ニュージーランド大使館員ほかが来学されました

掲載日:2025.02.12

2月6日(木)、在京ニュージーランド大使館より第一次産業参事官のハワード・ステイブリ氏(Mr. Howard Staveley, Counsellor, Primary Industries)、一等書記官のティム・スチュワードソン氏(Mr. Tim Stewardson, First Secretary)、ポリシーアドバイザーのロイド久美子氏 (Ms. Kumiko Lloyd, Policy Adviser)、またフォンテラ・ジャパン社のコーポレートコミュニケーション部ジェネラルマネージャーのブリン・ロウドン氏(Mr. Bryn Rowdon, General Manager, Corporate Communications, Fonterra Japan)が、本学を訪問されました。
ご一行はまず本学髙島理事長を表敬されました。髙島理事長からは「ニュージーランドは酪農先進国、特に放牧に関して先進的な地域であると聞いている。酪農業の営み方は日本でも多様化しているのでニュージーランドからも学ぶことが多いと思っている」と歓迎の挨拶がありました。ステイブリ参事官からは「放牧酪農に興味を持っている方が増えているとも聞いているので、この訪問の機会をありがたく思っています。ニュージーランドと日本との酪農製品の貿易の歴史は長く、日本の酪農産業の発展はニュージーランドにとっても重要なことで、これからも北海道の酪農産業が継続して発展していくことが重要だと考えています」とご挨拶をいただきました。
当日は荒木名誉教授、萩原社会連携センター長も交えて、ニュージーランドの放牧酪農について、本学の学生教育やその課題、ニュージーランドのエネルギー政策についてなど幅広い内容で意見交換がされました。
ステイブリ参事官からは、放牧酪農については日本とニュージーランド両国の大学レベルでも研究が進んでいること、大学はその知見を農家が実際に生かしていくための専門家の育成という役目を持っているというお話がありました。
フォンテラ社のロウドン氏からは、「ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト」のご紹介をいただきました。これは日本の酪農の収益の向上と持続可能性に貢献することを目標に、ニュージーランドの放牧酪農のノウハウを活かし北海道内の放牧酪農家と連携し、放牧酪農と牧草の調査と実践・コンサルティングを行うプロジェクトで、2024年度はプロジェクト発足から10年目を迎えたとのことです。次はこれをどのように普及していくか、例えば学生の留学や研究者・専門家の交流、放牧酪農のコンサルタントを増やすことなどを検討しているとお話しされました。
意見交換の中で印象的だったのが、ニュージーランドでもAnimal Welbeing(動物の幸福)の考え方が非常に重要で、放牧酪農によって動物が自由に栄養価の高い牧草を食べ、健康であることでコストも下げられる、というお話でした。放牧を始めたすぐは一時的に1頭当たりの乳量は減ったケースでも、牛の病気が減ることでトータルの生産量は下がらなかったそうです。酪農家のワークライフバランスの話題にもなり、放牧と季節分娩による労働時間の削減など、One Healthの考えにも通じる示唆に富んだお話を聞くことができました。

ニュージーランド大使館員ほかが来学されました
ニュージーランド大使館員ほかが来学されました

その後、本学フィールド教育研究センターの稲森技師の案内で、酪農生産ステーション繋ぎ飼い牛舎を視察していただきました。この牛舎は高校生たちが主に作業していることなど説明があり、ちょうど実習を終えた高校生たちも元気に挨拶していました。搾乳の方法や、メタンガスの発生を抑制する餌の話など、興味深いお話をすることができました。

ニュージーランド大使館員ほかが来学されました
ニュージーランド大使館員ほかが来学されました

短い時間、そしてニュージーランド本国とは季節が逆の寒い中でのご訪問でしたが、とても有意義な時間となりました。今後も、本学とニュージーランドとの交流がさらに深まることを願っています。