2023年度 タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月・10月報告書(岡本さん)

掲載日:2023.12.06

タイ・カセサート大学単位互換プログラム
月末報告書(9,10月)

獣医学群獣医学類5年 岡本いぶき (Ibuki Okamoto)

タイでの留学生活が始まって早くも約1ヶ月が経ちます。正直あまりにもあっという間すぎて戸惑っていますが、もう既にこのプログラムに参加することができて良かったと心から思っています。今回は、秒速で過ぎ去っていった私達の最初の1ヶ月について紹介します。

タイでの授業について

1週目はLarge animalの授業でした。私達は2つのグループに分かれてKamphaeng saen(以下KPS)キャンパス近隣の農家さんの元へ毎日往診に向かいました。タイの農場の印象として、牛だけの農場はあまりなく、他の動物(犬や猫、鶏)が牛床内にて当たり前のように牛と共存しています。直腸検査をしている私達のそばを鶏が通り過ぎた時は驚きました。往診随行以外でも、Kasetsart University(以下KU)の病院には多くの動物が運ばれてきます。バッファローの難産介助や子牛の精巣変位術など、日本では経験することのない症例も多く見学することができました。またブルセラ症の検査の為、5人全員で100頭以上の羊の採血を行うという貴重な経験もさせていただきました。私のグループはピーミチ(タイでは年下の人が年上の人を呼ぶときに、敬称として名前やニックネームの前にP’を付けます。)という女性獣医師と常に一緒だったのですが、いつも冗談を言って笑わせてくれる彼女のおかげで、毎日がとても楽しかったです。往診帰りにタピオカミルクティーのお店に連れていってもらい注文した際に、ミスコミュニケーションが発生しました。(笑)私が自分のドリンクを受け取りお金を払おうとした時に、ピーミチに「みんなの分が来てからまとめて払うよ」と言われたので「OKOK〜」と伝えお財布をしまったのですが、実際にはピーミチは、「私がみんなの分をまとめて支払うよ」と言ってくれていたのです。なんとも図々しく当たり前に奢られる人になってしまっていました(その後しっかりとお礼を伝えさせていただきました。とても美味しかったです。Thank you P’michi!)。

2週目はEquineについての授業でした。KUのEquine clinicの診療のレベルは本当に高く、入院馬の管理・治療や往診随行、馬の直腸検査、超音波検査、レーザー治療や跛行評価の為の診断麻酔などを見学、経験することができ、非常に実践的な実習となりました。詳しくは、誰よりもこの週を待ち望んでいた砂崎香恋さんの報告書を参照いただければと思います (宣伝掲載許可取得済み)(香恋よろしく)。またこの週は留学生として、ハンガリーから1人、マレーシアから2人、合わせて3人の獣医学生と一緒だったのですが、皆優しく優秀で、和気藹々と実習を行うことが出来ました。また会いたいです。

3週目は、Nhong phoという場所にある動物病院に移動して大動物実習を行いました。ここでは主に往診に随行しました。タイに来て直腸検査をする機会がこれほど多いとは思っていなかったのですが、そのおかげでかなり感覚をつかめるようになりました。分かりやすく説明してくださった先生方はもちろん、根気強く教えてくれた留希(動物生殖学ユニット所属)に感謝感激雨あられです。コップンカー(タイ語でありがとう)!ちなみに、Nhong phoの寮はKPSの寮と比べると大分簡易的であったため色々と鍛えられました。今後どこへ行っても生きていける気がします。

4,5週目は、2週に渡ってAquaticを学びました。KUでは6年生約120人が6つのグループに分かれて、1年間のクリニカルローテーションを行っています。私達はグループ2の学生と一緒に授業を受けました。ここまで留学生だけで授業を受けてきたため、今回が初めてのKUの学生との授業で、本当に楽しかったです。私達は2つのグループに分かれて、1週間ずつgold fish(金魚)とshrimp (海老)ついて学びました。一年を通して温暖な気候のタイは、日本と比べて金魚の成長速度が速く効率よく出荷できるそうです。それぞれの主な疾病から、水質や餌、飼養形態や感染症対策まで、幅広く学ぶことができました。一緒に授業を受けたグループ2のメンバーは、授業はもちろん、ディスカッションの際も私達が理解できるまで何度も噛み砕いて通訳・説明をしてくれました。こんなにも楽しく、でもしっかりとAquaticに関して学ぶことが出来たのは、ひとえに優しく面白いグループ2のみんなのおかげです。また、タイの授業を受けていて感じるのが、プレゼンテーションの重要性です。プレゼンテーションを作る過程で生まれる疑問を掘り下げていくことで、テーマに対する自分の理解が深まるとともに、今まで学んできた知識を元に答えを探していく論理的思考力が身につきます。また、先生方や同級生からの質問を受けることで、自分では気づかなかった新たな視点や考え方に触れることも出来ます。私はプレゼンテーションを通し、授業での学びが自らの知識としてより確実に身に付いていると実感できたのはもちろんですが、同時に、クラスメイトとの対話を重ねながら学びを深めていくということの楽しさを知ることもできたと思います。

タイでの生活について

タイでの食事は、学内のセブンイレブンか、毎週月曜日と水曜日に開かれる学内のマーケット、もしくは学食で食べています。タイの学生と一緒に授業を受けている時などは、いつも「今日はご飯どうする?」と聞いてくれ、毎日色々なマーケットやレストランに連れて行ってもらいました。タイ料理は本当に美味しくて、特に辛いものが大好きな私には天国のようです。既にガパオライスとスイカスムージー中毒になりつつある私は、毎食ガパオライスを食べ、マーケットに行く度にスイカスムージーを飲んでいます。全く飽きません。また、カオソイ(ココナッツミルク入りの​​​​揚げカレーラーメン)やロティ(タイ風クレープ)など、日本に帰ってからも食べたくなるような美味しい食べ物だらけで毎日とても幸せです。そのため、今のところ日本料理はあまり恋しく感じていません。強いていうのであれば、大好物の納豆が気軽に食べられないことが少し残念な程度です。ですが、バンコクのデパートに行くと手に入りますし(日本で買うよりは高く、3パック350円くらい)、バンコクにあるスシローで納豆軍艦も食べることが出来たので大丈夫そうです。ガパオライスに納豆トッピングはおすすめです。
週末は主に、友人たちとタイ観光を楽しんでいます。パタヤやサファリワールド、ワットアルーンやチャイナタウンなど、最初の1ヶ月で既に色々な場所に足を運びました。リゾート地として有名なパタヤでは、フェリーでラン島に行きパラセーリングなどのマリンスポーツを楽しみ、サファリパークではトラの赤ちゃんと写真を撮ったり、動物に餌をあげたりしました。パッキングやタイ語でのコミュニケーションの上達と同時に、友達との楽しい思い出が増えています。観光以外でも、タイの友達とバトミントンをしたりハングアウトしたりと毎週楽しく過ごしています。
タイで過ごす毎日はとても充実していて、あっという間に時間が過ぎていきます。一つも無駄にしないよう、残り2ヶ月も色々なことに挑戦し、より多くのことを学んで持ち帰る留学としたいです。

2023年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月・10月報告書(岡本さん)

サファリパークでは色々な動物に餌をあげることが出来ました。キリンに触れるのは初めてでしたがとても愛らしかったです。

2023年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月・10月報告書(岡本さん)

レストランに行った帰りにひどい土砂降りで傘を持っていなかった私たちが困り果てていたところ、困っていたところお店の方がまさかの傘(パラソル)を貸してくれました。
持ってくれたのは北海道大学から一緒に留学に来ている友達です。ありがとう!笑

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Aquaticの授業内で初めてティラピアの剖検を行いました。初めてにしてはなかなか上手なのでは?と思っています。

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Equineで私たちが担当したロバ
キュートな舌がポイントです。

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上:Equine clinicの往診の帰りに、大好きなベル先生がおしゃれなカフェに連れて行ってくれた時の1枚。タイティーはびっくりするくらい甘いです。笑
下:Large animalの実習終わりにピーミチと。実習が終わった後もマーケットで会った時に声をかけてくれたり色々食べ物をプレゼントしてくれたりと、本当に優しいです。

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左:不定期で学内に現れるココナッツアイス屋さん。美味しすぎて見つけるたびに買っています。毎日確実に買えるわけではなく、いつ来るかわからないのもまた一興。
右:愛してやまないスイカスムージー。もうすでに10回以上は飲んでいます。どこのお店が一番美味しいのか、日々マーケットで新しいお店を開拓中です。あと日本に帰ったらミキサーを買おうと決意しました。

2023年度	タイ・カセサート大学単位互換プログラム 9月・10月報告書(岡本さん)

タイ料理色々
左上:ガーリックシュリンプ。タイ料理のガーリックはガツンときます。最高に美味しいです。
左下:タイのエッグヌードル。10種類以上ヌードルを食べていますが、お店によって色々な味があって楽しいです。
右上:ムーサテ。カレー粉とココナッツミルクで作られた豚串。色々な屋台で食べることが出来ますが、チャイナタウンのお店が今の所1番美味しかったです。20本は余裕だと思います。
右下:ガパオライス。タイのガパオライスは日本のガパオライスとは少し違っているのですが本当に飽きません。冗談抜きで毎日食べています。KUの学生にも笑われるくらいです。

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難産で帝王切開を行った牛を車に乗せるために皆で引っ張りました(まさかの人力)。
反対側ではタイの学生が引っ張っています。タイVS日本の綱引き勝負が始まったかと思いました。

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タイのしゃぶしゃぶ!KUの学生が連れて行ってくれました!250バーツで食べ放題です。クラゲも食べられます。