駐日スウェーデン大使と本学学生が意見交換・交流会を行いました
掲載日:2021.12.24
12月7日(火)、ペールエリック・ヘーグベリ駐日スウェーデン大使が本学を訪問され、酪農を学ぶ本学学生たちと意見交換・交流会を行いました。
ヘーグベリ大使は2年前に来日し、今回初めて札幌を公式訪問され、近郊の牧場視察の後に本学をご訪問いただきました。当日は在日スウェーデン大使館やビジネススウェーデン(商務部)の方々、スウェーデン企業であるデラバルグループのヨハン・リーデル上席副社長、中野省吾デラバル株式会社代表取締役社長らも同行され、学生有志6名と和やかな雰囲気の中で有意義な交流を持つことができました。
酪農後継者だけでなく非農家出身者や女子学生など、普段から研究やサークル活動で牛の世話に携わっている6名の学生が集まりました。緊張する学生たちを前に大使が「まず、大使は何をしている人だと思うか?」と聞き、ご自分で冗談交じりに「パーティに出ること?」との答えに会場が一気に和みました。
大使から学生たち一人一人に、なぜ酪農を勉強しようと思ったのかと質問がありました。ある学生が「実家でロボットを導入したり小さい子どもに酪農を知ってもらう酪農教育ファームなどをしているのを見てきたが、両親は働き詰めだった。アニマルウェルフェアが浸透していく中で、これからは人も幸せに働く環境を作っていくことが大事だと思い、自分がそういう環境づくりができたらいいと思った」と答えていました。
そこから日本でアニマルウェルフェアという考え方や取り組みがどれだけ進んでいるか、という話題になりました。「現状ではあまり取り組みは進んではいないと思うが、これから自分たちが経営していく中では重要になってくる。牛の除角などもこれからは角が生えない遺伝子の研究など、時代に合う形態になってくると思う」と、これから自分たちが目指す酪農の将来像について堂々と考えを述べる学生の姿と、学生一人一人の言葉に真剣に耳を傾ける大使の姿が印象的でした
デラバルグループのリーデル上席副社長からは、日本の酪農家の高齢化問題となかなか日本で普及が進まない搾乳ロボットについて、同じ高齢化の問題を抱えつつロボット搾乳が普及しているヨーロッパと比較しながら学生に質問がされました。「金銭面のことや成功する人としない人がいることなど、新しいものを取り入れることに積極的ではないという日本人の性格が出ていると思う」と学生は答えていました。続けて「現在日本の学生たちはあまり海外留学に興味がないと聞くがみなさんはどうか?スウェーデンにも農業大学がある」との質問に、ある学生は、「父や兄も海外で実習しとても楽しかったと聞いてきたが自分自身その勇気がなかった。もしそういう機会があれば在学中や卒業後でも行ってみたい」と答えていました。
和やかで有意義な意見交換を終え笑顔で記念撮影した後は、引き続き本学の堂地修学長との懇談となりました。学生たちとの議論を踏まえて日本の農業でロボット化が進まない要因について、コロナ禍での牛乳消費低下の問題など、また若い世代の酪農業に対する展望など意見を交換しました。
短い時間での交わりでしたが、学生たちは「緊張しましたがとても良い経験になりました」と笑顔を見せており、大使館の方々も「日本の素晴らしい学生たちにとても力をもらいました」とおっしゃっていました。未来の酪農を担う学生たちにとって、今回の交流が世界に目を向けるきっかけとなり、そして日本とスウェーデンの交流がますます活発になっていくことを大いに期待しています。