2019年度JICA日系研修員(短期)報告会・閉講式
掲載日:2019.08.30
8月30日(金)、JICA日系研修員ナカグチ・ヴィクトル・マサキさんの報告会が行われました。
ナカグチさんは本学環境共生学類の金子正美教授のもとで3か月間、「リモートセンシング技術による農地、森林、環境資源管理とモニタリング」コースで研修しました。
報告会冒頭の挨拶で金子教授は「3か月という短い期間でしたが、高精度のGPSを低価格で自作・検証を行い、期待以上の成果を残してくれました」と研修成果を講評しました。
ナカグチさんはブラジル出身の26歳。日本へ来るのは2回目ですが、北海道は初めてで食べ物や人をとても気に入ったようです。
ナカグチさんは3Dプリンターを使い、高性能のGPSを作成しました。通常のGPSでは約3mおきに位置情報が表示されますが、ナカグチさんのRTK-GPS(RTK=Real Time Kinematic)は0.3mおきとかなり正確です。この機能によって、それぞれの農機(刈り取り機、噴霧機、種まき機等)を効率良く動かし、農地を有効に活用できます。親機と子機が衛星からの位置情報を補正し合い、より正確な位置情報を割り出すそうです。これにより正確な地図を作ったり、雪国の除雪作業にも役立つかもしれません。ブラジルに帰国した後はこの研修を活かして農地開発に役立てたい、と話していました。
ナカグチさんは自作したGPSを会場に持参しており、実際に手に取ってみることもできました。
発表後半では思い出の写真を複数見せてくれました。沖縄での初めてのサーフィンや北海道の美味しいラーメン、仲間との食事等、短い期間ではありましたが日本を楽しんだ様子です。
閉講式でJICA斉藤顕生所長からもメッセージがありましたが、ブラジルだけではなく今後は世界的な規模で活躍してくれることを祈っています。