2022年度 タイ・カセサート大学単位互換プログラム 12月報告書(鎌塚さん)
掲載日:2023.01.24
カセサート大学交換留学 月末報告 12月分
獣医学群獣医学類5年 鎌塚 龍生(Ryusei Kamazuka)
授業は11月末の週に引き続きLarge animalでした。Dr.SmithとDr.Earth、Dr.Miji、Prof.Nuiの4人に主に指導して頂きました。この2週間は学内の入院動物の処置や、大学に連れてこられた牛や山羊の診療、Kamphaeng saen (以下KPS)キャンパスの周辺にある農家さんのところや学内実習農場への往診随行などをしました。大学附属病院には1日に何件も動物が運ばれてきており、担当の先生が淡々と仕事をこなしていました。山羊の難産や流産の症例が多いように思えました。往診随行では産前のダウナーやアシドーシスなどの症例が多いように思えました。やはりタイでの家畜の飼育は暑熱ストレスや低栄養の食餌管理との戦いで、それに伴い、前述のような症例が多くなってしまいます。品種を混ぜたりと対策はしているものの、これらの問題をどう克服するのかが農家さんや獣医師の一番の難題でした。また、直腸検査を農家さんのもとでやらせていただく機会や学内実習農場での直腸検査、尾椎硬膜外麻酔をする機会を設けてもらい、生産医療に関する診療の練習を重ねることができました。学内実習農場では4年生が実習をしていましたが、学生に対する先生の数が多く、手厚い指導を受けられていることや、実習用動物が多く、学生が使用できる動物が多いので未経験で終わることが少ないことなどが日本と違う点で驚きました。あれだけ実習ができれば専門的なゼミに入らなくても現場に出て即戦力となることができると感じ、カセサートの強みを直に感じました。さらに、大学が運営する牛肉の試験農場では清掃後の糞尿からメタンガスを生成することでエネルギー源としたり、堆肥をミミズに分解させ、質の良い土を作ったり、寄生虫対策を考えた放牧ローテーションなど、色々考えられており、まさに『ワンヘルス』な取り組みをしていました。お金もしっかり作れます(笑)。ちなみにこの農場のお肉は学内のステーキ屋さんで食べることができ、留学生がおいしくいただきました。Large animalの先生方もみんな優しく、丁寧に教えてくれました。特にDr.Mijiはおもろかったです。
12月1〜10日にはカセサートフェスティバルというとても大きな学祭が開かれており、毎日 、人でごったがえしていました。このフェスティバルでは農業大学らしく牛の品評会や農業機械の展示などが行われており、とても楽しかったです。
12月の最終週には6年生と共にエラワン国立公園でキャンプをしました。ここは7段のフロアがある1.5kmほどの長さの滝が有名で、なんとその滝や川の中で泳ぐことができます。キャンプをするにあたり、タイの学生に親子丼を作りました。最初は6年生は真面目な雰囲気を感じていましたが、やはり同じ釜の飯を食うと一段と仲良くなれます。この6年生たちは最終日に空港まで送りに来てくれるほど仲良くなりました。
今回の留学を通して、大陸の国タイの獣医学的な現状、課題などを知ることができました。また、さまざまな点で正常な国である日本に帰国するにあたり、検疫の意義などを考える機会になりました。しかしながら、英語力と獣医学的知識の少なさのために得られなかった、あるいは得るのに苦労したものもあったためこれらを今後の課題とし、英語力と国家試験範囲だけではない獣医学を積極的に学んでいこうと決意しました。個人的には語学に関して、下級生のうちに1年留学していたら良かったと思ました。獣医学に関して言えばある程度知識を蓄えた上で、留学するといいと思いました。3ヶ月は少し物足りない気もしたので、今後は6ヶ月のカセサート交換留学プログラムができるといいですね。
3ヶ月という期間はあっという間で、帰国した今、全てが夢のようにかつ昨日のように思えます。タイの人々は雰囲気がなごやかで明るい人が多く、タイという国が大好きになりました。たくさん友達ができたし、いろんな考え方に触れることができました。この留学プログラムを後輩に強くおすすめして締めたいと思います。
[以降このプログラムで留学する人へ]
日本のお土産はたくさん持っていくと吉です。服は荷物になりますし、検疫上捨てる服もあるので現地で買うといいと思います。KPSではたいていのものは現地で買えます。ニンテンドースイッチは要らないです。トランプはあってもいいです。