海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)9月 植野耕史さん

掲載日:2022.10.15

海外農業研修

循環農学類(2019年度卒) 植野耕史(Yasufumi Ueno)

農場研修終了まで残り1週間となりました。振り返ると長いようであっという間の14ヶ月でした。実習が始まった当初は仕事の内容もわからず、英語での意思疎通も上手くできずに非常にストレスフルな時間でしたが、徐々に成長し、自ら積極的に同僚と話したり、仕事だけでなくプライベートでも一緒に過ごしたりと楽しい日々でした。年齢や性別、そして人種が異なる人と交流することは自分に多くの価値観や経験をもたらし、今後の人生の選択肢を増やすためにも必要なことであったと感じます。

仕事でも徐々にできることが増え、今月は生産や出荷部門だけでなく、オフィスでの簡単な業務や販売先のスーパーやレストランへ実際に出向き、製品の状態や管理状況のヒヤリングをおこないました。
このように、顧客のもとに実際に足を運び、状況を確認することはアメリカの生産会社ではほとんど無く、製品を卸売業者に卸したらその後の製品の行方や状態は全くわからずじまいのようです。日本でもそのような生産会社は多いと思いますが、最後に製品を評価するのは消費者であるため、私の研修先のように最後まで製品をトラッキングすることは非常に重要であると気づきました。
実際に行ったスーパーでも消費期限が過ぎた自社製品が陳列してあったり、管理が悪く、見た目が悪いものがあったりと様々な問題に遭遇しました。悪い製品を見た消費者はその後、同じ製品は二度と買わない可能性が高いため、私たちが店舗の責任者と直接話し、改善を促すことで結果的に自社の利益と評判を守ることに繋がります。また、良い商品が並ぶことは各店舗にとっても大きなメリットであり、お互いにとってWin-Winであると思います。さらに、各店舗の売れ行きを直接確認することによって配送量を細かく調整し、ロスを削減することも可能です。

今までこのような生産から消費者のもとに届くまでの一連の流れは大まかなイメージでしかありませんでしたが、1つのビジネスの始まりから終わりまで全てを経験することは、今後の社会人としての仕事にも大いに役立つと思います。

まもなく最後の2ヶ月間の専門学習期間に入ります。これまで学んだことと、将来の仕事に必要な知識を組み合わせて有意義な時間となるようにしっかりと取り組んでいきたいです。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)9月 植野耕史さん

スーパーでのマーケティング調査