海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)1月 植野耕史さん
掲載日:2022.02.10
海外農業研修
循環農学類(2020卒) 植野耕史(Yasufumi Ueno)
2月のカリフォルニアの天気は晴れが多く、日中は15度ほどの気温で推移しているため非常に過ごしやすい気候です。アメリカ全土、特に主要都市部では再び新型コロナウイルスの感染が拡大しているようです。しかし、私の住む街ではあまり影響はみられず、以前と変わらない生活を送っています。
1月は自宅近くにあるホームセンターで花を見てきました。アメリカのホームセンターは巨大で園芸コーナーも非常に充実しています。販売されている商品は季節的にもシクラメンや春植えの球根がほとんどを占めており、たくさんの方が購入されていました。その中でも特に球根類の栽培キットの豊富さが印象に残りました。栽培キットとは鉢の中に土と肥料、そして球根がセットされており、購入者はただ水を定期的に与えるだけという園芸初心者にとって非常に手を出しやすい商品となっています。日本でも球根類の栽培キットは販売されていますが、園芸店やネット通販での購入が一般的であり、認知度も低いのではないかと思います。このような手軽な商品がスーパーや雑貨店に並べば、潜在消費者の手に届きやすくなり、花の需要増加に少し貢献できるのではと思いました。
花の需要、特に切り花ではアメリカも日本と同様に減少の一途を辿っています。かつて日本が参考にしたアメリカの切り花生産は衰退し、現在ではアメリカの市場は南米のコロンビア、エクアドルなどからの輸入によって多くが賄われているようです。
日本もアメリカと同様の流れに飲み込まれ、国内の切り花産業は衰退しています。私も以前、花のせり市場を見学した経験がありますが、多くの輸入品が市場に流通している印象を持ちました。
どのようにしてこの流れを止めるかは非常に難しい課題であると思いますが、需要増加への取り組みとしては、ドライフラワー等への加工がしやすい花の開発、具体的には枯れても花が落ちない、色あせないなどの形質を持った品種の作出に取り組み、潜在消費者の取り込みを目指していくこと必要ではないかと考えました。
他にも様々な対策が考えられますが、私自身アメリカに来て、客観的に日本の農業を捉えたり、考える時間が増えています。このような環境に感謝して、今後の研修に望んでいきたいです。