海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年10月 広井千紗都さん

掲載日:2025.11.24

循環農学類(2024年3月卒)広井 千紗都

10月に入り、ワシントン州は本格的に寒くなりました。朝には車の窓に霜が降り、標高の高い山にはうっすらと雪が見えます。
今月8日にワシントン州からカリフォルニア州へ移動しましたが、移動前日の7日まで農場で作業を続けました。作業内容は先月に引き続き、牛の捜索と秋に生まれた子牛への耳標付けです。耳標を付ける際は、放牧地から連れてきた母牛と子牛のグループを小さな囲いに入れ、ペアを確認します。どの母牛がどの子牛の母親かは見た目では分からないため、子牛がどの母牛の母乳を飲んでいるかを観察して見分けます。子牛は自分の母親からしか母乳を飲まないため、その行動を見つけたらロープで子牛を捕まえ、倒して耳標を付けます。私も挑戦しましたが、子牛はとても素早く逃げるので難しかったです。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年10月 広井千紗都さん

私がロープでキャッチできるように手伝ってくれました

カリフォルニアへの移動が近づくと、ボスの家族と食事に行く機会が増え、研修期間中にお世話になった方々へ感謝を伝えることができました。思い返せば楽しいことも大変だったこともありましたが、とても充実した研修でした。出発当日は、ワーカーの皆さんが仕事前に会いに来てくださり、一緒に写真を撮って名残惜しい別れとなりました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年10月 広井千紗都さん

ボスのファミリーの家に招待していただきました

その後、カリフォルニア州に移動し、翌日から授業が始まりました。私が通っているのはカリフォルニア大学デイビス校(通称UC Davis)で、ここで2か月間ホームステイをしながらビジネスを学びます。毎日のアグリビジネスの授業に加え、フィールドトリップもカリキュラムに含まれています。約14か月ぶりに再会した同期の研修生たちは皆元気で、農場での経験や各州とカリフォルニアの気候の違いなど、話題が尽きません。授業はすべて英語で専門的な用語も多く大変ですが、日本語でサポートしてくれるアシスタント学生がいるため、内容を理解することができています。
フィールドトリップでは、大学内のチョウザメなどの養殖施設や、ワイン用のブドウ畑を見学しました。現在住んでいるDavisは、これまで過ごしていたBrewsterに比べ人口が多く、ダウンタウンには多くのお店があります。街を走る車もコンパクトカーが多く、ピックアップトラックが少ない点にも驚きました。私は大学で自転車をレンタルしており、普段の移動は基本的に自転車です。学生証を使えば無料でバスにも乗れるので、隣町へ買い物に行ったり、Sacramentoという大きな街まで足を運んだりして、週末は充実した時間を過ごしています。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年10月 広井千紗都さん

Old Sacramentoの街並み

平日の授業は15時頃に終わることが多いため、授業後にDavis市内で食事をしたり、友人と出かけたりしています。Davisに来てからは人と接する機会も増え、時には大変なこともありますが、残り少ないアメリカでの生活を引き締めながら楽しんでいきたいと思います。