フィンドレー大学ベケット奨学生報告書:2月

掲載日:2023.03.13

みなさんこんにちは。
獣医学類2年の加藤みゆなです。

オハイオでは寒暖差がかなり激しく、平な土地のため、強風に煽られる日も少なくありません。今日の最高気温は0度だけれども、明日の最高気温は12度だということがよくあります。このように気温差の激しく風の強いオハイオではその天候に対して” Calm down Ohio.” と言うようです。「落ち着けよ、オハイオ」という意味です。友達が言っていて面白いなと感じたので紹介させてもらいました。

フィンドレー大学ベケット奨学生報告書:2月

木の葉を抱えるリス

今回も少しだけコスタリカについて話した後に今月のフィンドレーの様子をお届けしようと思います。

コスタリカの中でも一番印象に残っているのは Atenasに位置するオーガニックコーヒー農園にてコーヒーツアーに参加したことです。案内してくれたガブリエルさんは英語がとても堪能でツアーを通して環境問題や自分の消費行動について深く考えさせられました。

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1番右に位置するのが コーヒー豆の素となるコーヒー実です。一番左側がみなさんが見慣れているであろうコーヒー豆です。

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コーヒーの実です。甘かったです。

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オーガニックのため、様々な植物が生えている森の中で育てています

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コーヒー豆を天日干ししている様子

まずコーヒー農園ではなく、森の中にコーヒーの実がなる木を植えていることに大変驚いたと同時に、多様性の大切さを学びました。様々な植物が生えているからこそ使う肥料の量も減らせ、獣害も防ぐことができるそうです。また、コーヒー農家の一番の天敵はフルーツバットだそうです。
次に、1カップのコーヒを作るのに100Lもの水を使っていること、コーヒーの実の0.01%しか飲んでいないことなど環境問題に関してのお話を聞きました。またオーガニック製品と謳っていても、事前に知らされた日程で監察官が見に来るときだけ気をつけている企業もあるから自分が食べているものが実はどこからきてどのように育っているのか、よく疑問を持って欲しい。買うことはその商品を作っている農家、企業をサポートしていることになるからよく考えて商品を買って欲しいと話すガブリエルさんの言葉には実際に農業を営んでいるため、とても説得力がありました。

農場は需要がある仕事なのに儲からないからみんななりたがらないよね。健康は失ってから考え出すけどそれまでに多くの人はお金を稼ぐことが大事だと思っているよね、とかなり辛口のジョークも交えてお話しされていました。

コーヒーは環境に悪いから辞めようと呼びかけるのではなく、そうは言っても美味しいからなかなかやめられないよね。そんな中でもなるべく環境に優しいもの、体に良いものを選んで買うことでより良い商品がたくさんつくられる世の中になるといいねと現実的な目線で社会をより良い方向に改善できるようにお話しされていたのが大変印象的でした。

コスタリカでネイティブに近い英語を話し、尚且つ道徳的な深い授業をしているガブリエルさんに深く感銘を受けました。彼がコーヒーにどれだけ真摯に向き合っているのかがよく伝わってきましたし、将来獣医師になる者として、環境、獣害、農業においてとても大切なことを学んだと感じています。帰りのバスの中では参加したみんながとても満足していましたし、大切なことを考えさせられたと話していました。帰って家族と環境問題についてもう一度考えてみたいと話す友達もいました。

3ヶ月間にわたってコスタリカでの出来事をたくさん書かせていただきました。
楽しみながら少しでも何かを学んでいただけたらとても嬉しいです。

2月中旬にはまたみんなと会う機会があり、久しぶりにコスタリカに行ったメンバーで集合できてとても嬉しかったです。

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他の国に留学に行っていたり、遠くに住んでいるため参加できないメンバーもいましたが、大多数のメンバーは集まることができたのでとても嬉しかったです。

さて、フィンドレーの様子に話を変えて、次にEquine handlingの授業の様子を紹介します。
この授業では馬の体温の測り方、足裏の掃除の仕方、心音や呼吸音の聞き方、目のチェックの仕方など、馬の診療に関することを学んでいます。また、馬の種類の名前や毛の色の決め方なども習っています。
初めは馬に手綱をつけるだけでも緊張して体がこわばっていましたが、同じ班の馬に慣れている子達にアドバイスをもらえたおかげで最近はかなりリラックスして馬と接することができるようになったと感じています。また、ベテランの先生にも「最初はあなたが緊張していたから馬も緊張していたけど最近はあなたも馬もリラックスできているね。」声をかけてもらえたのがとても嬉しかったです。フィンドレーに来る前は馬の獣医師になりたいと感じたことはほとんどなかったのですが、このハンドリングの授業を通して馬の可愛さと愛おしさに気づくことができ、馬の獣医師になりたいと思う人が多い気持ちがよくわかりました。

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とても優しかった馬と一枚。お気に入りの写真です。

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馬の足の裏はこんな感じです。

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授業で先生が紹介していたEnterolithと呼ばれるものです。
馬房に落ちているクリップや、干し草をまとめているビニールテープを馬が誤って食べてしまうことから、それが素となってミネラルが腸の中で固まっていきこのような巨大な石を形成します。左の写真は先生のenterolithコレクションの中でも最も大きい石を中が見えるように切断したものです。

reproduction and physiologyの授業では週2回の授業のほかに、週1回bard dutyというものが課せられます。朝早くか夕方に実際に農場に行き、牛、羊、山羊、豚の餌やりや、掃除を行います。また毎回小テストがあり、前期にanimal handlingで習ったこと(縄の結び方や、羊の保定の仕方など)に加え、牛と羊の飼料の違いや、水場の掃除の仕方など、様々なことが聞かれます。
私は毎週木曜日に朝7時からのbarn dutyに参加しています。寒い冬の早起きはかなり大変ですが、実際に行った後は毎回楽しかったなと感じます。私は大動物と触れ合った経験が少ないため、周りの人にかなり助けられながら仕事をこなしています。聞いてみると手際の良いほとんどの人が家で家畜を飼っていたり、4Hというクラブに入っていた経験があることがわかりました。
4Hとは、動物や農業に関わることを学ぶアメリカ合衆国農務省の管轄下にあるクラブのことです。経験豊富な人々に囲まれて助けてもらったおかげで、2ヶ月経ってようやく仕事にも慣れてきました。しかし、動物の扱い方においてまだまだだなと感じることも多いです。

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眠っている豚

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子羊がたくさんいます

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早起きして働いた後の朝日は格別です。

また大学の reptile club(爬虫類クラブ)が外部から爬虫類を受け入れ、展示するイベントを開催すると友達から聞きつけたので参加しました。直前までテストを受けていたため、開催終了の10分前に滑り込みでの参加となりが、久々に爬虫類と触れ合うことができてとても楽しかったです。

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ヒョウモントカゲモドキです。
生息地が砂漠であるため、尾に栄養を蓄えることができるそうです。また、尾を切り離して天敵から逃げることもできます。

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merauke blue tongue skinkです。和名はヒガシアオジタトカゲであると思われます。

また今月は異文化交流のため、ソーラン節を二ヶ所で踊りました。アメリカに来て初めてソーラン節を覚えたため、四苦八苦しながらみんなで覚えたのは良い思い出です。
まずはフィンドレー高校にて行われた小学生向けの異文化交流のイベントで発表しました。大勢の親御さんの前で精一杯踊り、終わった後にさっきの踊りかっこよかったよと声をかけてもらえて嬉しかったです。
2回目は2月21日のinternational mother language dayを記念して行われた大学でのイベントで発表しました。International mother language day はUnited nations(国際連合)に認定されている日で、母国語に基づいた多言語教育を推奨することを目的として認定されました。フィンドレー大学にて教鞭を取っている川村先生もかつてバングラデシュの留学生からこのことを聞き、毎年イベントを開催するに至ったそうです。

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小学生の前でソーラン節を踊っている様子

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大学でイベントが終わった後にみんなで取った写真

2月25日から3月2日までは、春休みを利用してpre-vet clubが主催する獣医大学を巡るspring tripに参加しました。かなり長くなってしまったのでその様子は次回の報告書でお届けできたらなと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
また次回お会いしましょう!