海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)9月 高島あゆみさん
掲載日:2022.10.15
環境共生学類(2021年度卒) 高島あゆみ(Ayumi Takashima)
農場に派遣されて、1ヶ月が過ぎました。私の住んでいる地域は気温が下がり始めており、日中は日差しが強いですが夜は冷え込むため、昼夜の寒暖差が20℃以上あります。最近の仕事は馬に乗って牛を移動させる、カウボーイの仕事をしています。放牧地内の端からカウボーイ5.6人で一斉に牛の群れを囲んで目的地まで追い込み、牛の仕分けをしてトラックに積み込むという流れが主な作業です。アメリカではアンガスと呼ばれる肉牛の品種を使うのが主流で、赤身の肉が特徴的な品種です。アンガスの体格は小柄ですが気性が荒いため、種牛や子を守ろうとする母牛は人に向かって突進してきます。そのため、馬に乗ることは移動手段だけでなく、人の安全確保のためにも重要です。人によっては、馬に乗りながらカウドッグと呼ばれる牧畜犬を使役し、牛を追い込みます。
動物と一緒に仕事をし、動物相手の仕事であるため予期せぬトラブルが多々起こります。直近で言えば昨日、10月1日の作業時間は15時間にも及び、街灯が無い山の中で、目視で確認できない牛200頭を徒歩で移動させるという作業をしました。
私はこの仕事を初めて見た時、何故現代において未だにこのやり方なのか疑問を持ちましたが、舗装された道はなく、電波も届かない荒野や森林内の環境下では、文明の利器は役に立たないため、昔ながらの変わらないやり方が続いていていることに気付きました。
また、最近はワシントン州の運転免許を取得するために免許センターに行きました。ワシントン州では国際免許だけでは運転することができないらしく、私の農場では提供される住居が農場から離れているので、免許が必須です。試験は日本と同様に、筆記と実技があり、筆記試験は日本語で受験することが出来ました。しかし、問題文は日本語が正しくなかったり、問題文と4つある選択肢の内容が一致していなくても、試験官はもちろん日本語の文章は分からないので、問題文の訂正や免除は一切受け付けてもらえませんでした。なんとか筆記試験はパスしましたが、実技試験の方は使用する予定だった車の申請書類に不備があったため現在は書類の準備中で、来週には実技試験を受けるつもりで調整しています。
アメリカでの生活にも徐々に慣れ始め、農場の作業は心身共に疲弊しますが、日々新しい発見や学びがあり、充実しています。