第57回酪農公開講座を湧別町にて実施

掲載日:2019.10.25

2019年10月18日(金)に酪農学園大学主催の第57回酪農公開講座を湧別町のふるさと館JRYにて開催いたしました。
酪農公開講座は本学で行われた研究成果を全国の酪農家に向けてフィードバックすることや、本学卒業生への卒後教育を目的として毎年道内外で開催し、開催地の要望に基づいて本学教員を派遣し講演を行うものです。2019年度北海道内では湧別町にて「酪農を未来へつなぐ」をテーマとして開催いたしました。湧別町をはじめとして遠軽町、佐呂間町、えんゆう農業協同組合、湧別町農業協同組合、佐呂間町農業協同組合、オホーツク農業共済組合と本学は、2013年3月18日に地域総合交流協定を締結しており、教育・研究活動にて日頃からご協力いただいております。

主催者挨拶として本学社会連携センター長の金子教授から「本学の数ある特徴の一つとして、実学教育の重視がある。実習が多くカリキュラムに入っているため、本学の卒業生は社会に出た際にすぐに即戦力となるようになっている。えんゆう地区の皆様には獣医学類の参加型臨床実習や、食と健康学類の公衆衛生学実習などの運営にご協力いただいており、この場を借りて感謝申し上げる。」と述べられました。開催地を代表して湧別町の刈田副町長より「現在、地域枠ということでえんゆう地区より2名の学生が酪農学園大学の獣医学類で勉学に励んでいる。将来的には現在培っている知識・技術を用いてえんゆう地区で活躍してもらいたいと考えている。今後も協定関係は継続していきたい。」とご挨拶をいただきました。

第57回酪農公開講座を湧別町にて実施
第57回酪農公開講座を湧別町にて実施

講演1として、本学農食環境学群 循環農学類の吉野教授より「酪農経営の動向と家族酪農」と題してご講演いただきました。講義では大規模化が進む中で酪農産業の基礎にある家族経営がいかにして持続的に存続しうるのかを、酪農専業地帯のクミカンデータなどをもとに分析し、紹介されました。合わせて「競争力」や「所得倍増」とはどう実現するのか、他の事例や様々なデータと共に紹介していただきました。

第57回酪農公開講座を湧別町にて実施
第57回酪農公開講座を湧別町にて実施

講演2では本学農食環境学群 循環農学類の堂地教授より「乳牛の繁殖成績向上について~特に分娩前後の栄養状態の推移と繁殖成績の関係~」と題してご講演いただきました。講義では乳牛の繁殖成績にはさまざまな要因が影響していることを踏まえ、本学ロボット搾乳牛群の長年の観察結果をもとに、分娩前後の栄養状態が高泌乳牛の繁殖成績に及ぼす影響について考察を示しながら、乳牛の繁殖成績について紹介されました。

第57回酪農公開講座を湧別町にて実施
第57回酪農公開講座を湧別町にて実施

この度の酪農公開講座は酪農家の方々、農協の方々、行政の方々を中心に58名のご参加をいただきました。北海道外にて開催いたします酪農公開講座は今年度12月11日(水)と12月12日(木)にそれぞれ千葉県成田市と千葉県館山市にて「乳牛の繁殖から子牛の管理まで」をテーマに行います。