海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年3月 久保田匠さん

掲載日:2025.03.31

酪農研究科 修士課程1年 久保田 匠(循環農学類(2024年3月卒))

3月に入り先月と同じような気温が続いていますが、雪が降る頻度が少なくなり、乾燥した晴れの日や曇りの日が増えてきました。加えてちょうど季節の変わり目なのか、風の強い日が続いており、寒さよりも風と戦う日々が続いています。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年3月 久保田匠さん

最近はこのような天候です

午前中は、先月同様にローダーを使って牛への餌やりを行っています。この3月で餌やりシーズンが一段落し、来月からは新たな作業に移ります。昨年の10月から約5ヶ月間、餌やりに携わってきましたが、その間にローダーなどの重機の運転技術や牛の健康状態を観察し早期に気づくための観察眼など、多くのことを学ぶことができました。牛の成長とともに、私自身も少しは成長できたのかなと感じています。
午後の作業は、先月に比べて地面の整地や牧場内のゴミ拾いの作業が増えました。雪や水たまりが減り、冬の間に見つけられなかった様々なゴミを少しずつ回収しています。広大な土地で終わりが見えないように思いましたが、作業を進めるごとに自分の仕事場がきれいになっていくのは、気持ちが良いものだと感じています。
また、春に向けて若い牛の去勢や卵巣摘出の処置も行いました。ボスによると、これらの処置は発情行動を抑え、増体効率が良くなるとともに、肉質の向上にもつながるとのことです。特に卵巣摘出については、獣医さんが牧場に来て1頭ごとに手術を行いました。1日に約150頭の手術が行われましたが、その手術のスピードと丁寧さには驚かされました。アメリカのような大規模な牧場を支えるためには、1頭をさばくスピードが求められることは理解していましたが、実際にその様子を見てみると、正確さを保ちながら様々な工夫がされており、その技術も含めてとてもいい勉強になりました。
もちろん、日本とアメリカでは飼育方法や規模・牧場を取り巻く環境などの様々な要因が異なるため、そのまま同じ技術を日本に持ち帰ることは難しいかもしれませんが、非常に参考になる経験をすることができたと感じています。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年3月 久保田匠さん

卵巣摘出の手術の前には、毛刈りをしてしっかりと消毒をします

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年3月 久保田匠さん

お昼休憩の際にボスがふるまってくれた料理たち

協会への積立金の送金などを通じて、この牧場での研修期間も折り返しに差し掛かっていることを実感しています。残りの期間も知識や技術を吸収し、日本に持って帰れるように様々な経験を積みながら、たくさんの人との会話を続けていこうと思います。さらに、ボスとの相談の結果、8月に1週間の有給を取ることができたので、それもモチベーションにしつつ、今後の生活を過ごしていこうと思います。

※同期のヨーロッパコースの研修生の竹本さん、研修お疲れさまでした!