海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)9月 植野耕史さん
掲載日:2021.10.08
循環農学類(2020年3月卒業) 植野耕史
農場実習が始まって1ヶ月が経ち、ようやく新しい生活のリズムが整ってきました。カリフォルニアも徐々に寒くなり、特に朝晩の冷え込みが激しい印象です。世界的に有名なワイン用のぶどうの産地であるナパバレーでも季節の変化に合わせて収穫が始まったようです。私の住んでいる場所から車で40分ほどなので余裕ができたらワイナリーにも足を運んでみたいです。
私は現在、Salad Cosmo USAという、主にスプラウト類を生産している会社で研修させていただいています。現在の研修の内容は、もやしの収穫、箱詰め、配送管理と生産から流通の手前まで多岐にわたっています。私は今までスプラウト類の生産現場を見たことがなく知識も全くありませんでした。初めて見た生産現場の様子はまさに工業製品の工場のようで驚きました。屋外で作業することはなく土も使うことがないため私が経験してきた農業とは全く異なるものです。このような新たな視点の農業はとても新鮮であり、日々の研修でたくさんのヒントを得たいと思っています。
日本のもやしは、安いもので20円ほどの価格で購入することができる食材ですが、アメリカでは200〜300円ほどする比較的高価な食材です。これは他社との競合が少ないため、市場が複数社での寡占状態になっていることが要因のひとつとしてあるようです。配送エリアは西海岸全体で、ニーズに関しても西海岸在住のタイ人、ベトナム人などのアジア人が多いこと、またその関連の飲食事業者によって多く消費されています。このようなニッチな市場に着目することは稼げる農業を目指す上では大事な視点であると改めて感じました。そのようにして成長しているSalad Cosmo USAは1995年に設立され、日本人の社長が0から作り上げた会社です。日本人、アメリカ人、メキシコ人が主に働いており、3言語が飛び交う職場です。業務内容の確認等は主に英語を使っていますが、業務中はメキシカンと共に仕事をすることが多いのでスペイン語の必要性を痛感しています。英語ももちろんですが、スペイン語も少しずつ勉強していきたいです。
カリフォルニアに来てから、休日はサンフランシスコ観光や近くのレストランでディナーを楽しんでいます。今まで以上に英語を使う機会も増え充実した日々を送っています。これからも1日1日が疎かにならないように目標を決めて過ごしていきたいです。