2020年度 家庭菜園講座「ジャガイモの来歴と適した栽培方法について」における講演内容の質問に回答します。

掲載日:2021.03.16

2021年2月27日(土)に開催いたしました家庭菜園講座「ジャガイモの来歴と適した栽培方法について」にて寄せられた質問について本学教員が回答いたしました。

【質問1】日本にジャガイモの⼊ってきた年代は?

(回答)定説はありませんが、江戸時代初期と考えられています。

(1)「伝来の時期には諸説あり、1598(慶長3)年にオランダ人がジャワから長崎にもたらしたとする通説がよく紹介されるが、現在に至るまで定説はない。」
(2)「交易が盛んになって伝来の可能性がより高まるのは1641(寛永18)年にオランダ商館が長崎の出島へ移転した後であり、17世紀中頃にジャガイモが伝来したと考えるのが自然であろう。」とされています。

引用文献:『ジャガイモ辞典』,財団法人いも類振興会 編集・発行,全国農村教育協会,2012,p61-62.

回答者:農食環境学群循環農学類 講師 亀岡 笑

 

【質問2】浴光催芽時にソラニンは発生しないのか?

(回答)発生しますが、栽培するのであれば問題ありません。

(1)浴光催芽時にソラニンは発生します。
(2)しかし種イモは養分供給源となって最終的に収穫されませんので、種イモにソラニンが発生しても問題ありません。

回答者:農食環境学群循環農学類 講師 亀岡 笑

 

【質問3】種イモは食べられるのか?

(回答)種イモは食用にしないでください。

(1)一般的に、販売される種イモは防除目的で薬剤処理されていますので、食べるべきではありません。
(2)植え付け後に余ったとしても、食用には回さないようにしてください。

回答者:農食環境学群循環農学類 講師 亀岡 笑

 

【質問4】収穫するとき殻が枯れるまで置いている⼈がいるが2次成⻑等問題はないのか?

(回答)枯凋期のジャガイモ収穫は収穫時期として適切です。一方で枯凋期に入ってから長期間放置すると2次成長の可能性が生じますので、適宜収穫してください。

(1)ジャガイモに関するご質問と捉え、殻というのは茎葉部のこととして回答します。ジャガイモの収穫適期は枯凋期(茎葉部が枯れたころ)です。ですので、枯凋期まで待っての収穫は問題ありません。
(2)枯凋期に入ってから収穫までの待機期間が長くなると2次成長発生の懸念が出てきます。基本的な収穫適期とされる時期を品種ごとに確認した上で、枯凋期に入ったら適宜収穫を済ませてください。
(3)また関連情報ですが、収穫2次成長がより心配される環境要因は土壌水分条件と気温あるいは地温と報告されています。ぜひ参考論文を参照してみてください。
参考文献:『1994年の北大農場におけるバレイショ塊茎の2次生長と土壌水分条件との関係』,岩間和人ら著,1995,北海道大学農学部農場研究報告,29: 15-22. https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/13423

回答者:農食環境学群循環農学類 講師 亀岡 笑

 

皆様のご参考になれば幸いです。今後とも本学の市民公開講座を何卒よろしくお願いいたします。