず行いました。
次に驚いたのは、従業員の方々の牛のモニタリング力の高さです。普段は牛の首に着けている機械を使って体調を見ていますが、時には人間の目も必要になります。どの牛がどのように体調が悪いのかを従業員の方々と話していたのが印象的でした。私も実習中はよく牛を見るようにしていました。すると、搾乳終わりの牛で明らかに牛舎への戻りが遅い牛がいて、足に異変を感じました。案の定、次の日その牛は自分で立ち上がることができず、治療牛の牛群に入れられることとなりました。このことから、牛の異変を普段から観察することの重要性を学びました。
今回の実習では、搾乳だけでなく、子牛の哺乳、機械の整備、牛舎補修など様々な作業をさせていただきました。これらの作業を経験したことによって私の作業の幅は広がり、ドイツでも活かせると感じたので、様々な作業をさせていただけたことを嬉しく思いました。
研修中、社長さんが町のイベント、温泉、利尻島など様々な場所に連れて行ってくれました。特に思い出に残っているのは、利尻山の登頂です。社長さんの趣味の一つである登山に一緒に行くことになり、初めての登山を経験しました。登山の日は天気が良かったものの風が非常に強く、8合目付近で疲労困憊しましたが、なんとか頂上まで登ることができました。この経験は、自然の美しさや達成感を味わう貴重な機会となりました。
ドイツに渡航した際には、ここで学んだ技術や経験を最大限に活かし、努力を惜しまずに頑張りたいと思います。異国の地での挑戦は不安もありますが、浜頓別町での研修を通じて得た自信と技術、そしてコミュニケーション能力を武器に、新しい環境でも怯まずに頑張りたいです。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・ドイツ)5月 竹本圭翔さん