海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年1月 久保田匠さん

掲載日:2025.03.10

酪農研究科 修士課程1年 久保田 匠(循環農学類(2024年3月卒))

Happy New Year!
今年に入ってから、朝晩の冷え込みがさらに厳しくなり、寒さ対策が欠かせません。日本から持ってきたヒートテックが本当に役立っており、持ってきて良かったなと思っています。体調を崩さないようにするためにも寒さ対策は大切だなと思いました。
現在は冬シーズンのため、仕事内容は先月と大きく変わりません。主な作業はローダーを使い、トラクターで牽引しているミキサーや小型のミキサーを載せたピックアップトラックを使って牛たちに餌を与えています。先月までは、ローダを用いてミキサーにベールを入れる際に牧草をこぼしてしまうことが多くあり、どうにか改善できないかと思っていましたが、最近はローダーとミキサーの距離感や位置をしっかり確認しながら慎重に作業することで、ほとんどこぼさずにできるようになりました。「まずはゆっくりでも正確に」ということがが大事だと実感しています。
午前中は餌やりが中心ですが、午後の作業は日によって様々です。今シーズンは雪がほとんどないこともあり、放牧地のフェンス修復やポールを立てる作業、放牧地の川にあるダムの点検作業などをしています。他には、他の牛たちとは別に育てている体調が悪い牛たちの様子を見つつ餌やりを行い、週に一回程度でこの子らの健康診断の手伝いをしています。こうした日々の作業を通じて、大学生時代に衛生や免疫に関するゼミに所属していたこともありとても興味を持って楽しく作業をしています。また、ボスに質問すると回答をしてくれる前にどう思うのか自分の意見を求められるので、自分なりに考えることが多くなりました。
今月は、堆肥を作る作業を専門業者が行う様子を初めて見学しました。大きな重機を使った作業は圧巻で、日本との規模の違いに驚かされました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年1月 久保田匠さん

専門の業者が来て堆肥を作ってくれています

また、地域で行われる牛のコンテストに向けて、牧場の牛の中から出品用の牛を選び別に飼育することを始めました。このコンテストはボスの娘さんが参加しており、毎年開催されています。牛の体格や日増体量などといったものを評価して競い合うイベントです。以前ワシントン州で同じようなイベントを見学した際には、牛以外にも鳥や豚の部門がありとても面白い取り組みだと思いました。一般の人たちも地域の組織のサポートを受けることができるため、誰でも参加できるようになっており、より多くの人に動物と触れ合うことのできる良い機会を与えることのできるイベントだなと思いました。このようなイベントなどを通じて、動物や植物を育てることを経験することで農業や畜産に興味を持つ人が増えることにつながっていればいいなと思います。また、コンテストに出品するための牛の餌も販売されておりアメリカでは一般的なことなのかなとも思いました。日本でもこのようなイベントがあれば楽しいだろうなと思います。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)2025年1月 久保田匠さん

コンテスト出品用の牛の餌

特にフェンスの修理やポール立て作業は体力をかなり使うため、休日はしっかり睡眠を取り食事を意識して、体調を崩さないためにもなるべく体のリカバリーをするように心がけています。
また、今月は新しいインターン生が一時的に加わりました。その方は数週間だけ牧場で実際の仕事を経験して、自分に合った職業を考える機会を得るため来られました。ボスの指示もあり主に私と一緒に作業をすることになりました。まだまだ未熟な私が教える立場になる場面も多くあり、終始不安でした。しかし、今持っている自分の英語力や今まで学んだ技術を駆使して、意思疎通をとりつつ一緒になんとか作業を進めることができました。また、まだまだ知らない英単語がたくさんあり説明してもらえればわかりますがダイレクトに「これ」と分らないことが多くあります。そのため、教えてもらった英単語はその場でメモを取るようにして、今後はすぐに理解できるようしっかり復習していきたいと思います。
研修期間も残り9か月となり、時間が限られてきました。まだまだ学ぶべきことがたくさんありますが、できるだけ多くの経験を積みこの貴重な時間を有意義に過ごしたいと思っています。新しい知識や技術を吸収しながら、自分の成長を実感できるよう、引き続き頑張ろうと思います。