海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)12月(最終) 高島あゆみさん
掲載日:2024.01.15
環境共生学類(2021年度卒) 高島あゆみ(Ayumi Takashima)
2023年12月13日、とうとう帰国日となり、日本時間14日の16時頃に東京に到着しました。このプログラムでは、最終項目として自身で計画する小旅行があり、私はアラスカ旅行を友人と計画し、実行しました。そのため、デイビス大学での学習期間終了後から12月11日まで、アラスカで過ごしました。アラスカではフェアバンクスという町で温泉施設での宿泊やオーロラ観測、北極圏ツアーに参加し、天候に恵まれたため無事にオーロラを見ることができました。その後はフェアバンクスからアンカレッジというアラスカ1番の都市までアラスカ鉄道で移動しました。アラスカ鉄道は12時間の長距離列車で、景色を見ながら食堂車でディナーを取ることができました。走行中は何度かヘラジカを見ることができ、とても楽しい旅となりました。
18ヶ月間、アメリカで生活をした経験は、人生において大きな糧になったと実感しています。言語や生活、文化も考え方も違う人々との職場環境は、正直、苦い思いもたくさんしました。働き始めた当初は、日本人という大きなくくりの価値観内でしか見てもらず、過去農場で受け入れた日本人研修生と同じ仕事・同じ能力しか求められませんでした。しかし、そこで妥協せず自分がなにをすべきか、どうすればその枠を壊すかをがむしゃらに考える日々は、自分にとって大きな成長に繋がったと感じています。また、一つの気付きとして、彼らの考え方や価値観全てを正しいと思う必要はなく、学ぶ姿勢は取りつつも必要な部分だけを吸収して自分を確立することが1番良いと感じました。アメリカ社会は確かに日本より合理的で、高い技術を用いて成り立っていると感じる一方、都市部では多くのホームレスや薬物中毒者が暮らし、時には銃声を耳にすることもありました。今回、このプログラムに参加して、良い経験ができたと思うと同時に、日本で送れる生活の良さを再確認しました。
もし、このプログラムの参加に興味が湧く方がいるのならば、私は手放しで参加を勧めることはしないと思います。それなりに危ない目や怪我をしたのは事実だからです。しかし、大怪我をしてもアメリカに渡航して良かったと思っていますし、得られた経験は今後の人生を左右するきっかけになりました。渡航前は帰国後に日本で就職するつもりでしたが、今は人生の前半ぐらいは海外で生活をしてもいいかなと考えています。意外にも海外で生活することのハードルは高くないですし、日本の社会以外でも生きていける場所を見つければ、選択肢は幅広くなります。私のアメリカ研修はこれで終了しましたが、ここでやっと人生のスタートラインに立ったように感じています。最後に、ここまで私の研修を見守ってくださった方々に心より感謝申し上げます。