カセサート大学オンライン学術交流プログラム学生報告会①

掲載日:2022.03.03

カセサート大学と実施しているオンライン学術交流プログラムの学生報告会①を1月21日に行いました。本学獣医学類藤木純平講師による初回のセミナーで出された「タイと日本の薬剤耐性菌の比較」「どのように薬剤耐性菌をコントロールするか」という2つの課題に、両大学の学生がSNSなどを活用して交流しながらグループで取り組みました。当日はそれぞれ獣医学生としての忙しい大学生活や時差の合間をぬって完成したプレゼンテーションをグループごとに発表しました。

カセサート大学オンライン学術交流プログラム学生報告会①
カセサート大学オンライン学術交流プログラム学生報告会①

真剣に発表を聞いています

グループ1は、日本とタイの薬剤耐性に関する背景をコンパクトにまとめていました。タイでは年間数万人が薬剤耐性によって命を落すことにも言及されており、両国間の違いが浮き彫りになる様な内容で大きなセンセーションがありました。また、薬剤耐性対策上重要になる、6種の細菌“ESKAPE”についても調査し、抗菌薬の適正な使用を通した問題解決へのアプローチや、新たな(代替的な)アプローチとしてのファージセラピーに関しても、過去の基礎研究の概要を交えながら発表していました。

グループ2は、日本とタイの薬剤耐性菌の割合とそのモニタリングについてヒト、家畜の両面から詳細に説明しました。また、耐性菌におけるそれぞれの国での対策の指針や特に重要な耐性メカニズムについても示しました。加えて、モニタリングを通じた耐性菌制御方法やファーゼセラピーを用いた臨床研究や食品安全への利用について発表しました。

グループ3では医療、獣医療、水産分野における抗菌薬の使用量比較や薬剤耐性菌の出現状況、ファージセラピーについて、グループディスカッションが行われました。発表では、とりわけ両国で重要となる水産分野における抗菌薬の使用や、魚類に対するファージセラピーの応用例が紹介される等、ユニークな発表となりました。

カセサート大学オンライン学術交流プログラム学生報告会①
カセサート大学オンライン学術交流プログラム学生報告会①
カセサート大学オンライン学術交流プログラム学生報告会①
カセサート大学オンライン学術交流プログラム学生報告会①

グループ発表の一部です

発表後も活発に質疑応答があり、充実した報告会となりました。オンラインでもグループで取り組む専門分野の課題学習やプレゼンテーションが実施できるということは、学生たちに取っても今後の自信につながる貴重な経験になったと思います。最後に画面上で集合写真を撮り、報告会を終えました。次はカセサート大学の先生によるアジア象の感染症についてのセミナーと課題に対して、新しいグループ編成でのグループ活動になります。

カセサート大学オンライン学術交流プログラム学生報告会①
カセサート大学オンライン学術交流プログラム学生報告会①

本報告会の録画動画を希望者に配信します(本学関係者のみ)。希望者は国際交流課までメールでご連絡ください。

国際交流課
rg-iad@rakuno.ac.jp