フィンドレー大学 ベーシック・アニマルハンドリングプログラム2022報告書(中尾さん)
掲載日:2023.10.31
フィンドレー大学
ベーシック・アニマルハンドリングプログラム報告書
獣医学類5年 中尾梨乃
はじめに
今回、私は春休みの期間を利用して、このプログラムに参加しました。高校留学の経験を経て大学でも留学をしてみたいと考えたことや普段学ぶ機会が少ない馬について詳しく学ぶことができるということ、普段から産業動物に触れる機会がある中で、海外と日本の獣医療の違いや獣医学教育の違いなどを知り、実際に経験してみたいと考え、参加することに決めました。
Western FarmとEnglish Farm
毎朝6時半に出発するバスに乗り、月・水・金曜日はWestern Farmに、火・木曜日はEnglish Farmに行きました。そこでは毎日異なる学生とペアを組み、給餌、掃除、乗馬の準備等を一緒に行いました。生徒たちが乗馬をしている間、 Western Farmでは注射やホルダーの付け方、馬の扱い方、馬の種類について学び、English Farmではペアの子のレッスンやジャンプの見学をしました。歯の治療や削蹄、乗馬も体験することができ、とてもいい経験になりました。
Animal Science
午後はDr.Kernsの授業を2つ受講しました。1つ目はEquineという馬に関する授業で、採血やバンテージの巻き方、注射について学びました。2つ目はFood Animalsという生産動物に関する授業で、去勢、除角、断尾、断歯、耳標・耳刻の付け方について学びました。私は産業動物外科学ユニットに所属し、また大学の農場において中小家畜を扱うバイトをしているため、これらのことをすでに経験していましたが、日本とアメリカでは使用する器具ややり方が違う所も多く、とても勉強になりました。
その他
最初の週の土日は5月に酪農学園大学に来る予定のSierraの家にホームステイをしました。Ohio State University に連れて行ってもらい、日本の大学とは全く違った雰囲気や規模を味わうことが出来ました。また、Bridge Parkで夕ご飯を食べた後、アイス屋さんでBlue moonというアメリカの子供に定番のアイスに挑戦し、とてもいい思い出になりました。
また、Toledo Zooではバックヤードツアーをし、動物園専属の獣医師から様々な話を聞くことができました。動物園には水族館も併設されており、バックヤードツアーでは展示方法、水質・魚の管理方法などの話を聞くことができました。
障害を持つ人たちへのホースセラピーを行っているChallenged Championsでボランティアをする機会もありました。私は耳が聞こえない女の子を担当し、ジェスチャーを使用したり、分かりやすいように大きく口を開けて話すことを意識しながら自分なりに工夫しながらサポートすることができました。人と動物の繋がりを改めて感じることができた良い機会になりました。馬の保護を行うEquine Rescue Center、保護された犬猫の譲渡施設である Humane Societyでは、虐待は人にだけあることではないということを改めて認識することができました。
他にも現地の動物病院に行き、そこで実際に働いている獣医師の話を聞いたり、ジャージー牛の農家に見学にいきました。
感想
毎日がとてもハードスケジュールでしたが、日本ではなかなか経験できないことができ、また多くのことを学ぶことができた3週間でした。目的としていた、海外と日本の獣医療の違いや獣医学教育の違いなどを知ることや実際に経験することができ、このプログラムに参加して良かったなと感じました。また、普段学ぶ機会が少ない馬についても馬の扱い方から乗り方まで学ぶことができ、自分でも馬についてもっと詳しく勉強してみようと思いました。私は将来産業動物獣医師として働く中でこのプログラムで経験したことを十分に生かすことができるよう日々努力していきたいです。