海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)12月 広井千紗都さん

掲載日:2025.03.01

循環農学類(2024年3月卒)広井 千紗都

 11月末にあったThanks giving dayも終わり、町はクリスマス一色になったと思うとすぐに新年がやってきました。12月10日から14日まではラスベガスでボスのローピングの世界大会があり、ボスが私とorchardの研修生4人をラスベガスまで招待してくださりました。ラスベガスに滞在したのは2日間でボスは惜しくも負けてしまいましたが、日本では見慣れないチームローピングという競技の世界大会を間近で見ることができ、前後のシアトルでの滞在含めとても貴重な体験をすることができました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)12月 広井千紗都さん

チームローピングの大会会場

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)12月 広井千紗都さん

シアトルで行ったスターバックスの1号店

 今月からは馬に乗ることはなく、先月に山から降ろした牛たちの餌やりが始まりました。メキシカンワーカーと一緒に行動して朝に馬の餌やりが終わった後、大きなトラックに乗って荷台にアルファルファとブルーグラスのスクエアヘイベールを積み、牛たちがいる放牧地についた後は荷台に登ってヘイベールを少しずつ崩しながら地面に落としていきます。ヘイベール1つ分で約15頭の計算で与えているのですが、毎日餌をやるときに前日の草の残り具合を見てその日給餌する量を調節します。なるべく無駄のないように給餌することを心がけます。その際に乗るトラックを私も何度か運転し、普段乗っている車よりも圧倒的に大きいトラックに最初はなかなか慣れませんでしたが、だんだんとコツをつかんで時々1人で運転することを任されるようになるまで上手くなることができました。しかし放牧地は連日の雪のせいでタイヤがはまって動かなくなる時も多々あり、そのたびに作業が中断して大変でした。
 餌やりの作業は午前中で終わるので午後からは主に電気柵の設置を行います。山から降ろした牛たちが放牧されている場所の多くは夏の間にアルファルファなどの牧草の採草地で、隣に民家や果樹園があるのでそこに牛が侵入していかないようにします。ですが、時々その柵を壊して抜け出してしまう牛もいます。そのときは連絡が入った場所に向かって牛たちを探して追って柵の中に戻し、壊された場所を直します。その中でも線路の上を約20頭の牛が歩いているところを見た時が一番驚きました。みんなで線路の上を歩いて牛を元の放牧地に戻して柵が壊れているところを見つけて直したのですが、後で聞いた話だと3日以上毎日連続であったらしいです。牛が逃げ出さないためにも丈夫な柵作りは重要だと思いました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)12月 広井千紗都さん

 24日はファミリーに招待いただきクリスマスパーティーに参加してきました。子どもたちの歌や持ち寄ったおいしい料理、プレゼント開封などとても賑やかで楽しい時間でした。私もボスから自分の名前と農場名の入ったジャケットとハンドクリームのセットをもらい、とても嬉しかったです。また、31日には違うファミリーから招待をいただきご飯を食べながらニューヨークのカウントダウンをライブで見る予定だったのですが、私のいるワシントン州で21時がニューヨークの24時のはずが21時になってもカウントダウンがなく、おかしいと思ってみるとチャンネルを間違えていたというハプニングがありました。そのためクラッカーを鳴らすタイミングもグダグダになってしまいましたがとてもいい思い出になりました。アメリカではニューイヤーに赤い服を着て12個のブドウを食べます。赤い服は成功を、12個のブドウは月々の幸運を願うそうです。今月は様々なアメリカ文化に触れることができました。

海外農業研修報告書(国際農業者交流協会・アメリカ)12月 広井千紗都さん

クリスマスパーティーで子どもたちに配るプレゼントです。みんなとてもうれしそうでした。

 新年に入り農場研修も残り10か月になりました。来年の今頃は日本に帰っていることを考えると長いようで短く感じます。2025年は1年のほとんどをアメリカで過ごします。この経験はこれから先もうないと思うので後悔が残らない1年、1番よかったと思える年にするために今年も頑張ります。