アルバータ大学オンライン留学プログラム(夏季) 報告書(荒木さん)

掲載日:2021.10.04

アルバータ大学オンライン留学プログラム 報告書

獣医学群 獣医保健看護学類 1年 荒木 真

 

プログラム参加の動機

私は以前より国際交流に興味があり、大学入学を機に積極的な活動に取り組もうと決意しておりました。私の考える国際交流とは語学教育のみならず、各国の倫理観の違い、宗教の捉え方、国際環境への価値観といった日常では感じることのできない国々の感覚の違いをディスカッションによって共有し合うというものでした。本来は短期留学によってそれらを実行しようと考えておりましたが、コロナ禍でのオンライン実施ということで、経済的な負担が実際の留学よりも少なく、手続き等も比較的少なく参加できたことから、長い期間計画していたものではありませんでしたが挑戦に至りました。

 

プログラム参加に向けて

国際交流をしようとする上で、準備としてまずは自国の文化・象徴・特徴等を知る努力をしなければならないと考え、「日本の有名な歌手」「日本人の特徴」「日本が世界に誇っているもの」などリサーチをしました。しかしプログラムが進行するにつれ、意外にも自分の知る日本についての事実は非常に少ないことを思い知らされました。また、授業毎に記録をつけようと「Homework(宿題)」・「Vocabulary(語彙)」・「Impression(感想)」・「To Do lists(反省と次回に向けて)」の4項目からなる「Impression and To Do lists」というものを作りました。

 

プログラムへの参加

私のCSGCO(Communication Skills for Global Citizenship Online)クラスのインストラクターはDan先生でした。クラスメートは酪農学園大学の先輩方をはじめとした他大学の学生、韓国・中国の大学生や大学院生でした。毎回の授業のトピックについて、主にzoomのブレイクアウトルーム機能を使用し、少人数でディスカッションしました。ディスカッションといっても、まずは自己紹介や相手の調子を伺ったり、共感したり、新たな話題を振ったりと一回のディスカッションを行うに当たって沢山の手順と流れがあり、慣れることに時間がかかりました。トピックについて、ディスカッションをするためだけの課題ではなく、「自国の文化の特徴」「SDGsを達成するには」「多文化・言語主義について」「公共における人々の文化の違い」など柔軟な発想と価値観を育むことができるものとなっていました。カナダ人と日本人とのスタンスの違いが顕著なものであったのは想像に至りますが、意外にも同じアジア圏の韓国人や中国人と日本人でもかなりトピックに対するスタンスが異なることに驚きました。

続いて一週間に2~3回のペースで開催される、CSGCOクラスの後のSEC(Student Engagement Centre)クラスにも毎回参加するようにしました。SECクラスは一回の授業の中でも2部構成でできており、前半は様々なCSGCOクラスから集まった学生と比較的簡単なトピックについてディスカッションするというものでした。前半の最後に「Kahoot」というゲームしました。Kahootはカナダにまつわる問題を中心に4択で答えるもので、正答数はもちろん解答速度や連続正解数などを考慮し順位を決めるというもので、難しい問題が多かったもののとても盛り上がりました。後半はアルバータ大学関係者の方、アルバータ大学に現役で在席されている方々にボランティアとして参加していただき、難易度の高いリーディング課題(長文の読み上げ・内容についての問題・ディスカッション)に取り組みました。しかし、難易度が高いためか後半が実施されない回もありました。

 

プログラムの充実に向けて

どのクラスにおいても最初は自己紹介が多いので、自己紹介をする場面に現物を用意し、それを見せながら説明することでオンライン上ではありますが理解を深めてもらおうと考えました。実際に好物であるパンケーキにいつもかけているカナダ産のメープルシロップ、たまに食べたくなる韓国料理のヨッポッキ、最近熱中しているNintendo Switchなどを用意し、見せながら説明したところ、予想通り「自分の国のものを知っているんだ!」といった反応を見せていただく場面が多々あり、非常に盛り上がりました。

プログラムが進む中で、語彙について大きな気付きがありました。自分の知らない語彙について尋ねたところ、当然ではありますが英語で例えながら説明していただき、その英語の例えもわからないという場面が多くありました。逆に自分が語彙を説明する場面でも、適当な類義語が見つからず、日本人参加者に日本語で伝えてしまうという場面がありました。それらの対策として、今までは「未知の英単語―日本語の意味」というように覚えていたのですが、今プログラムからは「未知の英単語―類義英単語orそれに代わるフレーズ」と覚えるようにImpression and To Do lists内のVocabulary(語彙)欄に記入しました。実際に類義語を同時対策できるので、説明できるようになったほかTOEIC等でも活用することができる場面が増えました。

ディスカッションの場面などにおいてどうしても沈黙が生まれてしまう場面が多々ありました。そのような場合に便利なフレーズである、反応のフレーズ「Are you kidding?(冗談ですか?)」「That’s incredible!(それはすごいです!)や話題を変えるフレーズ「By the way(ところで)」「Totally unrelated to(全然関係ないのですが)」などといった便利なフレーズを積極的に使うようにし、より充実したディスカッションにするようにしました。

 

プログラムを終えて

CGSCOクラス・SECクラスにおいて新しく習得した語彙やフレーズはメモを取り、Vocabulary(語彙)欄に記入しその都度記憶するようにしたので、TOEICの点数を比較してもプログラム開始前と比べて語彙力はとても付きました。

スピーキングに関して、今までは羞恥心がゆえに発言できないという場面が多々ありました。しかし、私が意見を申したい場面ではDan先生がいつも「go ahead!!(さあ、やれっ!)」と言っていただき、発言しやすい環境を作ってくださって、意見を述べることができた場面が多くありました。少人数クラスなどでは、あらゆる国から集まったオンライン留学生の中で、発言しないと流れに飲まれてしまうと考えたため、できるだけ会話の流れを自分から作るようにし、話題を振る場面を多く作るようにしました。羞恥心がゆえに発言できない状況が大幅に改善したとは言い切れないかもしれませんが、今まで自分の中にあった大きな壁を少しずつ乗り越えている実感はとても大きいものでした。

様々なボランティアの方やクラスの方と交流し、やはり自分の英語力やコミュニケーション力の低さを実感しました。話したいことがあるのに英語で伝えられない場面や、そもそも会話が成り立たない場面など非常に後悔の残る場面もたくさん経験することができました。この後悔を今後の糧にできるよう、To Do lists(反省と次回に向けて)欄にその都度しっかりと記入し、前回よりも今回、今回よりも次回といった意気で今後の国際交流活動にもつなげていこうと思いました。しかし、この経験は国際交流活動のみならず日常生活にも置き換えることのできる非常に大切なものだったと思います。

今回のプログラム参加について、まだ大学に入学し数か月という短期留学もしくは長期留学について本格的な動きに入ることが難しい時期にもかかわらず、オンラインプログラムという挑戦しやすい環境を提供していただき、現地での留学さながらの非常に貴重な経験をすることができました。今後目指している、現地での留学をしたいという思いを強くするべく、今回のオンライン留学はとても充実し、成長を実感することのできる機会となりました。本来の留学プログラムの代替としてのオンライン留学プログラムと伺いましたが、本格的な活動が難しい時期の参加、経済的負担が少ない点、自分のペースでWeb資料等を見返すことができる点など、オンラインで開催することの利点を最大に享受することができたと考えております。調整等困難を極める場面が多々あったと存じますが、このような機会を提供していただき誠に有難うございました。