2023年度 タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月・10月報告書(砂﨑さん)

掲載日:2023.12.06

タイ・カセサート大学単位互換プログラム報告書

獣医学群獣医学類5年 砂﨑香恋 (Karen Sunazaki)

獣医学類5年の砂﨑香恋です。私は現在タイ王国カセサート大学の単位互換留学プログラムに参加しています。プログラムの期間は2023年9月24日〜12月18日であり、すでに滞在期間のうちの1ヶ月が経過しました。驚くほどに時の流れが早く感じられます。

さて、今回の報告書では本プログラムへの参加目的や私の留学への意気込みについて紹介し、各週における授業や実習で取り扱った内容、そこから得られた新たな学びについて主に報告します。タイでの日常生活やタイの学生との交流、これまでに訪れた観光地での思い出については次回の報告書で綴ります。報告書を通じてタイ王国やこの留学プログラムの魅力をお伝えできたら幸いです。

2023年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月・10月報告書(砂﨑さん)

友人のアースと毎日のように一緒にご飯を食べに行っています

私は1年次にカセサート大学の短期留学プログラムについて知り、当時から参加したいと考えていました。ただ、本格的に留学に向けて準備を始めたのはアメリカ合衆国オハイオ州に位置するフィンドレー大学への長期留学を終えてから(派遣期間:2019−2020年)です。前回の留学経験が自身にとってかけがえのないものとなり、その後も積極的に海外で獣医学を学びたいという気持ちを強く持っていたことが今回の留学プログラムに応募する決め手となりました。
本プログラムは、日本で学ぶ機会の少ない分野に特化していることや現地の学生と一緒に実践的な授業・実習に参加できることに加え、私自身が強い関心を持っている馬医療ならびに野生動物・エキゾチック動物の診療に携わる機会があることが最大の魅力だと感じました。また、アメリカでの生活を通して自発的に世界中の人たちと関わる場に飛び込んでいきたいと考えるようになったことも今回の留学を真剣に考えた理由の一つです。学生のうちに留学をすることで国は違えど同じ獣医学生としてともに刺激し合い、尊敬し合える仲間に巡り会えることを知りました。これこそが他には変えられない、留学で最も大切なことだと私は思います。
今回の留学ではアジア圏の、特に日本と強いつながりを感じられるタイ王国という国で専門知識や技術を磨くとともに、新たな「人と人のつながり」を大切にするという目標を掲げて参加しています。現在進行系で様々なことに挑戦しているので、そんな私の日常の一部を切り取って一緒に楽しんで(読んで)いただけると嬉しいです。

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5人でマーケットに行きました
左から岡本さん、大塚さん、沼さん、葉山さん、そして私です

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入院中の可愛い象にバナナをあげました

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3人で一緒に過ごす楽しい時間

早速授業内容についてお話したいところですが、まずは留学に向けて進めてきた準備などについて少しだけ紹介します。
私が留学を意識した際にまず確認したのが必要な提出書類と応募資格でした。次に、自身の英語力と獣医学で重要な専門用語の確認です。タイの短期留学プログラムは5年次に制限されていたため応募までの準備期間は十分にありました。意欲的にカセサート大学のオンラインセミナーへ参加したり(派遣が延期されていた時期があり、その間学年を問わないオンラインでの交流がありました)、過去の派遣生に話を聞きに行ったことなどが自身に必要なスキルを事前に把握するきっかけになったと思います。後に授業の詳細について述べますが、カセサート大学での講義・実習に参加するなかで、普段の日本の授業で学んできた専門科目や専門用語を英語で少しずつ、コツコツと勉強した甲斐があったと要所要所で感じました。所属する研究室の先生から紹介してもらった論文や教科書、自身で探した英語の論文を定期的に読む習慣をつけて、わからない英単語をノートにまとめていたことも力になりました。研究室での活動や研究室の仲間が教えてくれたことがこちらでの勉強に役立ったと感じたことも多くありました。授業や研究室などでの活動、友達からの意見や普段の何気ない会話が思いがけずも実際にはすべてが繋がっているようで、日々の積み重ねや周りの友達の存在の大切さに改めて気づかされています。(研究室の先生、仲間たちを始めとするたくさんの人の協力のおかげで今回の留学が実現できています。ありがとうございます。)

これより、各週における授業や実習の内容について順に振り返ります。参加した順番の通り今回の報告書では第1週〜第5週にかけての授業内容を紹介します。

第1週:Bovine(カンペンセンキャンパスにて)

カセサート大学で初めて参加したのはカンペンセンキャンパス大動物病院のBovine unitです。Bovine unitでは牛をはじめとする生産動物を主な対象としていますが、タイでは水牛を飼育する農家さんも多いようで、1週間の中でも何度か見かける機会がありました。また、Bovine unitでは羊や山羊などの中小家畜を含め日々多くの外来の対応をしており、手術を見学する機会にも恵まれました。午前中は病院獣医師のほとんどが往診に出ており病院に残る人が少ないため、私たちも様々な農場に同行して見学をさせてもらいました。訪れた農場の多くは女性のオーナーさんが切り盛りしており、「サワディーカー(こんにちは)」と「コップンカー(ありがとうございます)」しか話せない私たちにも笑顔で対応してくださり温かい気持ちになりました。繁殖検診の際に農場内の複数頭の乳牛の直腸検査をしてまわる獣医師のあとを追って私も何頭か挑戦してみましたが発情徴候が明確な牛では子宮の収縮を直腸越しに感じることができても、卵巣の評価は直腸検査の経験が浅い私には難しかったです。本学の生産動物の実習やクリニカルローテーションでも直腸検査をする機会はありましたが自信を持って卵巣を触診できたことはありませんでした。特に日本のホルスタイン種は背丈が高いため手の操作が不安定であったことや大きな牛が唐突に動き回るかもしれないという恐怖心が勝ってしまい十分に集中してできなかったことも挙げられます。タイで訪れた農場の多くは、品種(交雑種)などにもよるかと思いますが、比較的小柄な体つきの乳牛が飼育されているため直腸検査自体はやりやすいと感じました。

 

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薬の投与を行うために胸囲を測定し体重を確認している様子

検診の他にも往診先では様々な症例に出会いました。創傷性第二胃・腹膜炎疑いの牛、乳房炎と肺炎を併発して沈鬱な様子の牛、両後肢が麻痺していて立ち上がれないダウナー牛症候群疑いの牛、片方の眼の周りが大きく腫脹して顔が左右不対象になってしまった牛などがいました。検査をしても原因不明であったり、オーナーさんに話を伺っても経過が曖昧であったり、経済的な理由などから対策が難しい場合もある中でいかにその農場の方針に寄り添って治療・対策案を提案できるかが獣医師の腕の見せどころなのだと思いました。タイ語はさっぱりわかりませんが、どの獣医師もオーナーさんとたくさんの言葉を交わし、対話を大切にしている印象が強かったです。後日タイの学生に聞いた話ですが、Bovine unitの獣医師はコミュニケーションスキルが高く、オーナーさんが不安にならないように丁寧に説明をするため、立ち振舞から話し方に憧れるのだそうです。目指すべき理想の人が近くの存在だと言えるのは素敵な話だと思いました。目指したい存在というと、私は病院獣医師の一人であるミチ先生という小柄な女性獣医師に刺激を受けました。常に明るくパワフルな人であり、力仕事も一人でそつなくこなしていて誰もがその人柄とたくましさに心打たれるであろうと思います。
そんなミチ先生(私たちは敬意を込めてピー・ミチと呼んでいます)に連れられ、半日かけて100匹以上の羊の採血しに行った日は1週間の中で最も濃い、物理的にも密な時間でした。ブルセラ症の検査を行うために手分けをして一人で20匹ほどを採血を担当しました。はじめこそ手間取りましたが、終わりがけには全員がスムーズに採血を終えることができ、自分自身でも成長を感じられました。その日のお昼ごはんは特段美味しく感じました。

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ピー・ミチとの記念写真

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皆で手分けをして羊の採血をしました

ほとんどの日の午後は病院内で見学をさせてもらいました。水牛の難産介助や雄牛の陰茎を腹側に転移させる手術、水牛の脱腸の整復手術など興味深い手術を間近で見学しました。執刀医の近くで見学できたので術中にわからないことがあればその都度周りの先生方に質問をして理解を深めることができました。個人的には脱腸の整復の前に行った腹壁と膀胱を縫い付けて尿を排出させるプロセスが興味深いと感じました。脱腸の根本的な原因が尿管結石による排尿障害と疑われていたためこの手術を優先させたのだと後から聞きました。膀胱が呼吸(腹圧)に合わせてポコッポコッと動き回る中で執刀医が器用にタイミングを見計らって腹壁に丁寧に縫い付けていた様子が記憶に鮮明に残っています。手術が終わった際に術創を確認し、術後管理や入院の有無について気になって尋ねようとしたところ、農家さんがVTさんとともに水牛を車の荷台にひょいと乗せて瞬く間に去って行ってしまいました。タイでは車の荷台に動物が乗っている様子をよく見かけます。牛や水牛はもちろん、馬も乗せられていることもあります。見慣れない光景なので今でも驚きますが、意外にもうまくいくようで面白いです。一度車の助手席に手術後の羊が担いで乗せられているのを見たことがあります。これらのワイルドなスタイル、私は結構好きです。タイではときにこのような驚くような場面に遭遇することがありますが、日本と単純に比較して良し悪しを決めつけるのではなく、その国その土地での習わしや独自の文化があることを知るのが大切だと思いました。人も動物も怪我のないようにだけ気をつけてほしいです。

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難産の水牛です。胎仔の胎位を確認させてもらうと、尾と後肢(飛節)が触れました

色々なことを考えるチャンスが与えられた週であったと振り返ってみて感じました。貴重な体験をさせていただき、一周目にして実りのある時間となりました。

第2週:Equine

Equine(馬医療)は私が最も楽しみにしていた週です。この週は北海道大学の2名、ハンガリーから1名、そしてマレーシアから来た2名の学生と合流して3つのグループを組みました。マレーシアから来た二人は馬の獣医師を目指しており、馬が好きだという共通の話題ですぐに打ち解けました。タイの学生だけでなく、他の大学や他の国の獣医学生と交流できる機会に恵まれてとても嬉しかったです。
金曜日に合同で入院中の馬の症例発表をする予定であったため、月曜日ははじめにEquine clinicの獣医師に入院馬房へ案内してもらい、一頭ずつ既往歴や治療方針、術後の管理などについて説明を受けました。馬だけでなく、ポニーとロバも合わせて15頭ほどいました。グループごとに担当馬が決められ、その子の身体検査を1週間の間に毎日行って記録を取り、治療が必要な馬については担当の病院獣医師から説明を受けてその補助に回ることになりました。
オリエンテーションを終えて担当の発表がされるを心待ちにしていると、まさかの「ロバの担当」を指名され大変驚きました。他の2グループが先に馬の担当が決まっていたこともあり、てっきり、というよりも当然のことながら私も馬の担当なのだと思い込んでいたので聞いた直後は想定外のことに思考が一瞬停止していました。結果的には1週間の間に担当症例以外の補助に入る機会や検査・治療を間近で見学できる機会がたくさんあったので当初の、「馬の治療を見学できないかもしれない!」という心配をする必要はまったくありませんでした。よくよく考えるとロバを扱う機会はあとにも先にも少ないと思うのでありがたいチャンスだったのだと感謝しています。

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ベル先生とEquine clinicの前で記念の1枚
素敵な先生でした

担当になったのはミニロバであり、難産の介助の際に産道が傷ついてしまい治療を受けている最中の子でした。毎朝私のグループは一緒に身体検査を行い、病院獣医師が子宮洗浄を行うのを見学して経過を記録しました。初日よりも最終日には膿の貯留や異臭が軽減されており治療効果が短期間でも見られたことに感激しました。とても愛らしいミニロバであり、はじめは耳をぐっと伏せて動きが緩慢でしたが、症状が改善されていくに連れて徐々に抵抗を見せるようになり安心しました。体格は馬に比べて遥かに小柄でしたが、頑固な性格で先生方を困らせることが多々ありました。特に薬の投与で毎朝苦戦していたように思います。ロバは一般的に馬よりも首の周りの筋肉が発達していて、太くがっしりしているようです。また、薬を血管内に投与する際に用いられる頚静脈が見えにくい(探しにくい)ことが特徴なのだと教わりました。それらに加え担当の子はじっとしていられないことから本来よりも大掛かりな作業になってしまったのだと思います。小さな体で数人を振り回すほどロバの扱いは難しいのだと今回の経験から初めて知りました。彼女の症状や経過、治療方針について先生に尋ねたり追加で詳しく調べたりしてプレゼンテーションの準備を進めました。さらに、原因となった難産について馬での例を参考にしながら考察を行い自分の勉強のためにもたくさんの時間使って担当の子と向き合うことができました。新鮮で充実した経験となり大変貴重な時間となりました。

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ミニロバと私

入院馬の検査や手入れを終えたあとは外来の見学もしくは往診に随行しました。出会った症例はどれも興味深く、ぜひ詳細について述べたいところですがここでは一部にのみ焦点を当てます。
外来では眼の疾患や蹄病、運動器疾患などの治療の見学をしました。雨季に特に問題となる蹄の感染症を患った馬や寺院で大切な儀式に使われる馬など特殊な症例や使用用途の馬にも出会いました。個人的にはインド原産のマルワリ種という特徴的なハート型の耳をした馬に出会えたことが一番感動した思い出です。前回の留学で世界の馬の品種について学んだ際に最も印象に残っていた品種であり、インド映画に登場する馬としても知っていたため本物に出会えて嬉しかったです。言葉で上手く説明できませんが、本当に本当に、美しい馬でした。
往診ではEquine clinicのベル先生と一緒に遠くの牧場へ行き、診断麻酔での跛行の診断や腰痛を患っている馬のレーザー治療を行った日のことが印象深かったです。レーザー治療では炎症部位の痛みを緩和させるために専用の機器で患部に一定の距離から一定の時間でレーザーを当てる必要があり、そのお手伝いをさせてもらいました。機械は少し重たく、腕を高く固定したままだと徐々に痺れてきてしまうため交代しながら行いました。
また、外来のない日には超音波検査を実習馬を用いて練習させてもらったり、隣のBovine unitで牛の開腹手術を見学して馬の外科手術との違いなどを解説してもらいました。馬の直腸検査自体、一度しか経験したことがなかったので集中して先生の指導のもと実施することができて嬉しかったです。牛とは違い、卵巣の触診はとてもわかりやすと感じました。しかし、その直後に超音波検査のプローブを持って卵巣を描出しようとしたところ、想像以上に時間がかかってしまい操作も難しく片方しか描出できませんでした。悔しかったのでまたの機会に挑戦してみたいです。

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直腸検査をさせてもらいました

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超音波検査で子宮と卵巣の評価をしました

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レーザー治療の手伝いをしました

症例発表の日は先生方や他のグループから発表した内容に関する質問や鋭い指摘をいくつか受けました。適切に答えることができず勉強不足であることを痛感しました。全体を通して発表自体は上手くまとめられたと思うのでそれに関しては力を十分に発揮できたと自分を評価したいです。馬だけでなくロバに関する知識を身につけるとともに馬の臨床獣医師の魅力を改めて知り、先生方から直接お話を聞くことができたことが何よりもありがたいことだと感じました。馬の獣医師のかっこよさを身近で知ることができ益々勉強に対するモチベーションが上がりました。

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往診車のロゴが気に入っています

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アット先生とカニタ先生にお世話になりました

第3週:Bovine(ノンホーの動物病院)

月曜日から泊りがけでノンホーの動物病院に研修に行きました。ここではひたすら繁殖検診のために直腸検査をさせてもらいました。最初の週ではわからなかった卵巣の触診はこちらで訪れた農場の牛でたくさん経験をして少しコツが掴めるようになり、全てではないですが、検査をした牛の卵巣のどちらか片方は触れて認識できるまでに成長しました。
ノンホーでは農場に行く度に病院獣医師からタイの気候や季節の変化、この国の農家さんの間で一般的に浸透している考え方(獣医学的にはあまり推奨されないものを含む)、入手できる餌の種類などを考慮して身体検査(体温、心拍数など)や感染症の流行の把握、使用できる薬剤や栄養状態の評価を行うよう伝えられました。これは臨床のすべてが教科書に当てはまるわけではないということと、日本でのあり方、タイでのあり方の違いを踏まえて考察し、診断・治療につなげるよう意識するべきということだと受け取りました。
また、必要な器具が手元にない場合にはどのように対処するかという話を振られた際に、制限のある条件の中で代替的な方法で対応できるスキルを身に着けておくことはタイにも日本にも共通して獣医師として大きな強みになると感じました。実際の臨床現場に立たないとわからないことのほうが多いかと思いますが、いざ自分自身が現場に出た際にこのことを意識するようにしたいと思いました。
3日間の研修でしたが先生方から臨床現場での現実的な話、先生方にとっての挑戦や課題であると感じることなど多岐にわたる話題について話を聞くことができてよかったです。

第4、5週:Aquatic

2週間連続で参加したこの授業は各週で金魚とエビの養殖について学びました。タイの学生との初めての授業であったためはじめこそ緊張しましたが、全員が明るく親切に接してくれたのですぐに仲良くなれました。英語で名札を作ってくれたので初日から全員の名前を覚えることができ、このような素敵な配慮に感激しました。本学に留学生が来た際にも同じようにしたいと思いました。
1週目は金魚の養殖について水質管理から飼養密度までの細かい内容について一通り教わったあとに実際の金魚の養殖場で調査を行いました。学生が主体となって準備から検査方法の考案、剖検、診断までを協力して行い内容をまとめて最終日に発表をしました。
金魚の剖検をしたり、臓器の細菌検査をしたり、ウェットマウント標本(エラとヒレ、体表粘液を採取)を作製するなど初めて経験することばかりでしたがどれも先生方や主に周りのタイの学生が丁寧にわかりやすく教えてくれたので勉強になりました。金魚の他にもその週にはワニや大きなカメ、腫瘍のある観賞魚など興味深い症例の剖検をする機会がありました。
プレゼンテーションのやり方に関してはAquaticの先生独自の方針に沿って行われました。発表の最中であっても各スライドに対して先生方から鋭い質問が飛び交い、その都度ディスカッションをして解決したら再開できるというスタイルで行われました。途中で剖検が急遽入ったため一度中断しましたが、合計で6時間と驚きの長期戦でした。タイの学生の学習意欲の高さと積極性は見習わなくてはならないと心から思いました。

2週目はティラピアやエビの養殖について学び、実際の養殖場を訪れました。すべてが新しい経験なのでこの週での学びも前の週と同様に新鮮に感じました。わからないことばかりで不安でしたがこちらでも先生や周りのタイの学生が助けてくれました。養殖場ではティラピアから採血をする機会があり、8匹ほどのティラピアを担当しました。皆で楽しく協力し合えたことが良い思い出になりました。
金魚の週に水質管理について学びましたが、同じ養殖でも扱う対象が変わればすべての条件が異なるためまたはじめからエビに関して勉強をし直す必要があり、図書館の本を参考にしながらプレゼンテーションの準備をしました。剖検はティラピアやエビ、スネークスキングラミーという天日干しにして食べると美味しいと噂の魚を対象に行いました。プレゼンテーションでは2つの養殖場でのそれぞれの問題点を挙げ、改善策について詳しく発表しました。私は本学の派遣生の一人の葉山さんと一緒に水質検査で見つかった問題点について調べて発表しました。質問に答えるだけでなく、私たちが理解できていなかった点について解説してもらえたのでとてもありがたい時間でした。もう少し魚について詳しく勉強し、魚病学の知識を増やしたいと思うような2週間でした。また、タイの友達全員の優しさに包まれた幸せなひとときでした。

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金魚の養殖場でタイの学生と一緒に水質検査をしました

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葉山さんと一緒にペアになって行いました

2023年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月・10月報告書(砂﨑さん)

ティラピアのワクチンを餌に混ぜている様子
タイの学生と一緒にグループになれて最高の思い出になりました

次回の報告書では日常生活や週末の過ごし方、引き続き授業の内容などについて紹介する予定です。これを持ちまして今月の報告とします。ありがとうございました。