フィンドレー大学 ベーシック・アニマルハンドリングプログラム2024年度報告書(横山 遥音さん)

掲載日:2025.04.30

獣医学類 3年 横山 遥音

 私は2025年3月18日から4月9日までの3週間、アメリカ合衆国のオハイオ州にあるフィンドレー大学でベーシック・アニマルハンドリングプログラムに参加しました。私が留学に興味を持ったのは英語や、他の国の文化を学び将来海外で働くことも視野に入れたいと考えていたからです。今回私が参加したこのプログラムでは英語を学ぶことが出来るのはもちろん、他にもアメリカにおける獣医学や動物の扱い方を学ぶことが出来るというものでした。また、フィンドレー大学は100頭ほどの馬を保有しており、馬の臨床獣医師になりたいと思っている私にとってとても良い経験になるのではないかと思い、参加を決めました。
フィンドレー大学では平日の日は毎朝English FarmとWestern Farmという馬の厩舎に行き、そこの学生とペアになって馬に乗るための準備を手伝いました。日本ではEnglishの乗り方が主流なためWestern Farmでは沢山質問をしたりして、EnglishとWesternの乗り方についての違いを知ることが出来ました。Westernでは使う馬具がEnglishとは違います。また馬に乗るための鞍を持たせて貰いましたが、Englishの物よりもとても重く驚きました。
午後はそれぞれDr. Hass、Dr. Flores、Prof. Whitakerの授業を受けました。Dr. Hassは主に馬を扱っており、私自身も馬に興味があったため、授業を通して多くの貴重な体験をすることができました。具体的には、馬の脚に包帯を巻く「Wrapping」の方法を学んだり、筋肉注射や採血の手技についても教わりました。Dr. Floresの授業では、主に羊、ヤギ、牛、豚などの家畜を扱いました。授業では学生たちに混じって毎回ペアを組んで参加し、検温、心拍数や呼吸数の測定、採血などを行いました。これらの作業のためには動物を保定する必要があり、ヤギは比較的容易に捕まえることができましたが、羊は走り回ったり、採血の際に立ち上がってしまったりと、保定が大変でした。また、生まれたばかりの子豚に耳標を装着したり、尻尾を噛まないように短くしたり、雄の子豚の去勢も行いました。Prof. Whitakerの授業では豚を扱い、出荷の基準や飼料について学びました。
私は当時はまだ獣医学類の2年目で、生きている動物に対して採血などの処置を行った経験がありませんでした。そんな中で、様々な動物に対して実際に採血や筋肉注射などを行うことができ、本当に素晴らしい体験となりました。

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Dr.Floresの授業で行った採血

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子豚に注射を行った後の止血

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Dr.Floresとの写真

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Dr.Hassとの写真

授業以外にも、先生方がさまざまな場所へ連れて行ってくださいました。中でも、Valley Veterinary ClinicとVCA Animal Hospitalが印象に残っています。どちらの施設でも主に診療室などの案内をしていただき、実際にアメリカで働く獣医師の方々に直接質問する機会がありました。Valley Veterinary Clinicでは、治療室の構造やそれぞれの部屋の用途、普段1日にどれくらいの手術を行うか、攻撃的な動物への対応方法など、具体的な話を聞くことができました。VCA Animal Hospitalでは、施設の案内の後、さまざまな手術の見学をさせていただきました。入院している動物たちの症状についても教えていただき、病院の見学と同時に多くの学びがありました。
 私はペットを飼っていないため、これまで獣医師の方と直接お話しする機会がほとんどなく、「獣医師になりたい」という気持ちはあっても、実際の仕事内容を具体的に理解できていない部分がありました。しかし今回の留学を通して多くの獣医師の方々と関わり、質問を重ねる中で、自分の将来に向けてより明確な目標を持つことができました。

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Valley Veterinary Clinic

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VCA Animal Hospital

3月29日、3月30日には、ホームステイを行いました。私は、もう1人の留学参加者と共に、5月に酪農学園大学へ留学予定のGabbyとMarahのご家庭でホームステイをさせていただきました。ホームステイ中は、Otherworldというアートミュージアムを訪れたり、本屋さんやショッピングモールに連れて行ってもらいました。中でも印象的だったのは本屋さんです。日本の本屋さんとの違いを感じることができ、とても楽しい時間でした。また、本を購入する際には店員さんと少し会話をする機会がありましたが、緊張せずに日常的な会話を楽しめたことで、自分の英語力の成長を実感しました。また、Gabbyのご実家ではたくさんの動物たちと触れ合うことができました。ヤギや羊と直接ふれあい、日本では人を見ると逃げてしまうことが多いこれらの動物たちが、とても人懐っこく、たくさん撫でることができたのが新鮮で印象に残りました。その他週末には昨年酪農学園大学に留学していた学生たちと一緒にAxe Throwing(斧投げ)をして得点を競い合ったり、アイススケートにも行きました。また、留学生活に少し慣れてきてからは、自分たちだけで大学近くのお店やダウンタウンに出かけてみるなど、いろいろな場所を探検することができ、とても楽しかったです。

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アイススケート

フィンドレー大学 ベーシック・アニマルハンドリングプログラム2024年度報告書(横山 遥音さん)

ホームステイの時に訪れたOtherwold

自分で行くことを決めた留学でしたが、やはり出発前には不安や緊張もありました。しかし、一緒に留学に参加した仲間や、現地の先生方、生徒達によるサポート、そして事前に行われた研修のおかげで、私にとってとても良い経験となる留学を終えることができました。
これからは、この貴重な留学経験を糧に、さらに勉学に励み、立派な獣医師になれるよう努力していきたいと思います。